80話目 方針会議1
ラーヴァの街の門が見えてすぐにRENSAの皆に連絡を入れて、休憩する事なくそのまま拠点にしてる、店の応接室に集合した。
その頃には、俺の心のささくれも少し落ち着き、何も好転してないのに落ち着いてに対応できるまでにはなっていた。
(人間の心って不思議だ。ずっと怒っていたり、ずっと落ち込んでいたりする事って出来ないもんだな。)
応接室には、ラーヴァ残留組のアルタイル、スピカ、ベラトリックス、シリウス、ツィー。
そして、俺とルナが集まっている。
ジヴォート帝国から来た兄妹とルディは、休息を優先してもらう。
捕虜にした3人組は、お店の地下にある倉庫の、その奥の鍵のかかる部屋に、一時的に「納品」しておいた。
まだ店舗営業も始まってないし、他に適当な場所も無かった事もあり、ツィーに許可をもらっている。
ソファに腰を落ち着けると、改めてラーヴァに戻ってくるまでの顛末を俺とルナから報告だ。
皆の顔が曇っていくのを感じつつも、とりあえず最後まで口を挟まず聞いてくれた。
そして、シリウスが呆れた声でため息をつく。
「やはりオレも着いていくべきだった……」
「本当にすまないと思っている」
(某ハリウッド映画の主人公の気持ちって、こんな感じなのか。)
「お前は魔力を吸収できると聞いたぞ、もっと穏便に納めることも出来たはずだが?大爆発を起こしたのには、きっと海よりも深~~~~い訳があるんだよな?もちろん」
「えーとですね……威嚇?になればなぁと思ったら、予想以上に大きかったっていうか~、派手になったって言うか~」
「お前は本当に正体を隠す気があるのかっ!?」
「はい。スミマセン!ごめんなさい!」
「まぁまぁ、零史は戦闘訓練を受けている訳じゃないのだ。力が入り過ぎる事もあろうて。それよりも、零史が我慢できずにレグルスの所へ先に行かなくて良かったのぉ。止めてくれたルナに感謝じゃな。」
「……でも、俺が行くのが一番早くて安全じゃん。レグルスが安全とは限らないんだろ?」
アルタイルのその一言に、納得できていない俺はムッとした表情を隠せない。
落ち着いていた怒りや焦りがぶり返してくる。
スピカが心配そうに俺の顔を見ているのは分かるが、目を合わせられない。
シリウスがさっきより、より深いため息をつく。
(なんだよ、みんな俺の味方じゃないのかよ……。
人を助けちゃダメだって言われるなんて、思わないじゃないか。何で助けちゃダメなんだよ!?)





