９－２話 ４つの合成と覚醒（闇《前半》）
前回までのあらすじ：
特になし。
９話を見てからこの話を見ることを推奨します
オーバークロック状態表示。
―オーバークロックは正常に起動が完了しました。現在役割表示の準備をしています。
スキル開通作業開始。
―了解。開通作業を開始します。役割提示のころには完了すると思われます。
さて、オーバークロックはしっかりできたようだ。できなければ困るけど。
―システムログ。役割提示。あなたの役割は出力調整です。
結構得意なものが来たな。俺はあまり魔法を実行するのが得意ではない。
だからシスを使ってやっている。
そろそろ全員がシスの名前を設定しているころかな？
―現在名称設定していないのはお兄様だけです。
兄さんはまだしてないのか。してないから悪いなんてないからいいけど。
―スキル開通が完了しました。スキルを実行しますか？
よろしく。
―了解です。
さて今はどんな状況かな？
―視界を表示します。
真っ暗闇からくるとまぶしいな。
にしてもまだ攻撃が続いていたのか。魔力量がすごいこと。
―システムログ。魔法制御をマニュアルモードに移行します。
―実行者は光です。
制御は光か。スキルが復活したおかげでほかの人の心が読める。
でも姉さんと兄さんは見ていないけどね、今は。
戦いの時ぐらい読まないでおかないと。二人の精神が終わってしまう。
光は見るけど。
『でもこの出力は安定してないんだよね。でも私では出力の調整はできないからどうすることもできないよ。そろそろ出力の人がマニュアルモードにしてほしいな』
明らかに聞こえているならしてって言ってるよね。
でも俺が開通していること知ってるのか？まあ光だしいいか。
シス、出力調整をマニュアルモードに移行。
―了解。マニュアルモードに移行します。
『うん。ぴったりだね。しっかり安定もしてきた』
これで安定していないとか言われたらキレてたよ。
畜生。解析スピードの制限が間に合わなかった。
姉さんが結構疲れたじゃん。
―私のせいでしょうか？
いいや、俺の指示が遅れたのが悪い。シスは何も気にしなくていいさ。
―はい、ご主人様。
『これは解析担当からの早く行動しろっていう伝言なのか？』
絶対姉さんはそんなことは言わない。というか言ってない。
『お兄ちゃんはこういう事に対しては敏感だね。そんなに深い意味はないと思うのに。
お兄ちゃんはいつからこんなに敏感になったかな？恋に対しては鈍感なのに。
だっていつまでたっても私の好意に気付いてくれないんだもん。
ちょっと悲しいな。』
いったい一人で何を言っているんだ光は？
「そんなことはいいから早く仕事の準備をしようよ、光」
『うん？いつから聞いてた？』
「最初から」
『なんでそんなに早くスキルの開通ができるかなぁ？
前の世界で機械に関しての使い方がうまかったからそれがシスにまで伝染したかな？
そんな機能はないと思うけどなぁ。』
「大丈夫、俺も何でこんなに早くできるかわからないから」
『それって本当に大丈夫なの？』
知らんけどダイジョブじゃね？
―ご主人様。竜の魔力回復量が落ちてきました。
やっと弱ってきたかな？
『でもじゃあなぜさっきは二人の気持ちが読めたのかな？』
「俺が強制リンクさせてた」
でも俺の心まで読まれると困るから兄さんと姉さんだけっていう制限かけてたけど。
『ちょっと。勝手にそんなことしないでよ』
「ははは。役に立ったからいいじゃん」
『まあそうだけど』
「さてそろそろ話しも終わり。兄さんが動きそうだよ」
『はーい』
シス、魔力隠蔽を戦闘モードに移行。
―了解です。
俺は魔力隠蔽は得意だが常時展開は厳しい。しかも俺は魔力量が多すぎて常時展開していないとキツイ。
だからシスに任せている。戦闘モードはいい感じに戦闘に向く感じにしてくれる。
俺語彙力がないな。
『さあ、とどめを刺そうではないか』
シス、準備はいい？
―もちろんです、ご主人様。
よし、始めよう。
『魔法やスキルが使われるまで私は暇だな～。何をしていようか』
優雅でいいな。俺は結界を展開していないといけないから意外と大変なんだぞ。
あとこの空間に何をするもないでしょ。
『まあ確かにそうだけどさ。そんないい方しなくてもいいんじゃない、闇』
この口調になってしまうのは無意識だからしょうがない。
『無意識だから許されるわけがないのよ』
う、正論を言われてしまった。
―簡易情報。現在街の住民は全員この体を見て驚いています。
これを実行したのは兄さんか。
『私こんな設定にした覚えないんだけどな』
様呼びを気に食わないのか。別にいいと思うけどな。
もしかしたら俺たちとは違う誰かが望んだものかもしれない。
あまりそんな人思いつかないけど。
『そんな人いる？』
神しか思いつかない。
『そうか、神がいたね。でもそんなこと望むかなぁ？』
ありえなくはないよ。
『後で戻しておこうかな。
でもこれはこれでいいかも』
結局どっちなんだ。
本気を出していないからだけど今は互角って感じだね。
『この攻撃は強くて使かい勝手もよさそうだから俺も使ってみたい』
おっと、そう来るか。まあいい案だけどさ。
光がにやにやしているように感じる。
なんかうれしそうだな。
『何もしないよりはいいじゃん。それより闇』
なに？
『そっちこそ忙しいんじゃない？』
