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9-3話 4つの合成と覚醒(闇《中盤》)

前回までのあらすじ:

古代竜を倒した。姉さんを宿に連れて行った。

9.5話(闇《前半》)を見てからこの話を見ることを推奨します

―ご主人様(しゅじんさま)。お兄様(にいさま)がいる部屋(へや)(りゅう)(たお)した地点(ちてん)(あらわ)れた(べつ)生命(せいめい)反応(はんのう)一致(いっち)したものが部屋(へや)にいます。ですが敵対(てきたい)している様子(ようす)はありません。このまま様子を()ておくのがいいと(おも)います。

 うん?(たし)かに()になるが敵対(てきたい)していないのなら今は大丈夫(だいじょうぶ)だろう。

 とりあえず(なに)もしないか監視(かんし)しておいて。

了解(りょうかい)です。

 さて、カシさんは何をしているのかな?

 わぁ。魔導書(まどうしょ)みたいなの()んでる。

「何ですかこれ?」

「ああ、最近(さいきん)習得(しゅうとく)しようとしている魔法(まほう)書物(しょもつ)だよ」

「これなんて()いているんですか?」

「このページはすべて魔法の詠唱(えいしょう)が書いてあるよ」

「これ全部(ぜんぶ)ですか!?」

「ああ、これをしっかり(おぼ)えるか見ながらスラスラ()まなきゃいけないんだ。だから魔法って(むずか)しいんだ。それに(つよ)くなればなるほど詠唱(えいしょう)(なが)くなっていくから難易度(なんいど)()がっていくんだ。だがその魔法を発動(はつどう)するには相当(そうとう)な魔力が必要(ひつよう)だから発動できるころにはスラスラ読めるようになっているんだ。普通(ふつう)はだが」

「普通じゃないのがあるんですか?」

「お(まえ)たちがそうだろう。インは詠唱なしで結界(けっかい)()ってくるし、ヨウは魔力(りょう)がおかしい。コウは魔法の使(つか)()けに(すぐ)れている。そなたは魔力の調整(ちょうせい)(こま)かすぎるところまでできておる。通常、無詠唱(むえいしょう)相当(そうとう)レベルの(たか)い人しかできないしできても全然(ぜんぜん)威力(いりょく)が上がらない」

 この人あんな一瞬(いっしゅん)でそんなに見分(みわ)けたのか。(おそ)ろしい人だな。


 お、(こう)()りてきた。

(おそ)かったね、光」

「しょうがないじゃない、ハプニングがあったんだもん」

「ハプニング?」

「えっとね―」

 何があったかは()っているがわざと知らないふりをしておく。その(ほう)面白(おもしろ)そうだろ?

―はい。

 はい。


「はぁ!?竜が仲間に!?」

 (おれ)芝居(しばい)がうまいかもしれないな。

「これまた面白いことが()きたな」

「カシさん、前例(ぜんれい)ってあります?」

「いや、聞いたことがないな。そもそも竜は人間(にんげん)から恐れられていたから竜が()めてきたらもう()わりって(かん)じだ。今回(こんかい)はそれが(くず)れたがな」

「それで名前(なまえ)がないらしいの」

「それで?」

「名前を()めてほしいんだけど」

「いや、ちょっと、それは」

 俺にはネーミングセンスというものがない。オーバークロックも俺がつけたがパソコン関係からパクってきた。もうセンスがごみだからパクってきた感じだな。

『そうか、(あん)はネーミングセンスが0だったね』

 スキル遮断(しゃだん)一時的(いちじてき)解除(かいじょ)

完了(かんりょう)しました。

 ゼロですいませんね!

 遮断回復(かいふく)

実行(じっこう)()みです。

 さすが。

性別(せいべつ)は何だ?」

 カシさんが()り気だね。

両方(りょうほう)(おんな)()だね」

双子(ふたご)みたいな感じだったか?」

「いわれてみたらそうかも」

「ふむ」


 それから(やく)(ふん)()

「ミハルとミフユでどうだ」

 おぉ!すごくいい名前だね!

「いいね、それ」

「でもどっちにどっちをつけよう?」

元気(げんき)なこと()()いている子だっけ」

 これなら俺に(あん)がある。

「うん」

「元気な子をミハルにすればいいんじゃない?」

「それはいいな」

「じゃあ決定(けってい)で」

(われ)ながらいい名前だ」


「それでそなたたちは何者(なにもの)なんだ?普通の人とは言わせないぞ」

 まあそう来るよな。

「それは俺から説明(せつめい)するよ」


「俺たちは別の世界(せかい)から来た。俺と光は神様(かみさま)()れてこられた(かたち)で兄さ、(いん)(よう)原因(げんいん)がわかってないが何かしらの出来事(できごと)があってこっちに来たと推測(すいそく)される」

「神は本当(ほんとう)にいたのか」

「俺たちは陰と陽のサポート(やく)としてきたって感じだね」

「それであの(ちから)を」

 おしい。

「いや、それが(すこ)(ちが)くて。陰と陽はなぜかわからないけど二人(ふたり)が一つとしてこの世界にいたんだ」

「インとヨウ。まさか!」

「何かあるんですか?」

「ああ。この街だけかもしれないが伝説(でんせつ)碑石(ひせき)にある言葉(ことば)があってだな」


「陰と陽が()ざり()った(とき)この()(ことわり)破壊(はかい)され、(まえ)とは(くら)(もの)にならないぐらい世界は変化(へんか)するだろう」


「とな。どれが何を()しているかわわからない。そもそもこの言葉がわかったのも最近(さいきん)だったので調査(ちょうさ)があまり(すす)んでいない」

 完全(かんぜん)に兄さんと(ねえ)さんのことじゃん。どうなっているんだよ。

「てことは」

「ああ、もしかしたらあの二人のことを指しているのかもしれない。これは神様は知っていたのか?」

(とく)に言われていないから知っているかもしれないけどすっかり(わす)れていたっていう可能性(かのうせい)もあるんじゃない?」

「わからない。そんなことは言っていなかったから忘れていたのかあえて言わなかったのか」

「ちょっとまって」

 うん?どうしたんだろう、光?


「何だったの?」

「神から伝言(でんごん)が来た」

「なに?そなたは神の信託(しんたく)()られるのか?」

「これは信託って感じでは無いと思うけど」

「それで内容は?」

「忘れてたって」

 は?

「神ってこんな気楽(きらく)なのか?」

「本当はだめだと思うよ」

「はぁ。とりあえず今日(きょう)はもう遅い。私もここに()まる。明日(あした)になったら()びに行くのでゆっくり(やす)んでいてくれ」


 はぁ。こんな神でいいのか?やばいぞこの世界。終わってないか?

 でもしっかり機能(きのう)しているから大丈夫だろうけど。

 とりあえず寝よう。

 本当は姉さんの(となり)()たり()()いたいけど了承(りょうしょう)がないからやめておこう。

 俺は吸血鬼(きゅうけつき)ってことをまだばらしてない。きずいているかもしれないけど。

 血はまだ吸わなくても生きていける。

 ちなみに吸血鬼になってしまった理由(りゆう)は光のお(ねが)いだ。

 ベットが二つあるから姉さんが寝ていない方に寝るかな。

 おやすみ、シス。

―おやすみなさい、ご主人様。

次の投稿は7/26の07:00です

次は陰と光コースです

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