第六話 新しい環境
そして私は、お父さんの知人のアルベールさんに、バルチナス王国のことを教えてもらい。私とクリスちゃんで暮らすことになっている、自宅に案内してもらいました。自宅の大きさは少し大きい一軒家見たいな感じですね。
どんな理由があって、此処にお父さんは私を一人で住まわせようとしていたんでしょうか?はっきり言ってお金の無駄遣いですよね。
そんなことよりも、せっかく引っ越して来たんですからイメチェンしてみたんですよね。
クリスちゃんは腰まであった金色の長い髪を肩ぐらいにまでばっさり切り
私は腰まである髪を二つに縛るようにしてみました。ほんとは私も髪の毛を切りたかったんですが、前にお母さんに髪の毛が邪魔で切ってほしいと頼んだら発狂しまして。
その後すさまじい暴走の末。ぎりぎりの勝利を私がおさめました。けど切っていいのは、腰より下に伸びた時だけいうことになったんです。
あと、こちらでもギルドの手続きをしないといけないんですよね。別の街とかで依頼を定期的に受けるときは、その町のギルドにギルドカードの確認をしてもらうんだそうです。
私は基本的に大事なものは、魔法空間にしまってあるので大丈夫です。ちなみに魔法空間というのは、私が使う無属性の魔法の一つで物を複数入れることができます。
とにかく、これからギルドに行かなくてはなりません。ギルドの場所にはアルベールさんに、息子さんがいるのでその子に、案内してもらうことになっています。その子も冒険者をやっているんだそうです。
もうすぐ来るみたいですね。気配が近づいてきます。
「じゃあリーズちゃんにクリスちゃんこれが家の息子こいつにギルドまで案内してもらってくれ。」
「えっと僕の名前はゴンザレスです。今日はギルドまで案内するね。」
そこに居たのは、とても可愛らしい女の子でした。いえ……でも息子といってましたし。男性ですよね。というか見た感じ、年上っぽいですね。赤い短髪に茶色の目をしています。言葉づかいからするに、内気な少年と言ったところですかね。とりあえず挨拶はしておきましょう。
「私はリーズといいます。ブラウザ村で冒険者をしていました。」
「あ、えっと私はクリスっていうの今日は案内よろしくね。」
「はい!リーズさんにクリスさんですね。それではこれからギルドに、向かいますので僕についてきてください。」
私達はゴンザレス君についてゆく。というかこんなに可愛いのにゴンザス・・・。何だかすごいミスマッチです。こんなに可愛い子に、なんという名前をつけちゃってるんですか。
歩いて10分ぐらい経って、冒険者ギルドらしき看板が見えてきました。やはり都会と田舎ではすごい差ですね。何かもうすごい無駄にあちこちピカピカしています。
私達はゴンザレス君の後についていき、ギルドの中に入る。すごいたくさんの人がいました。そして何より田舎より都会のほうが綺麗な方が圧倒的にみたいです。
ブラウザ村のギルドは、むさ苦しい野郎共ばかりだったにのに、こっちは綺麗なお姉さまやイケメンの、お兄さんがいっぱいいます。ただ、装備しているものがすごいです。キラキラしてるとかじゃなくて、すごく重そうだったりビジュアル的にグロテスクなものが多いとか、そういうのです。
色々ギルドの中を見ていたら、いつの間にかゴンザレス君がここのギルドマスターらしき人物のところに、行っていたようで視線が重なり、こっちにおいでと手招きされました。
「マスター。黒い髪のほうがリーズさんで、金色の髪のほうがクリスさんだよ。リーズさん、クリスさんこちらがここのギルドマスターレンさん、ていうんだよ。」
「レンだ。ここのギルドマスターをしている。」
「はじめましてリーズです。よろしくおねがいします。」
「同じくはじめましてクリスだよ。よろしくね。」
「早速だが、てめーらには決闘をしてもらうぞ。」
イケメンなのに、いきなりとんでもないこといいますね。初日から目立ちたくはなかったのですが。というかクリスちゃんが、バトルしたらまずいんゃ・・・。まあ、いいかどうにかなりますよね。というか決闘って誰とするんでしょうか?
「一つ聞きたいことがある。お前らのギルドランクはいくつだ?」
「私はBです。」
「私もだよ。」
「お二人ともBランクなんですね。僕はまだCランクなんですよ。凄いなあ。」
「Bランクか……。なら同じBランクの奴と決闘をしてもらう。適当に呼んでくるから、そこで待っていろ。」
まさか、ギルドに入っていきなり決闘をしなくてはいけないなんて……。めんどくさいですね。まあ仕方ありませんか、それがここの、ギルドに入る儀式みたいなものなんでしょうし。頑張りましょう。
「とりあえず、お前らの相手はこいつらだ。」
そういうと鞭を持った、綺麗な猫耳の獣人っぽいお姉さんと、これまたでかい大剣を持った綺麗な悪魔っぽいお兄さんが出て来た。子供が見ては、いけないような雰囲気の方達です。
「おい、見たところお前らチーム組んでんだろ?決闘はタッグでやるか、それともシングルでやんのか、どっちだ。」
「クリスちゃんは、どっちがいいですか?」
「うーん……じゃあタッグでもいいかな?」
「分かりました。それじゃあタッグでお願いします。」
「了解した。結界を張るからその中で戦ってくれ。これは単に実力を見るために決闘するだけだから、硬くならなくていい。それじゃあ戦闘準備しろ。」
言われたとおりに結界の中に入る。そして相手のステータスを見た。
女の人のほう、体力B 魔力B 力C 知力B 運B男性のほう、体力A 魔力C 力A 知力C 運C普通に私たちよりもステータス低かったようです。これなら大丈夫ですね。
それじゃあ……
「殺りますか。」
私はナイフと拘束用の糸を装備する。そしてクリスちゃんも何時も装備している杖を構える。
そしてテレポートして、お姉さんの後ろに一瞬で移動して拘束用の糸で体を縛り上に引っ掛けて、ぶら下げてナイフを首に近づける。お姉さんは現在蓑虫の様な感じですね。
そしてクリスちゃんは……。
「くたばれえ!」
「そっちこそさっさと死ね!」
クリスちゃんは杖を投げ捨て、DVモードの状態で相手を素手で殴り。相手のお兄さんは大剣でクリスちゃんと、激しい戦闘と罵りあいをしています。
クリスちゃんの性格の変わりようにあんぐりと口をあけたまま、突っ立ているゴンザレス君が見えました。おもしろいですね。
「おい!リーズ自分が終わったからって、俺の獲物に手を出すんじゃねーぞ。」
「じゃあクリスちゃんが負けたら、手を出します。」
「この俺が負けるだと!?言ってくれるじゃあねーかリーズ。だがもう終わりだ!」
そういうとお兄さんの大剣が折れて相手の顔面に、拳が何十発も入り綺麗だったお兄さんの顔は見るに耐えないほど腫れ上がっていました。傑作ですね。顔が。
「私たちの勝ちでいいですよね。」
「ああギルド登録はもう済ました。」
普通こういうのは決闘が終わってからするもんじゃあないんでしょうか?
「ああ、それと決闘の本当の意味は単に俺とギルドメンバーの暇つぶしだ。何処のギルドも普通に通るからな。」
結構いい性格してますね。ここのギルドマスター。
思わず顔が引きつるのが分かりました。