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異界の果て  作者: 蒼花
5/10

流花の苦悩とロック

 この世界の名は  フロウエンド~果ての地~ と言うのよ。


 「じゃあ 帰れなかったのは リルと離れてしまったせい?」


 「それも 一つの理由だけど、地球に魔素があまりなかったから魔術を使えなかった、というのが 一番の理由ね。 でもそれはそれで良かったのよ。

 妊婦と赤ん坊は転移するべからずって魔術の本についてるくらい有名でね、転移は、体に掛かる負担が大きくリスクがある 安易に使うべからずってね   結果的には使えなくてよかったのよ。

 

 その後 麗花さんが 病気で長くない、後1年半だけど 力になるからって言われてね。

 その時はね、麗花さん失うのが怖くってね、色々打ち明けて回復魔法を毎日かけてみることにしたのよ。

 結局 病気そのものを直すことは出来なかったけど それ以上の進行を止めることは出来た。

 

 「麗花さん 異世界の話 よく信じたなぁ。」


 「私が 日本語話せないって気付いた時点で、宇宙人じゃないかって思っていたらしくって  服装や持ち物自体違うしね。

異世界に滅茶苦茶興味深々だったよ。 

 だからかなぁ・・・死んで魂になったら異世界にいける?なんて聞いてきて・・・

驚いたのなんのって  その発想なかったわ。 現存神なのにね・・・・・

行けるよって言ったら 何としてでも帰る方法探そうって 唯 リルが見つけてくれのを待つだけよりよっぽどいいよって・・・

 まあその後 魔力を貯めておく媒体を見つけたら いいんじゃないかって気付いたんだけど 一日に貯めれる量から計算したら、5年掛かるって判った。

 いろんな所に行って 魔素を集めたけど、結局日本には神域が多いから一番多く集めれたのよ。アマゾンのジャングルや、砂漠や 中国の山奥やアフリカま でも行ったのよ、バカみたいだった。

 この世界の魔素は 神木が作り出してくれてる。ゲーム世界でよくある世界樹みたいなもの。

 日本には、その神木に近い魔素が 神社にあるのよ。 ほら  うちの裏の森とか。」


 「へぇ、そんな近くにあるのに 海外へ行って探して無駄足してたか・・・」


 「そう、焦ってたのよ。5年よりもっと短い期間に集めたかった・・・・

 麗花さんにね・・回復魔法かけるのね・・毎日かけてたのよ・・・それを続けると・・・・帰るためには・・・・12年かかることになる。・・・

 麗花さん 怒ってね・・・予定より長生きできたから もう回復魔法かけなくていいって言い出してね。

 私が 出来るだけ早く帰らないといけないのを知ってるから・・・」


 「うへぇ、そりゃ、怒るだろう。怖そう・・・でも 回復魔法 辞めるわけはいかないよな。」


 「でしょーー頑張ったわよ! 」


 「で、どうやって 説得したの?」


 「まだまだ先だけど 颯ちゃんが15歳になると スピカが 生まれる可能性あるから それを待とうって・・スピカと帰る方が 魔術を使うより安全だから・・ってね。

 でもね、 あと12年はあるじゃないのーってまた怒った。

 で、奥の手の泣き落しで、 離れたくないって 泣き喚いてやった! ふん!」


 「で、泣き返された?」


 「んー で 5年ってとこで まとまった。

 その代わり、5年の間に 仕事教えるから 働いていろんな事を覚えるように ということになった。 あの人は かなり有能な仕事人間で 社会人になりたての新人を教育するのにとっても生き甲斐感じる人だった・・・・」


遠い目をして 物思いにふける流花さんに これ以上深く聞くと傷つけてしまいそうなので 少し話題をずらすことにした。


「さっきからずっと気になっていたんだけど そもそも現存神って 何?

日本に来たのは?

 なんでもとの世界に帰るの神様は助けてくれなかったの? 」


「現存神っていうのは、神の代理 生きていて、神に近い力を持っている者。 神の作った世界を管理して 時に その世界を守ることもする者。 あくまでも 自分の担当する世界でのみ 力が使える。 唯 いくら現存神だとはいえ大規模な災害には抗えない。

どうやら私は、その大災害の所為で、ほんの近くへの転移に失敗して スピカのリルとも逸れてしまった。 たぶん何処へ飛ばされても仕方なかったところを 神様が 助けてくれたと思う。

神気の強い処で、人間がいる何処へ運んでくれた。 なんか そういう記憶が 微かに残ってる。  凄く焦ったような すまなさそうな声で 後は 自分で 何とかしてほしい まだまだ急いでやるべき事が沢山残ってるからと・・・」



「ふ〜ん なんか神様を慌てさせるような事が あったということか。 一体何だったんだろう。 その 大災害って奴かな?」


「災禍だと思う。 そうねえ、なんかに例えるなら  海で 何かが起きて  そのせいで 津波が発生して 遠く離れているのに 偶々 いつもの道を横切っただけの者を弾き飛ばしましたって感じかな。 そして その津波に警戒して監視していた神様が 見つけてくれたので、生き延びました。 私を日本に 送り届けた後は また監視に戻って 被害が、拡大しないようにしましたとさ、という事だと思う。

だから 神様に何の文句もないよ。」


「あー 生き延びてラッキーということだったんだ。 でも その大災害って よく有る事なわけ?」


「うーん 大災害というレベルは そう滅多にある訳じゃ無いと思う。  神様慌ててたからね。 唯 小規模なのは わりとあるんじゃないかな。  ほら、神隠しなんて聞くじゃない あれは そう言うことじゃないかな。

何処かで 何らかの災害が起こって、その影響で空間に裂け目が 突然出来てしまい それに 巻き込まれて 何処かへ転移してしまったって事だと思う。」


「もう一つ 解らないんだけど 転移の魔術とスピカに連れて来てもらうのと どう違うのか、それと よくゲームにある異世界勇者召喚ってある?

