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第四話 ストーカー

ぎゃはははははは!か


「全部血の海にしてやるぜ!」


 何だか、いつになくクリスちゃんが暴走中というか、DVクリスちゃんモードに変身中です。今回はCランクの任務を受けています。依頼内容は隣町にある、ヴァイオレンス海に出現する、巨大オクトパスの討伐です。


 ちなみに、最初の依頼を受けたときからですが、私とクリスちゃんでチームを組むことが正式に決まりました。クリスちゃんとチームを組んだ理由は、DVクリスちゃんを見ているのが面白いからです。


 普段のクリスちゃんは見ていて可愛いですし、どちらを見ていても私は得をするのです。


 まあ最近はDVクリスちゃんの出現条件やあしらい方も分かりましたし。最初は大変だったんですよ。主に私が被害に遭うんですから。


 今回のように討伐依頼なら、モンスターにほぼ全部の被害が行くのでいいんですが、採取とか収集の依頼だと、私にセクハラしてくるんです。


 あとセクハラと言えば、最近何やらよく誰かの視線を感じるんですよね。最初はモンスターが、こっちを見ているのかと思って腹いせに容赦なく、攻撃しまくっちゃたんですが。


 それでもまだ視線を感じるので、おかしいなあ。とは思いましたけど、この街に着てからも、ずっと視線を感じるんですよね。さすがに此処までくるとストーカーですよね。しかもストーカーの癖して、気配には敏感らしくて、こっちが一定の距離よりも近づこうとすると、離れて私が走って近づくと気配自体が消えてしまいますし。


 私が諦めようとして離れると、また気配がするしもう苛々してきます。早くストーカーの犯人を捕まえて二度とこんな気が起きないように徹底的に拷問、じゃなくてお話しなくては・・・。


「おーい。リーズ殺し終わったぜー」


 全身を血まみれになったクリスちゃんが、ブンブン手を振って言ってきました。ストーカー対策を練っている間に終わっちゃってたみたいです。うっかりしてました。


 とりあえずクリスちゃんと相談してストーカーの抹殺計画を立てなくては・・・


 もう討伐は終わったので、ギルドに戻りましょうか。


「クリスちゃん。そろそろブラウザ村に帰るので、こっちに来て下さい。」


「おう!今日は魔法使って帰るのか?」


「はい、後で相談があるので、クリスちゃんの家に行ってもいいですか?」


「いいぜ、けど今日は家にはだれもいねーぜ。」


 DVモードのクリスちゃんと、二人っきりというのは不安ですが、今はストーカー抹殺計画を立てるほうが、大事なので今回は気にしないでおきましょう。


「この後ギルドに戻ってから、そのままクリスちゃんの家にいきますね。」


「ああ、いいぜ。」


「それじゃあテレポートブラウザ村のギルドへ」シュパ


「ほっ」


「よっと」


 テレポート、その名のとおり一度行ったことのある場所に、一瞬で移動できる魔法である。


「じゃあ依頼の、報告に行きますか。」


「ああ」


「リアさん巨大オクトパスの討伐完了しました。」


「はい今回の報酬は2500Eね。二人のギルドカードにそれぞれ半分ずつ入れておいたからね。どうする次の依頼を受ける?」


「いえ、今日はこの後、用事があるんで止めておきます。」


「そう?わかったわ気をつけて帰ってね。」


「それじゃあクリスちゃんの家に行きましょうか。」


「うん分かった。」


 あ、DVクリスちゃんモード終了していました。ストーカーの抹殺計画を立てるときにDVクリスちゃんの方が都合がよかったんですが、まあしょうがないですよね。


 クリスちゃんの家は、ギルドから歩いて5,6分かからぐらいの距離で結構近いです。ちょっと考え事をしている間に、クリスちゃんの家に到着です。


 クリスちゃんの家は結構大きいです。いわゆる中級貴族のお屋敷みたいな感じです。確かクリスちゃんのお母さんが貴族で、お父さんが騎士だったと思います。


「それじゃあリーズちゃん、入って大丈夫だよ。」


「はい、ありがとうございます。おじゃまします。」


 クリスちゃんの家の中は相変わらず、すごく綺麗でした。クリスちゃんの部屋は二階の真ん中にあります。


「はい。紅茶とクッキーがあったからもって来たよ。」


「ありがとうございます。」


 クリスちゃん家のお菓子は、お母さんが貴族と言うことだけあってすごく美味しいです。


「そういえば相談したいことがある。って言ってたけど何かあったの?」


「実は、最近ストーカーに遭ってるかもしれません。」


「リーズをストーカーしている奴は、いったい何処のゲス野郎だ⁉︎」


 ストーカーに遭っているかも。の一言でDVクリスちゃんモードに・・・。


「とりあえず、今のところは何処にいても視線を感じる。という段階ですから、なんともいえないんですよね。とりあえずストーカーに遭遇したときのために、抹殺計画を立てておきたいんですけど、何かいい案はありますか?」


「ストーカーを見つけ次第、殺せばいいだろ。」


 あー、そっちにいっちゃいましたか、でも殺してしまうのは面倒ですし。目安としては脅して二度と私の前にその薄汚い顔を見せるんじゃあねえ。的な脅しが通ってくれればいいんですけど、どうしましょうか。


