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衝動の天使達 2 ─戦いの原則─  作者: 水色奈月
Chapter #2
9/206

Part 2-3 First hostage 最初の人質

302 George St. 4 miles South of Naval Submarine base Kings Bay St Marys GA., U.S. 11:55 Oct 28

10月28日11:55 合衆国ジョージア州 ネイバル・サブマリン・ベース・キングス・ベイ南部6.5㎞ジョージ・ストリート302



「フェリック! ジゼル! あなた達、お昼ごはんよ!」



 垣根ごしの母親の声に道で遊んでいた8歳のフィリックスと6歳のジゼルは顔を振り向けて、垣根に自転車を放り出し駆け出すと垣根の切れ目を回り込み家の方へ消えた。









 子どもたちのいなくなった垣根前の道に合わせるように1台のパネルバンがゆっくりと走って来ると2台の子ども用自転車の前に止まった。



 即座にスライドドアが開き数人の男らが車から下りてくるなり、2人が車の前後に別れ垣根の端まで行くと通りの前後に睨みをきかせ始めた。



 男らはそれぞれが違う服装であったが、暗い色合いの簡素で動きやすくそのままりょうにでも行けるで立ちで、それぞれが片手に大型の黒いコンバットバッグを下げ背には黒いバックパックを背負っていた。



 見張りについた2人を除き、残りの5人は誰が指図する事もなくそれぞれがコンバットバッグを地面に置き片(ひざ)をファスナーを開くと、中から艶消しの黒(マッドブラック)いロシアKBPーIDB社製PPー2000を引き抜き、各々利き腕でマシンピストルのコッキングレバーを引き放ち初弾をチャンバーに装填(ロード)し折り畳まれたスケルトンストックを左側から後方へ開いた。



 そうして5人はさらにバッグから両眼と鼻梁だけが露わになった眼出し帽(バラクダ)を被った。



 ファスナーを閉じまたバッグをつかみ立ち上がり片手で保持するマシンピストルのストックを肩に当て、銃口をやや上に向けた。



 1人の男が押し殺した声で命じた。



"План на игру для начала !"

(:作戦開始!)



 5人は一気に垣根の切れ端から、その住宅敷地へ小走りに駆け込むと母屋を目指した。



 わずか間をおいて、微かにガラスの割られた音が聞こえ、皿が落とされ砕けた音が響き短い女の悲鳴が聞こえ静かになった。



 間をおかずに通りの曲がり角を1台の大型タンクローリーが走って来てパネルバンの前に停車し、キャブのドアが乱暴に開き運転席から民家に押し入った男らと同じで立ちの男が下りてくるなりタンク後部に駆けタンク下シャーシー側にあるキャビンまで伸びた長方形の長箱後部のパネルを開いた。そうして男の脹ら脛(ふくらはぎ)ほどの直径をした蛇腹の灰色ホースを引き出しもう片側からも同じ長いホースを引っ張り出した。



 その男は2本のホースを連結し一端の口をタンク後端下にある排出口に接続しロックリングを締めつけると今度はホース先端をつかみ他の男らが侵入した住宅敷地の庭へとホースを引きずり込んだ。



 閑静な住宅地は早いランチタイムを迎え、2人の見張りに立つ男ら以外に人通りは見えなかった。



 男らが攻め入った家は、米海軍第6艦隊所属弾道ミサイル原子力潜水艦メリーランド副艦長バートラム・パーネル中佐の住宅だった。











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