悲しい静かさ
何を言っても分からないのか?
とも思ったから、明るい気持ちで話しかけることにした。
「白百合の馬鹿。」
あ、話してたら行っちゃったな。
どうしようかなー。
細い手首を捕まえて、私が背中を見せなかったら危なかっただろうとするくらいの彼女を見つめて居ましたが、何故かどうしても変わり映えしなかったので、痛いほどに気持ちがつたまわって来ました。
が。
なんのつもりか。
「白百合は私ですよ。赤い髪男さん。」
「赤毛野郎とでも呼べば良いだろう?何故話し掛けやがる。」
「視野視野。」
「君、漢字しか分からないのかい?」
霙は霙。
雪は雪。
そのまま言葉を返せ話せはなくなった白百合は、話せば分かるのに、黙り込みました。
「ここは校舎裏ではあるだろう。黙りなさい。」
「黙ったところで!です。」