9-2話 4つの合成と覚醒(陽《前半》)
前回までのあらすじ:
特になし。
9話を見てからこの話を見ることを推奨します
う、うーん。
目の前が真っ暗で何も見えないわね。
これ本当にオーバークロックは成功したのでしょうか?
そうと言い切るにはまだ早い気がするわね。
―システムログ。役割提示。あなたの役割は解析です。解析のマニュアルをインポートしますか?
よくわからないけど、はい!
―インポート開始。実行に伴い視界を表示します。
さてまずは状況を整理しよう。
おそらくオーバークロックは成功した。そして私の役割は解析。操作方法はたぶん今頭の中に入っていってるからしばらく待機と。
そして今の外の状況は結界で攻撃を守っている状況みたいだね。
それにしてもすごいね。全然魔力が減っていないよ。四人の回復速度が合わさってこうなっているのかな?
―インポート完了。情報を開示します。インポートが完了したことによりスキル【感情解析】の常時実行を回復させます。
きゃ!
わあ、すごいよ。急に頭に情報が入ってきたから驚いたけど解析役のことがすべて書いてあるよ。
でもオーバークロックの情報はわからないみたい。
感情解析が復活したから陰の心が読めるようになったね。一人は寂しいから結構ありがたかったり。今はどう思ってるのかな?
『ほかの三人にもおそらく役割が配られているだろう。その中で俺は身体制御になったわけだ。予想では残りの三つは解析・魔法制御・出力調整だろう。』
1個は当たっているね。ほかの2つはわからないけど。
とりあえず役に立つことをしなきゃね。
なになに。解析したいものを視界内に入れて解析と思うと解析ができるらしい。言葉でもいいと。
やってみますかね。
目標、竜の攻撃。解析開始。
―解析開始。処理に伴い処理ボックスNO.0を使用します。残りボックス数は3です。なお解析には約十分かかると思われます。並列解析を実行すると疲労は増えますが素早い解析が実行可能です。実行しますか?
あたりまえじゃない。陰の役に立つことは早くしなきゃね。
―了解。並列処理を実行します。
さてどのくら―
おっとっと。急に疲労が増えたね。すごい疲れるよ。
―解析完了。プロパティを表示します。
早くない?ボックスたくさん使ったとはいえ早くない?
早いに越したことはないけどね。
えっと、なになに?
この攻撃は二匹の竜の攻撃が合わさったもの?
それは強いだろうね。やっと理由がわかったよ。
―プロパティをほかの三人の視界にも表示しますか?
はい!
―表示開始。
さて、陰はどんな反応をしているかな?
『これは解析担当からの早く行動しろっていう伝言なのか?』
え?そんなことはないよ。
って言っても陰には伝わらないと思うけどね。悲しいな。
一人だけ取り残されているみたい。
『さあ、とどめを刺そうではないか』
了解!
ふふ、やっとやる気になったみたいだね。
さあ蹴散らしていきましょう!
さてまずは何をするのかな?
『そういえば街の人はどうなっている?』
街の情報が欲しいのね。でもこれは私はできなさそうよ。
―簡易情報。現在街の住民は全員この体を見て驚いています。
わぁ、ゲームにいそうなあのシステムログとか言っている声と同じ声が教えてくれたね。
いつもありがとうございます。
―いえ、すべてはマスターのため。
ひゃぁ。マスターだって。それじゃああなたは何で動いているの?
―不明です。
不明?自分のことなのにわからないのね。これは機能が制限されている予感。
いったい誰がこんなことをやっているのやら。
「へっくしょん!」
あれぇ?風邪をひいたのかな?でも今まで風邪ひいたことなんだけどな。
歳を取って神の力が薄れちゃったかな?
それとも二人の転送で減っちゃったかな?
まあいいや。
それにしてもお茶は美味しいな。
「ぐぎ!」
いったぁぁぁぁぁぁぁぁい!腰がぁぁぁぁぁぁ!
なんか悲鳴が聞こえたような。
気のせいだね、多分。
まあいいや。
それじゃああなたの人格をいじることはできるの?
―可能です。イメージを出力してもらえばそのイメージのような人格に変更します。
なるほどね。それで呼び方も変えられる?
―可能です。
それじゃあしてみようかな。
―現在はオーバークロック状態なので変更できません。ですが名称変更はできます。
そっか。それじゃあ名前を決めようかな。
じゃあ君は、システムの人だからシスだね!
―名称を確認。設定します。
ふふ、うれしい?
―私は感情を持ちません。ですが人格設定で持たせることは可能です。
なら後で持たせてあげよっと。
『ここで選ぶのはもちろん吸収だが少し解析係に負担をかけてしまうかもしれない。その時はその時でしっかり謝ろう。』
どうやら吸収を使うらしいね。
確かに負担がかかってしまいそうだね。でも陰のためなら疲れてもいいよ。謝らなくてもいいし。
『光!』
解析を担当するのは私でも実行は光なのね。でもどうやって光が役割だと思ったのかな?
シスに聞いた感じでもなさそうだし。
そもそもシスってなんでシスなんだろう。
それを言ったら哲学になってしまうか。
なぜかシスって名前に導かれた気がするんだよね
―スキル発動。【吸収】。解析実行ボックス選択。
全部で!
―回答確認。解析を開始します。
さすがにこんなに強い攻撃になると疲労がすごいわね。くらくらするよ。
―解析完了。
はぁ、はぁ。すぐ終わったけどすごく疲れたね。
ちょっと休ませてもらおうかな。
視界一時閉鎖。シス、状況を言葉で行ってくれる?
―了解。視界を閉鎖します。開放するときはまた知らせてください。
了解。
―相手から得た攻撃を使用しました。相手の攻撃より威力が数倍増加しています。
わお。相当強くなってるね。
―攻撃が相手に直撃。反応が消滅しました。ですが同地点に別の生命反応が現れました。
別の生命反応?いったいなんだろう?
―警告。オーバークロックを保てなくなりました。オーバークロックを解除します。
もう限界なのね。
う、なんだろう。急に気持ち悪くなって、き、た。
そして私はたおれた感覚がした。
―システムログ。偉業の達成を確認。神からギフトがおくられます。
―ギフト名:【ファステストの英雄の力】
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次は光コースです




