さよなら月曜日
日曜の夜、ベッドの上で中々寝むれずにいた男が、翌日に仕事を控えた、週の始まりである月曜日に悲観し、
「ああ、月曜日なんて来なければいいのに」
と、ふと呟いた。すると翌日、月曜日は消え失せ、次の日が火曜日になっていた。これは凄いと、男は翌週の日曜の夜に、
「火曜日なんて来なければいいのに」
と呟いた。男の期待に応えるように、やはり火曜日が無くなり、翌日は水曜日となっていた。同様な事を続け、金曜日までを消した男。
しかし、土日の休日のみで世間が回るはずもなく、単に平日が無くなっただけの、それまでと何ら変わらない日常が男を待っていたのだった。