大災害って どうやって起きるわけ?自然発生的に ?それとも人災?

そもそも 異世界同士の関連性がわからん!


「あーごめん、話逸れてきてる上に 説明解りにくかったーまだまだ日本語下手だよね。

うーん 何て言ったら良いんだろう…

じゃあまず 転移の魔法について、転移の魔法は、ユニークでレアな物として知られてる。ちょっとした距離しか移動出来ない人が殆どで 戦闘中に使う場合が多いかな。

それとは 違って転移魔術は長距離可能だけど 普通は魔法陣を書いて 1人では なかなか使えない 魔力をかなり消費するから。

だから 町から町へ行き来するのに 設置型にしてるよ。 地形の関係上必要な処があるからね。


 勇者召喚魔術は 私達の世界には存在しないけど未だに 使っている世界がある。 異世界から人を無理やり連れてくるなんて、誘拐よね! 見つけたら破棄するつもり。 許せない 存在だわ!


 さて 次に リルとロックの話ね。」


  すると 何処から出て来たのか 瑠璃色で少しラメっぽい感じに 輝きあって 綺麗と言葉にしたくなるような 煌びやかなリル。 勝気なところがある様な 切れのある動きて 俺達の周りをヒュンヒュン飛び回っている。 室内だから 何だか狭そうだ。

で 肝心のロックはと言うと、俺の手首に止まって 俺の手の甲をキツツキの様に突いている。


「いっ!? 痛くない? って イゲーーー」


ロックのくちばしが 俺の手の甲に刺さったままだ。  逆さまにしてみたが プランと刺さったまま ぶら下がっている。


「ど、ど、なっ・・えーー」


「ロック ナイス! 久しぶりに颯ちゃんの驚いた顔 見たわ〜」


 今度は リルが 流花さんの身体に突っ込んだと思ったら 同じ場所から 飛び出てくる 結構な速度だ。


 「なに?人の体を突き抜けるの?怪我させず?」


 「ふっ! 私達の体だけは 入れるのよ」


 「・・・・・・・・・・・・」


 手の甲にぶら下がるのに 飽きたのかロックは、するっと落ちたのかと思った ら 手首に止まって 手をキツツキの様に、いや もっとハイスピードで 突き 始めた。


 「なんか怒ってんのか?」


「あれ〜もしかして 契約の事?」


すると、ロックの動きが ピタッと止まった。そして 俺の顔の真正面に飛んできて チルリル ピルリルと 可愛い声で鳴きながらまるで 何かを 訴えてる様に 俺の顔色を伺っている。


「あーごめんロックの事 随分待たしちゃったよねー 契約の事 説明するからー  えーと    契約をすると、現存神になるので、髪は金色 目は紺色に変わる。 一応 ある程度の義務がある。 チート能力 あり で ロックと楽しく 神域なら 行きたい放題 、 竜とも友達申請できて 神獣とも友情を結べる。

能力を充分に使いこなせる様になって来ると 異世界旅行もできるよ。 って どうよ!

急いで決めなくても 良いけど 自分でロックに待っててって言ってね。 この子 既に8か月は待ってるからね。

裏の森の神域で 卒業式終わるまで 待っててねって言ってあったのに、勝手に颯ちゃん連れて来ちゃうんだから…」


「ん? 卒業式終わるまでって 言ってあった?」


「そうなの。この子 夏頃 、ほら ランニングの後  ツバメとイワトビペンギンの話した日が あったでしょ? あの日の夕方に 颯ちゃんの部屋に現れたのよ!嬉しかったー

で リルを連れて来てもらって その後は 卒業式終わるまで待っててねって言ってあったのに…」


「あー 俺 その神域の神社の鳥居のとこで 卒業式終わりましたーって言ったわー」


「それだー」


「まあそれだな!」


「待ち切れなかったのね。で! 如何する? 」


「もし 契約しなかった場合は?」


「まあ、日本に 帰ったら ロックとはお別れになるな、で 普通に寿命を全うする。

ここに残っても同じ。私は この世界に住むけど 日本に時々 会いに行くからね。

大丈夫 贅沢さえしなければ 死ぬまで 働かなくても食べていける位の財産はあるから。

ゆっくりと …『契約するよ !しないなんてありえん!』 ほんと〜 ヨカッタヨカッタ! 良かったね、ロック! !! 」


と 流花さんの大声に 流花さんの髪の毛にしがみついていたジズの子トゥールが 遂に目を覚まし 肩から転がり落ちて来た。

俺達二人が 必死になって 受け止めようとしたが、失敗、見事に流花さんのコーヒーのカップをなぎ倒し 俺のカップにぶつかって止まった。 勿論  カップは俺が 抑えていたから無事だった。 トゥールは、驚いたような顔をして 俺の顔をジッと見て、空になってる俺のカップの中を覗いてると思ったら おもむろに、入り込み 顔だけカップから出して また

寝はじめた。

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