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異界の果て  作者: 蒼花
4/10

爆弾投下はまだまだ続く

 麗花さんは、資産家だ。

 身元のはっきりしない母と生まれたての俺を養子にしてくれたうえ、かなりの贅沢もさせてもらった。

 俺が10歳の時に亡くなったのだが それまで  いいのかって聞きたくなるなる様な楽しい思い出をたくさんもらった。

 学校の長期の休暇にはいつも セカンドハウスに行った。

 その 思い出の家が目の前にある。


 「ここは 異世界だよね~ たしか・・・」


 近づいて見ても やはり俺の家だ。何かの罠か。幻か。近づいたら一体・・・・


 

 「まあ いいや!  入ってみよう。 他に行くとこないし。俺んちだし」


 扉に手をかけてみる。


 「鍵・・・開いてるし・・」


  ドアを開けたら・・ 本当に 俺んちだった。・・・玄関ホールに飾ってあるグリーンの山と湖に白い馬の絵とか ベンジャミンとかパキラなどの俺の背丈位ある観葉植物とか 床に無造作にレジ袋に入ってるハーブの苗・・流花さん趣味でガーデニングしてて 今はハーブが多い・・よく見かける光景だ。

 リビングへ行き 真っ先に行く定番の場所台所へ、そして冷蔵庫を開けると ここにもいつもの光景が。

 乱雑に突っ込まれた食材。

 その中の 新品のマヨネーズとケチャップがやたら目を引いた。急いでたんだよな・・きっと・・

 

 ペットボトルを一本取りゴクリと喉を潤す。


 「ぷは~冷えてて旨い!  ん??」


冷蔵庫の中を覗けば電気がついてる。


 「電気??  って 水も出る。」


次は 食卓の上のリモコンを取り電源ボタンを押してみるが ザーザーと音がするだけだった。


 「テレビは流石に見れないよな。 げっ  何このDVD!」


テレビのすぐ横の本箱は、以前と違ってDVDに埋め尽くされていた。



「ほ~準備してるってこういうことだったんだ。」


 「流石 海外ドラマオタク!!」


 ため息を吐きながら もう考えるのを放棄することに決め 食卓にあるコンビニ弁当を頂き風呂入って寝ました。


 


 翌日から俺は 外に出ては ここが異世界で有る事を確認し  家の中を探検したりして過ごした。

 家が見える所より離れないよう適度に運動をし、ある程度走ったり出来るようになった。

 翌日には 全力で走れるようになり 自分の身体能力がかなりアップしていて 「忍者か」と一人ツッコミを何度もした。

 家の中は、驚きの連続だった。

 まず 食料だ。

 調味料は まあそうだろうなと思われるものが多々。

 それが 黒い鞄の中に入っている。

 ゲームに出てくるアイテムボックスという奴なんだろう。

 だが しかし そのアイテムボックスが あと数十個あるのは一体何が?

 と 覗いてみて驚愕した。

 全て食品庫の棚に並べてあるのだが、

 その一つには、ポテトチップス 竹の子やらキノコの形のチョコ キャラメル アメ ガム・・・

 要するに 全て  全種類と言える位・・お菓子コーナーそのままそこにあった。

  あと 有名ケーキ店のケーキが、ホールで箱に入ったもの、有名和菓子店の饅頭等等、もしやとは思っていたがクーラーボックスの入ったアイスまで入ってた。

 あとは お察しの通り果物、野菜類などの生鮮食料品。勿論インスタントラーメンもある。

 日用雑貨各種取り揃えており  もう  スーパーそのまま持ってきた見たい状態だった。

 もう全部チェックするの やめました。

 あの人は、 どんな顔してこれらを買いに行ったのか、・・・怖い 喜々として・・鬼鬼として・・・



 お金あったんだ。

 いや 使い切ったんじゃないだろうか・・・・・

 山内弁護士ついてるから大丈夫だよな。

 日本に帰れるよな。

 って、異世界で台所事情心配してどうするんだ!

 はぁ~俺って やっぱずれてるよな~  はいはい 自覚してます。

 いかんいかん 現実問題もっと考えなきゃ!!

 けど 流花さん却って来ないと話進まないじゃん!


 「はぁ~・・・・・??・・・・・・・・なんか 忘れてるような・・・・・」


 「・・・・・なっ!  名前??」


 「んん?  名前つけてって・・・・ツバメちゃん?」


 「でっ!!!!!!」


 頭を何かが突く様な痛み・・

 慌てて後ろを振り返ってみると 目の前に 黒い鳥が飛んでる?? 目の前で 静止してる??

