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衝動の天使達 2 ─戦いの原則─  作者: 水色奈月
Chapter #1
5/206

Part 1-5 Evil Creature 凶生命体

Shopping Centre along the Marshall Hill Rd. West Milford North-Jersey NJ., U.S. 11:04 Nov 28 2018

2018年11月28日11:04 アメリカ合衆国 ニュージャージー州 ノース・ジャージー ウエスト・ミルフォード マーシャル・ヒル道路沿いのショッピングセンター



 明るい日中にその車400台が駐車できるショッピングセンターの駐車場の端でいきなり紫色の数本の放電が走り駐車した1台のピックアップトラックの荷台に急激に球形の暗がりが姿を現した。その球体に触れたピックアップトラックの荷台はまるで溶け落ちるように球体へと吸い込まれ消えなくなると、残された部分は急激に熱を帯び真っ赤に焼け、球体は周囲の空気を激しく吸い込み始めた。







 俺はなんだ!?







 近くに駐車していた車の運転席でショッピングセンターのマクドナルドから買ってきたハンバーガーを食べていた若い男はその光景に驚き食べかけのハンバーガーを包みなりダッシュボードに置き、ドアを開き車から下りてその後部の溶け落ちたピックアップトラックを唖然として見つめた。その荷台があった場所に見える丸い暗がりが何なのかじっと見つめているといきなりその球体が空中の1点に吸い込まれたように消え失せた。



 そうして溶け広がった場所にいるそれ(・・)を眼にして顔を強ばらせた。







 俺はいったいなんだ!?







 何かの見間違いだと若者は眼をしばたいた。



 まるでSFかファンタジーの映画にでも出てきそうな何かのようなそれ(・・)を見つめ、若者は興味をそそられた。



 作りもので、映画の撮影なのかもしれないと男は思いながら見つめているとそれ(・・)が頭部や腕にあたる数本の触手をくねらせている事に気がついた。



 まるでタコの腕のようにうねり伸びては縮みまた伸ばされる。だが形は似ても似つかなかった。人の腕ほどの太さがありミミズのようにヌラヌラとし伸び縮みを繰り返す。それなのに身体は硬さを思わせる鈍い輝きを持った焦げ茶色をしていた。その足は蜘蛛くものように複数ありそのどれもが滑らかに動く割に先が尖っており、まだかなりの熱を持つ赤黒い鉄の瓦礫を踏みしめていた。その代わりかそれ(・・)に手がなかった。8本ほどあるそのどれかが足でなく手なのかもしれなかった。ゴリラが地面に手をつくようにそれ(・・)は手を下ろしているのかもしれない。作りものにしてはあまりにも生々しかった。







 ここはどこなんだ!?







 若者が生唾を呑み込むと、まるでその音を聞きつけたように数本の触手が一斉に若者の方へ振り向けられ細く伸びた。そうしてゆっくりとそれ(・・)が顔を向け始めた。見えてきたそれ(・・)の顔は異様なものだった。



 男は唐突にそれ(・・)のようなものを何と言うか思い出した。



 クリーチャー()


 その四つの赤く丸い目が同時に男を見つめた。



 認識されたと若者が気づいた瞬間、20ヤード(:約18m)の距離をせわしなくすべての足を動かし瞬く間に移動してきたクリーチャー(・・・・・・)は次の一瞬、車に乗り込もうとした男の目前に迫り頭部をくわえ込んだ。





 そうして人の世ではクリーチャーとしか呼べないそれは初めて口にするこの生き物の頭部が栄養と知識に満ちている事に気づいた。









 なんだっていい。この(くいもの)という種を喰らい尽くせ!











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