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79話目 ずっと怒ってるのって難しいんだな。

連載再開しました!


【この連載作品は未完結のまま約5年以上の間、更新されていません。

今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。】


って注意書きが作品ページに書いてありました。

あ~~~ららららららら、寅さん並みに遅い帰還です。

一方そのころ、砂漠のど真ん中の、馬車の中の零史くん。

ルディたち3人を馬車に残し、ルナと二人で冷え込む夜の砂漠に出てきた。


(RENSAの皆に、連絡しなきゃ……だよな。)


電話する時に、ベランダに出るマナー的なやつである。

夜の砂漠は冷える。聖霊の正常体温が何度かは分からないが、人間の時の癖で両手を抱き込み、背中を丸めながら小股で歩く。


(ホウレンソウ!大事だよね!

夜も更けてきたけど、後回しにするのは良くない気がする。

この時間に連絡しても良さそうなのは……シリウスかなぁ?


急に襲われました!……違うか。ちょっと暗殺者を捕まえまして?うぅ~何て言おう。……えぇい!ままよ!!)


零史が、いざ通信機を起動させようとしたその時、ちょうどよく通信機の鈴の音が聞こえる。


【リーン♪】

「うわぁぁ!」

【れぇいじ?元気そうぉね】


ギャグ漫画のようにワタワタと慌てるが、指輪型の通信機だったのが功を奏して、落ちるような事は無かった。


「ふぅ~。ベ、ベラ!こんばんは!」

【ふふふ、こんばんはぁ】

「どうしたの?突然」

【あら、あんなに派手な花火を打ち上げておいて、どうしたのは無いんじゃなぁい?】


(花火!?え、もしかしてあの爆発ラーヴァまで見えたのか!?)

「ぅえっ!?ん?花火???って???」


【あら、知らばっくれt……【零史お兄ちゃん大丈夫!?ケガとかしてない??】】


我慢できずに、スピカが通信に割り込んできたようだ。

そういえば、森に隠れ住んでた時の飛行練習も、落ちるたびに毎回心配してくれたなぁ。と、もう1年ほど前の事なんだと思いを馳せる。


「大丈夫だいじょうぶ!元気だよ!ぴんぴんしてる。あの爆発も俺の使った技なんだ。ごめん。」

【そっか、ビックリしたけど、お兄ちゃんにケガが無ければ大丈夫!】

「街中で襲われた奴が、出国した後も来てさ。返り討ちにしたから心配しないで!ちゃんと例の二人も一緒に、あと数日もすればラーヴァに戻れると思う。」

【うん!】


スピカの明るい返事に、戦いで荒んだ心が洗われる気がして、自然と笑顔になる。

すると、通信機の向こうの声が再び変わって、アルタイルになる。


【こっちも1つ報告が有るんじゃ。皇都でレグルスが捕まってしもうた。いまリゲル達が救出のために奔走しとるが、助けられるかは難しい所じゃな。】

「……え?」

【とにかく、ラーヴァに戻ったら、今後の方針を決めようかと思うんじゃが、どうかの?】

「わか、った。」


すごく大変な報告をサラッと言われて、俺は頭が真っ白になった。

その後も、アルタイルに言われるままに生返事を返していく。

とりあえず、一度ラーヴァに戻ってから今後の動きを決める事となり、通話は切れてしまった。

レグルスの件に関して、通話の向こうの皆の声が冷静で、俺の心の動揺との乖離に戸惑う。


もう繋がっていない通信機をしばらく見つめて放心している俺を、兎姿のルナが心配そうに見つめた。


「可能性は十分にありました。レグルスも覚悟して向かったんです。」

「……うん。」

「ラーヴァに着くまでにはまだ時間が有りますから、その間に一緒に対策を考えましょう。」

「そうだね、ラーヴァに着くまで……。」


(それまでの間にレグルスに何かあったら……。)


嫌な可能性ばかりが頭の中をグルグルする。

俺は、地球で生きている短い間、運よく身内の死というものに直面して来なかった。

そもそも俺にとっては平和な日本で、陰謀や殺人はニュースやドラマの中のものだった。


「たとえば……例えばなんだけど、俺が先にシュッとレグルスの腕輪に亜空間を使って移動とかってどうかな。ルディたちは、また刺客が来てもルナが居れば…」

「例えルディ達の命が危なくなろうと、私は零史と一緒に行きます。それだけは譲れません。」

「いやでも、俺は一人でも大丈夫だから……。」

「私は零史が最優先です。レグルスよりも、ルディよりも、もちろんこの惑星よりも。」

「でも……。」


(何だよ。ルナまで、俺は死なないって言ったじゃん。今はレグルスの命が危ないかも知れないのに。)


それ以上は、問答を繰り返しても堂々巡りになって、埒が明かなかった。

俺は大人しく、最速でルディ達とラーヴァに向かう事に注力する。

ラーヴァに着くまでの間、かなりピリピリした空気になった自覚はあるが、サラやディールの戸惑いに構っている暇は無かったし、察したルディが二人にフォローを入れてくれたみたいで、何も聞かずについてきてくれた。


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