出力調整は大変だけど慣れれば楽だよ。それにこれぐらい余裕だよ。
単に相手の攻撃に合わせて無駄がないように調整するだけだからだ。
そんなことだったら別に誰でもできるだろう。
『調整は闇に負けるね』
俺が負けてしまっては困る。それ以外はあまり得意じゃないから。
『得意ではなくても普通の人は超えるでしょ』
それは別。
『そうなのかな？』
まあ今は気にすることでもないがな。
『さあスキルを使かおう。おそらくスキルは魔法制御に分類される。そして魔法制御の役割はおそらく』
さて、スキル発動まで来たね。出力調整をしっかりしなきゃ。シス！
―はい、ご主人様。
姉さんがオーバークロックが切れるまでは倒れないように調整しておいて。切れたらいいから。
―了解です。
『光！』
『正解！』
めちゃくちゃうれしそうだね、光。
ちなみに今は聞こえないように遮断してるけど。
ちょっと、もう解析終わったの？早くない？
―スキル展開完了。出力調整を行ってください。
えっとだな。あのゲージをこうしてあれはこんな感じで、いやそっちはこうだな。
―ご主人様。あそこの調整を忘れています。
おっとっと。じゃあこれをこうして、できた！
―調整完了でいいですか？
うん、いいよ。
―実行欄に移ります。
さあ調整はしっかりできたかな？
『セーフティー解除！』
おっと、ちょっと強すぎたかな？まあこれくらいは誤差か。
―敵に攻撃が直撃、反応が消えました。
いや、やりすぎた。
―ご主人様。反応消滅地点に別の生命反応が現れました。
うん？何だろう？解析してくれない？
―現在オーバークロック中で解析担当が違うので実行できません。
そっか。それじゃあ解析できるようになったらしておいて。
―了解です。
『別の反応ねぇ。いったい何なのかな？』
おまえもか。
残念だけど今は調べることができない。解析担当が俺らではないから。
―警告。オーバークロック状態を保てなくなりました。オーバークロックを解除します。
シス、オーバークロックになる前に言っておいたことしてくれた？
―実行済みです。
さすがだね。
よっと。
しっかりしてくれていたね。
オーバークロック前に言っていたことは「解除したら姉さんの着陸地点を俺がおんぶしているところにして」といった。
お姫様抱っこできる腕力はないからおんぶにした。
本当にそっちの方がいいのかはわからないが。
「光、上」
自分で設定したのに忘れるってどういうことだよ。
光はお姫様抱っこなんだ。兄さんは細いからもてるのかそれとも光ができるくらいの腕力を持っているか。どっちだろう。でも身長は結構高いぞ。
「いったいお前たちは何者なんだ？」
カシさんが話してきた。まあ驚くのも当然だよね。
「とりあえずその話はあとにしていい？今は姉さんたちを寝かせたいんだ」
「それならいい宿を知っているよ。ついてきてくれ」
しっかりした場所にしてくれよ。変なところは嫌なんだ。
―システムログ。偉業の達成を確認。神からギフトが送られます。
―ギフト名：【ファステストの英雄】
うん？なんだこれ？ギフト？
前、神がそう言っていたような気がるけど忘れた。
『闇、聞こえた？』
『うん、聞こえた。なんだろう？』
『とりあえず今はお兄ちゃんたちを運ぼう』
『せやな』
カシさんが止まったってことはここか。
「ここだよ。広くてきれいで私が疲れた時にやってくるんだ」
「カシさんって家はここにないんですか？」
「ああ、近くの丘の上に家があってね。仕事をするためにここに来るんだけど疲れて家に帰るのが面倒になることがあってね。そんな時に泊まるんだ」
「なるほどです」
好奇心が沸いたものにはすぐに飛びつくんだよな、光って。
おお、自動ドアなのか。
お、結構しっかりできた場所だね。
けど何かに似ている気がする。何だっけ？
そうだ。ビジネスホテルだ。
仕事はしていないけど旅行で使ったことがある。
この旅行は兄さんたちとは行っていない。
まああとあと同じ行程で旅行をしたらしいけど。
「２人部屋を二つと一人部屋を一つ」
「ちょっと、俺が払いますよ」
「いや、この街を救ってくれたお礼だ。少ないが許してくれ」
「そういう事ならお言葉に甘えましょうかね」
「そうしてくれるとありがたい。私はこれぐらいしかできないから」
カシさん優しいな。でも救ったっていうのかな？
「これがカギだ。三階にある。落ち着いたらここに来てくれ」
「ありがとうございます」
それじゃあ早くいきますかね。チェックインカウンターの人の視線が気になる。
「俺はこっちの部屋だから」
「うん、お疲れ」
「お疲れ」
お邪魔しまーす。
ええ！？めっさひろーい！
あの人本当にここに毎回来てるのか？
値段が半端ないことになりそうだぞ。
年パスがあるのか？
宿にそんなものある気がしないけど。
よいしょっと。
これでいいかな。
姉さんめちゃくちゃぐっすりだね。
寝た方がいいよ。急に環境が変わって体も慣れていないと思うし。
まてよ、姉さんたちが分かれたのは今日が初めてでしょ。
合わさっている体はあまり疲れを感じないでしょ、魔力関係以外。
・・・
もうわからないや。
お休み。俺はカシさんのところに行ってくるよ
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次は光コースです
