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9-2話 4つの合成と覚醒(陰《前半》)

前回までのあらすじ:

特になし。

9話を見てからこの話を見ることを推奨します

 ()(まえ)()えない。

 それに何だこの(ちから)は。よくわからない感覚(かんかく)(おちい)っている。(よう)(こう)(あん)

 ・・・だめだ。返事(へんじ)がない。いったいどうなっている。

―システムログ。役割(やくわり)提示(ていじ)。あなたの役割(やくわり)身体(しんたい)制御(せいぎょ)です。

 身体制御?どういう(こと)だ?


 すると()っ暗だった視界(しかい)(ひら)けていく。そこはさっきまでいた場所(ばしょ)だ。

 (りゅう)の攻撃はまだ(つづ)いている。だがなぜかわからないが(からだ)疲労(ひろう)がない。

 防御(ぼうぎょ)を続けているのに魔力(まりょく)ゲージがびくともしていない。いったいどうなっている。

 いや、今はそんなことを考えている余裕(よゆう)なんてない。目の前の(てき)集中(しゅうちゅう)しよう。


 ほかの三人にもおそらく役割が(くば)られているだろう。その(なか)(おれ)は身体制御になったわけだ。

 予想(よそう)では残りの三つは解析・魔法(まほう)制御・出力(しゅつりょく)調整(ちょうせい)だろう。なぜそんなに正確(せいかく)に予想ができているたというとよくわからない。なぜか(あたま)の中にこの知識(ちしき)(はい)っている。

 なので俺は身体を操作(そうさ)してほかの三人(さんにん)に魔法の制御をしてもらう(かたち)になる。

 魔法制御をしなくていいからすごく(らく)になる。


 そんなことを(かんが)えていると今防御している攻撃のプロパティが表示(ひょうじ)された。

 これは解析担当からの早く行動しろっていう伝言なのか?

 それはいいとしてどうやら二匹(にひき)の竜の攻撃を合成(ごうせい)してこのような威力(いりょく)になっているらしい。

 道理(どうり)(つよ)いわけだ。

 だがオーバークロックした俺達(おれたち)には(とお)(およ)ばない。

「さあ、とどめを()そうではないか」

 何か心の中で三人がうなずいた気がする。もしかしたら俺の心をこの状態(じょうたい)でも()めているかもしれない。

 俺にはそんなことはできない。この(あいだ)こっそりスキルを(つく)ろうとしたが(なぞ)制限(せいげん)がかかっており作れなかった。

 それはいいとして心が読めてるなら(はなし)は早い。攻撃を(はじ)めるぞ。


 そういえば(まち)の人はどうなっている?

簡易(かんい)情報(じょうほう)現在(げんざい)街の住民(じゅうみん)全員(ぜんいん)この体を見て(おどろ)いています。

 あっそう。それはそうか。


 この攻撃は強くて使(つか)勝手(がって)もよさそうだから俺も使ってみたい。

 そこで使うのはコピーか吸収(きゅうしゅう)だ。コピーはコピーするだけでその攻撃を()機能(きのう)などは(そな)わっていない。吸収は攻撃を吸収したのち、それを解析し自分のものにできる。吸収なのでその攻撃は()えてくれる。

 このコピーと吸収は創造魔法ではできない。固有スキルの中に備わっている。

 ここで(えら)ぶのはもちろん吸収だが(すこ)し解析(がかり)負担(ふたん)をかけてしまうかもしれない。その(とき)はその時でしっかり(あやま)ろう。

 しかしこの攻撃がよくこんな(なが)時間(じかん)()つな。敵の魔力量に感激(かんげき)するよ。

 さあスキルを使(つか)おう。おそらくスキルは魔法制御に分類(ぶんるい)される。そして魔法制御の役割はおそらく、

 光!

―スキル発動(はつどう)。【吸収】。


 これが()こえたと(おも)ったら(きゅう)に攻撃が消えていた。

 本当(ほんとう)に吸収できたのかこれ?

―解析完了(かんりょう)。魔法(らん)登録(とうろく)します。

 どうやらしっかりできていたらしい。とりあえず安心(あんしん)

―簡易情報更新(こうしん)増援(ぞうえん)にと向かっていて攻撃を目視(もくし)できていた兵士(へいし)冒険者(ぼうけんしゃ)があ(ぜん)としました。

 そ、そうですか。

 さあ解析できたということは俺も使えるということだ。

 使用(しよう)してみようじゃないか。

 照準(しょうじゅん)指定(してい)完了。身体側は発動準備(じゅんび)完了。

―魔法展開(てんかい)開始(かいし)。完了。セーフティー解除(かいじょ)は身体制御の役割の人が実行(じっこう)してください。

 やっぱり光はしっかり(のぞ)んだことをしてくれるね。えらい。

 (たたか)いが()わったらたっぷり(あま)えさせてあげよう。

 出力調整は(たの)んだぞ、闇。それでは行ってみよう。

「セーフティー解除!」

 この体の手で照準を()わせておいて正解(せいかい)だったよ。手から発射(はっしゃ)されたよ。

 だが驚くべきことがある。見てもわかるぐらい威力が()がっている。

 どうなっている?出力調整はしっかりできているような感覚はするからこれは俺のレベルがおかしいのか。

 ステータスを見てみると状態(じょうたい)のところにオーバークロックが書いてあるのはいいんだが、レベルが無限(むげん)になっている。

 は?どうなったらこうなるの?

 そういえばオーバークロック状態になるときに何か言っていたような。

 でも(まった)く思い出せない。あとで光にでもオーバークロックの効果(こうか)でも(くわ)しく聞いてみるか。

 そういえば攻撃はどうなった?

 マップを見てみると竜の反応(はんのう)が消えている。

 これは()ったのかな。

 あれ?すっかり(わす)れていたけれど(となり)にいたカシさんがあ然としている。

 さすがにこの攻撃は強かったのか。

―警告。オーバークロックを(たも)てなくなりました。オーバークロックを解除(かいじょ)します。

 う、なんか気持(きも)(わる)い。たおれ、て、しま、う。

 そして俺はたおれてしまった。


―システムログ。偉業(いぎょう)達成(たっせい)を確認。(かみ)からギフトがおくられます。

―ギフト(めい):【ファステストの英雄(えいゆう)の力】

次の投稿は7/23の19:00です

次は陽コースです

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