 いや よくよく見ると超高速で羽ばたいている。


 「ハチドリみたい すごい!」


 そうつぶやいて 腕を突き出して止まるように促すと 腕にふわっととまった。

 その小さな鳥は、雀より一回り小さくて 全体は黒。胸のあたりはグレーで少しふわっとしている。

 尾羽が 燕のように二股に分かれている。そして 何より特徴のあるのが、黄色い飾り毛が眉毛のように5,6本生えていることだ。


 「燕みたいにつぶらな瞳 それでいて なんか凛々しい。 カッコいいよ」


 と言えば その意味が分かっているかの様に 首を俺の腕にこすりつけている。


 「イワトビペンギンの顔の模様に つぶらな瞳と尾羽は燕。

 だから イワトビツバメって言ったのか。

 名前付けろって言ってたよなぁ」


 ・・・・・・・


 センスないんだよ。


 「う~ん」


 岩ちゃん・・・・・どっかのアニメでそう呼ばれてた人がいた様な・・・・・・ん? 声が○○ピースの

○フィの声・・・・げっ!! ニューカマーの女王のイワ○コフじゃねーか!!

 ・・・・・却下!

 トビ・・・これも忍者のアニメにおった。・・・・・

 よし!英語では   ロックホッパーだな


 「ロック!」


 いいそうです。すりすりしてくれました。

 可愛い!!




 三日目の朝。


 「ただいま~」


 帰って いらっしゃいました。


 

 「コーヒー!コーヒー!」

 

 仕方がないので コーヒーメーカーをセットして、カップを用意してあげました。

 なんか この人を見ると 怒りがこみ上げてくる気がするのだが・・・とりあえず堪えてみます。

 そして、目の前の母親を見て 言っていいのか迷ったが、思い切って聞くことに・・


 「若返った?」


 「はい。」


 「なんで?」


 「この世界では、不老不死です。」


 「なんでまた?」


 「えー・・神?・・う~ん・・神子っていう方がいいか。年齢自由自在!!」


 「日本にいた時のもそれ?」


 「ううん」と首を振り


 「日本にと言うかあの世界では、唯の人だった。なんせ 魔素が少ない世界だったから。」


 「で 俺は?」


 「あなたが望めば そうなれる。私の子だもの。」


 「なんかさ~聞きたいこと事とかありすぎてどこから聞いていいか分かんねえよ!

ここは何処? 私は誰? どうしてこうなったの?って気分だ・・・」


 「そうよね~ 順を追って説明しないとね。今日は家にいて話しようか。とりあえず今からご飯作るね。

これからの計画も立てないとだし。」



 食卓に座り 二人で仲良く作ったオムライスとシーザーサラダ そしてカップスープにお湯を注ぎ


 「いただきます!」


 卵にスプーンで切れ目を入れ とろ~りと広げ一口食べる。


 「うまい!」


 「ほんと出来たてを頂けるのって 贅沢!!」


 いつまででも何も言わないので、


 「食べながらなんですが、その子達 紹介してよ。さっきから アピールうざいんですけど。」


 料理してる時から なんか視界の隅でチラチラして いや どうもウズウズして辛抱たまらんと言う風情の青いちっこい生き物と 流花さんの肩で首にもたれて居眠り してる奴・・料理し始めて緩いウェーブのかかった髪を後ろでくくっているので、首にへばりついているのが丸見えな リスみたいなやつ。

 こっくりこっくりと  その内 落ちるんじゃないか・・・・


 「あ!この青いのが リル。見た目全然違うけど イワトビツバメちゃんと同じ種族よ。

 そう言えば 名前決めた?」


 「ああ、ロックて言うんだ。 で こいつら何者?」


 「その話は、また後で。  先にこの子を紹介するね。 この子の名は トゥール。 神獣ジズの子よ。

 生まれたてだから 当分寝てばっかだと思う。」


 「生まれたてって 親は? 連れてきたりして 良かったの?」


 「あ それは大丈夫。了解済みよ。100年位前に産んだ卵だったんで産んだこと忘れてたんだって。

 そこへ強い魂が来てくれたから生まれたってお礼言われちゃった。 ついでに育てて欲しいって 100年は小さいままだから育てやすいようよ。 かなり長生きする 種族だからちょっとの間離れていても大丈夫なんですって」


 「ふーん。長生きってどの位?」


 「3000年から5000年。 最高6000年らしいよ。

 ジズは神獣の中でも最高位で空の支配者なのよ。  体の大きさは竜より大きいかな。

 ただ 性格は 気まぐれで 警戒心が強くて滅多に姿を現さないのよ。 

 どうしたわけか私が連れてきた魂が ジズの卵に宿ってしまって、最初は何の卵かなんてわからないから慌てたのなんのって・・・・

 ジズの親が姿を現した時には、腰が抜けるかと思ったわ。

 予定では 九尾の狐ちゃんみたいな可愛い犬くらいの大きさの生き物探してたのに・・・・麗花さんに申し訳ないわ・・・・・」


 「そこでなぜ麗花さんの名前が出てくる・・・・」


 「勿論麗花さんの魂だからに決まってるじゃない。 可愛い生き物に転生させてねって言われてたのに・・・・100年後には 竜より大きくなっちゃうじゃないの~  ずーっとこの大きさでいられるよう訓練したらいいのか・・・う~ん人化・・・やっぱりこの大きさがいいか・・・・・あ!ちなみにこの子オスだから。」