「とにかく、殺人事件を私たちの手で引き起こしてしまうのは、あまり好ましくないので、恐喝で我慢してください。あと、ストーカーが誰なのかがわからないと、対策を練る事もできませんから。明日から普通に依頼を受けて、相手の出方を見るしかありません。分かりましたか。」


「分かった。とにかく明日から様子を見ろってことだな相手が襲って来た場合は、しとめていいんだよなあ?」


「いえ、今回は拘束しといてください。何故私をストーカーしていたのか、そいつから聞き出しておかなければいけませんし。大体依頼に行くときとかに同じ気配を感じるので、クリスちゃんも気配を探知すれば、すぐに分かると思いますから。」


「依頼をしているときに、同じ気配を一定時間以上感じたら、とっ捕まえればいいんだな?」


「とりあえず明日からその方法でお願いします。念のためにクリスちゃんも、気をつけておいてくださいね。ここのところ私とチームを組んでいるのでもしかしたらクリスちゃんが、狙われる可能性もありますから。何か反応があったら教えてください。今日はもう帰りますから。それじゃあ失礼します。」


「そっちも気をつけろよ。」


 私はテレポートで家に帰り、明日に備えて寝ました。昨日からストーカー抹殺計画をクリスちゃんと立てて、今回はなるべく人気が無い場所で依頼を受けました。


 今回の依頼内容は、ブラウザの森の奥に生えている緑のハーブを30個ほど採ってきてほしい。という依頼を受けました。報酬金額は2000Eです。


 早速ですが、ブラウザの森の奥に到着しました。ちなみに、今回のことで分かったことが一つ、私達の後をつけている人、どうやら、ギルドに登録している冒険者みたいなんですよね。ギルドの人だと殺せませんし、致命傷を与えることもできませんし。


 何より、冒険者なら多少の戦闘能力もあると思うので厄介ですね。私とクリスちゃんも結構な実力者だと思っています。でも相手の能力が分からない以上、やたらと戦闘に持ち込むのは面倒なんですよね。


 それに、私に近づいてくるのかも分かりませんし、相手は気配に関しては私より上ですし。そして何より今回は討伐依頼ではないので、クリスちゃんは何時ものクリスちゃんなので、少し心配ですまあ戦闘になったらDVクリスちゃんモードになるんでしょうけど


「リーズちゃん。緑のハーブがいっぱいあったよ。」


「本当ですか?」


 見るとそこには緑のハーブがたくさん生えていた。とりあえず今は採取しますか。そして黙々と私たちが採取をしていると、やはりヴァイオレンス海のときと同じ気配を感じました。


 どうやら前回のときと同一人物のようです。これは相手に気づかれないようにして、上手く捕まえて色々聞き出さなくては、丁度いい感じに採取が終わったのでクリスちゃんに話しかけてみる。


「クリスちゃん、そっちはもう終わりましたか?」


「うん!丁度終わったからそっちに行くね!」


 私はストーカーのことも話しておきたいので、クリスちゃんに小さい声で、


「ストーカーがいる。」


 クリスちゃんの耳元でボソリと呟いた。私はクリスちゃんがDVモードになるのを確認した後、すぐに拘束魔法バインドを使ってストーカーらしき人物を捕まえた。そしてDVクリスちゃんが、素手でストーカーをぶん殴り気絶状態にさせた。そして・・・。


「なあリーズ、こいつ殺っちまってもいいだろ?」


「一般人なら殺してもいいですが、冒険者だとアウトです。」


 私はこのストーカーのステータスを見てみる。体力B 魔力C 力C 知力B 運Dステータスを見たかんじでいうと冒険者っぽいですね。


 残念です。やたらと殺せませんね。しかも何か剣とか鎧とか装備しているところを見ると、冒険者と言うよりは、どこかの騎士みたいですが。とりあえずギルドに連行しておきましょうか。


 冒険者の犯罪者はギルドに連行して、冒険者の資格を剥奪したりそれなりの罰を受けてもらう決まりなので、ストーカーも立派な犯罪ですし。


「クリスちゃん、今日はとりあえずこのストーカーをギルドに連行しますよ。」


「殺さねえのか?」


「処罰はギルドのほうに任せます。リアさんがいるので、まじめに対応してはくれると思いますので、大丈夫だとは思いますから。」


 距離が距離なので、今日はテレポートしますか。あまり使いたくはありませんが、今回は仕方がないですから。じゃあテレポート。シュパッギルドに到着。


「リアさん、依頼完了です。」


「じゃあ今回の報酬2000Eをギルドカードに入れておいたからね。あと、それは何?」


「どうやら、私たちの後をよくつけているストーカーみたいなんですよ。拘束はしてあるんでお願いします。」


「はい分かったわ。このど変態野郎を豚箱に、ぶち込んでくればいいのね。そうね、リーズちゃんやクリスちゃん可愛いものね。結構強いから忘れていたわ。とにかく帰りも気をつけてね。」


 ちゃんと処罰は下るようです。見たところ知らない人なのでほぼ90%の確立でストーカーと言う名の、犯罪者であることは間違いないでしょう。今日はもう帰りましょうか。疲れましたし。


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