3 死神
あらすじ
上司の無茶ぶりを食らい、早々に面倒臭くなったオペレーターは、仕事場で愚痴る相手を見つけ、ラノベにはまるのであった。
女性型オペレーターは、カマキリの勧めに従い、転生ガイド養成実務書を読み始めた。
効率が少しでも良くなるなら遠回りも大歓迎だと考えた。
元々、ラニアケア宙域のバックアップは、いずれ訪れる散逸に備えた事業だった。作業を一度に行うことにはなったが、予想されていたロードマップより大幅に作業量は減縮されている。
時間的制限もないのだから、遅延という概念は存在しないのだ。
そりゃ拘束時間がその分延びる。だが久遠の時に比べればどうということはないのだろうと、カマキリは考えた。
転生ガイドの補佐官に収まったカマキリは、いくつかのバックアップを手がけた結果、転生の素養がある者は、その後の活用効率が高まることに気がついた。
「女神様、銀河カタログ借りるっすよ」
「いいわよ。なにかあった?」
文芸資料置き場と化した作業場所をひっくり返し終えて、42と題された薄めの冊子媒体を探し当てたオペレーターは、カマキリに手渡す。
「魂を転写しても、その後の整合性がうまく行かないことがあるっす。転生の概念が染み込んだ魂だと、適合性が高い傾向が見えるっす。
自分の暮らしてた社会では、こういった文芸はアンダーグラウンドだったっすから、流行ってる銀河探してみたいっす」
「いくつかあるわね。異世界転生ジャンルの多様性に優れてるシステムだと」
「ナイホン、アルカディア、ニチャーンと…ここはどうっすか?」
「ナロー星系ね、いいわ。任せた」
かくして、カマキリは【system-narrow】において転生を司る女神とあらせられ、魂を刈り取る死神として恐れられた。
かくあれし。
未消化ネタキーワード
天の岩戸
ゴミ屋敷
星系と主計列星とsystemの用語
ヒッチハイクガイド
カマキリの発声性能、pとth