 「うっ!!」


 「あ~転生だけど 記憶持ちとかじゃないから 安心して!  強い魂だから ちゃんと別人格よ。

 この姿で性格麗花さんだったら 噛み付かれるから。 考えたくもないわよ。

 大体 記憶持ち転生は 亡くなって2日以内でないと 基本無理なのよ。

 麗花さん 納得済み希望よ!! お気に入りのうさぎのぬいぐるみに封印してたのを 連れてきた訳。

 ほら この世界に着いてすぐにふわふわ飛んでった光があったでしょ。あれが麗花さんの魂。とても強く光ってたでしょ、光の強さが 魂の強さなのよ。 あっ 魂っ て普通の人には見えないから。」


 「魂を転生させる力があるの?」


 「私達はね、魂に干渉できるの。  封印 転生 開放。

 リルとロックは、転移ができる私達のパートナー つまり協力者なの。

 私が リルと会ったのは 14歳の誕生日の日だった。 その時 婚約者のノア、あなたのお父さんね と一緒に図書室で本を読んでた時だった。 ふっと 肩にね  停まったの。 瑠璃色の小鳥が。 室内なのになんでって 二人で首をかしげてたら 綺麗な女の人が現れて スピカに選ばれたから 神を助けて私の後を引き継いで 欲しいって頼まれてしまったの。

 スピカの存在は 人にはあまり知られてないんだけど スピカが現れると竜が 大騒ぎするのよ。

 伝承に 現存神が世界に現れる時 竜が歓喜するってあるのよ。

 だから 竜の咆哮が始まって 空を飛び回るしで、3日程うるさかった。

 もう 断れないじゃない。

 ノアが一緒でなかったら きっと耐えられなかった。

 普通の14歳の女の子で、15歳になったらノアとの結婚する予定だったのに 現存神になって 不老不死になっちゃったんだから。  ノアも長生き出来るって聞い て やっと涙止まったのよね。

 その綺麗な人は、ジニアとう名の前任の現存神で、2000年位務めて 昇格して どこかの世界の神になって、静かに暮らすんだって。 子供もたくさんいるから  みんなで その世界を見守るんだって。」


 「どっかの会社みたいだな。」


 「ふふっ 私もそう思った。

 私なんかが 出来るのか疑問に思ったけど もともとこの世界は竜が守ってくれてるから特別な事って滅多にないんですって。 唯・・・・現存神っていうのが人に知 られてしまうと 厄介だから隠して生活するよう 十分に気を付けてって注意されたの。

 それなのに バレちゃったのよ。 悪夢だった。

 現存神が 現れたのは 竜のせいでバレてたんだけど みんな 血眼になって探してたらしくて 物見の魔術の高位の者が 王都ヴァインズにいて 王族に近いものだ なんて言ったもんだから もう 王家も無視できない位の大騒ぎになっちゃって・・・・ 変幻で目の色変えてたのに無効の魔術が得意な魔術師がたまたま王都にいて 舞踏会に乗り込んできて 解除なんて叫んで・・・いやだ・・・トラウマだわ・・・

 大勢の前で罪を暴露された犯罪者の気分だった。・・・・

 それからというもの 崇め奉られて誘拐されそうになったり 毒盛られたり・・

 ノアの方が もっと命狙われて・・・・

 それでやっとノアの父親にあたる国王が やばいと思ってくれて、フォレスタリアへ行ってもいいって許可してくれたのよ。フォレスタリアは、争いのない処だか   ら。」


 「父親は 王子ですか・・・」


 「そうそう。第4王子ね。それで 大急ぎで結婚式をあげて お忍びでフォレスタリアに逃れようとしてる時に 襲われてね。 ノアは怪我してしまって別行動になっ て  その後は、記憶がなくって 目が覚めたら 縛られて馬車の中だった。

 転移ができることは あまり人に知られたくなかったけど セに腹は変えられないので リルを呼んで神木に転移したの。

 それなのに・・何かの衝撃に巻き込まれて、飛ばされてグルグルと渦に飲まれたみたいに何もわからなくなって・・・・そうして倒れていた私を見つけてくれたのが麗 花さんだったわけ。

 目を覚まして多分錯乱してたと思う。言葉わかんないし・・リルもノアもいないし・・絶望してたと思う。 あまり覚えてないのよ。 麗花さん ずっと手を握ってて くれた。

 だから 麗花さんとこの世界に一緒に来れて ホントよかった。

 あー この世界の名は、フロウエンド~果ての地~と言うのよ。


 

 


 

 



 

  

 




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