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衝動の天使達 2 ─戦いの原則─  作者: 水色奈月
Chapter #1
3/206

Part 1-3 Visiter, Her name's Silfy Ritsa 現界シルフィー・リッツア

Barrett Rd(/Road) Wawayanda State Park North-Jersey NJ., U.S. 11:15 Nov 28 2018

2018年11月28日午前11:15 合衆国 ニュージャージー州 ノース・ジャージー ワワヤンダ州立公園 バレット・ロード



 踏みだした瞬間、まず身体にまとわりついた空気が気に入らなかった。



 なんだ!? このよどみきり混じりものだらけの空気は!? それに活力の源となる燃焼の組成分がはるかに薄い。



 立つ地は岩盤のように足触りが硬く平たくその暗い灰色をした帯のような特異な地面には下生えの草や木々を宿させず、周囲にはまばらな細木の乱立する野原が広がり離れた場所に森やその先の遠くに木に被われた山が見えていた。



 ルーン文字を28配置した4重の輝きの内から残された片足を抜き去る前に引き返したい渇望かつぼうさいなまわれた。だが望まずしても“召喚”された縛りがそれを許さなかった。



 初めて訪れた世界だと理解し諦めた刹那、背後で異空通路ことわりのみちが最後の輝きを放ち閉じ消えた。



 どのみち多くの同朋を殺戮し逃れたあれ(・・)を追い詰め息の根を断ち切らなければ自らの世界に戻れはしない。宿命をなぞらなければと本能がいていた。



 硬い地面には岩どころか小石もなく歩きやすかったが、土よりも疲れると感じた。そうしてわずかばかり歩いただけですぐに音に気がついた。



 それは先で曲がり木々に隠れ見えない灰色の固い地面が細長く伸びている先の方から聞こえていた。



 初めて耳にするその異様な音に彼女は身構えた。



 徐々に、だが確実に音は大きくなりつつあった。彼女は歩き出していた脚を止めじっと先の木々を見つめた直後、その4角い魔物は黒煙を吐きながら突如とつじょ姿を現した。





"Leggja til pöntun byggt á eið með mér, Andardráttur af hugrænni salamander,Crimson..."

(:我、盟約に基づき解き放つ! 猛々(たけだけ)しきサラマンダーの息吹、紅蓮の──)





 シルフィー・リッツアはその初めて眼にするサンドワームのような魔物が轟音と共に木々の陰からの硬い地面を曲がり駆けせまりつつあるのを理解し敵意を感じ、攻撃系の一つを高速(ファースト・)詠唱(チャンティング)し始めた。



 刹那、彼女を中に周囲に紅いネオンのような輝きを放つ魔法陣(マジック・サークル)が出現し18のルーン文字とキリル文字のような36のエルフ古代語と象形文字が浮き上がった。











☆付録解説☆



☆1【Silfy Ritsa/シルフィー・リッツア】現人間世界とは異なる別世界ベルンフォートから訪れたエルフ族の高戦術戦闘戦士で魔法術師(マジック・キャスター)





☆2【Magic Circle/魔法陣(マジック・サークル)】魔法陣の記述書式は術式により大きく異なりますが、元来死霊や悪霊を召喚使役させるための防御陣です。ですが、当作品ではシルフィーが超自然界の精霊や聖獣と強固な従属関係を結び自然界の属性力を行使する道具としての術式(触媒)の一手法となります。












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