第三話 お友達
おはようございます。今日もいい天気です。冒険者になって今日で五日目です。初めての討伐を受けた後はひたすら依頼を成功させていました。おかげで所持金も2000E貯まりました。
ついでにランクも、一昨日でFからEに上がりました。そのおかげ、昨日の依頼の報酬金額が、少しだけ上がっていました。あと、ケーキは自分で材料を取ってきて、作ることにしました。
さすがに森で全ての材料が集まる。というわけではないので、多少お金はかかりますが、普通にお店で買うよりはすごく安いです。青ちゃんも美味しいといってくれたので私の料理の腕は、結構良いみたいです。
早速ですが、今日はこれからギルドに行って友達と一緒に依頼を受けよう。ということになったのです。ちなみに友達の名前はクリスちゃんです。主に治癒魔法を使う、とてもやさしくて可愛らしい女の子です。クリスちゃんはこのブラウザ村で唯一の同じ年の女の子なんです。
誕生日とかで差があったので、ぴったり同じ日に冒険者になったと言うわけではありませんでしたが、クリスちゃんの方が誕生日が早いので、クリスちゃんは先に依頼をいっぱい受けていたようです。
現在はランクはDランクだそうです。討伐の依頼は苦手なので採取の依頼をメインにやっていたそうですが。とりあえずギルドに着きました。
「おはようリーズちゃん。」ニコっ
「おはようございますクリスちゃん。」ニコリ
クリスちゃんの方が先にギルドに、到着していたみたいですが、とても可愛らしく微笑んで挨拶をしてくれました。とりあえず今日は何の依頼を受けましょうか。
「あのね、リーズちゃん今日の依頼なんだけど・・・」
先に依頼を見ていたクリスちゃんが言うには、ゴブリンの討伐依頼が出ていてそのほかに、ゴブリンの持つ釘バットという装備品を10個ほど集めてほしい。という依頼があるそうで、二つ同時にやってみないかという相談でした。
私的にもそちらの方が効率が良いと思ったので依頼を二つ受けることにしました。
「リアさん私たちでゴブリンの討伐依頼と、釘バットの採取の依頼を受けたいんですけど。」
「はい、分かったわ。今日は二つ依頼を受けるのね。ちなみに一人で受けられるクエストは、5個までだからね。それ以上はクエストを成功させるか、依頼をキャンセルしないとできないからね。」
「はい分かりました。それじゃあ行きましょうか、クリスちゃん。」
「うん、確か此処からだと、一番近くてゴブリンの出る場所はブラウザの森だよね。」
まあFランクやEランクの依頼は、しょぼいのばかりなので、大体近くのブラウザの森に出るモンスターの討伐や、そのモンスターが落としたりする物の収集とかしかありません。
危険も少ないし楽だから良いんですけど、私はなるべく一人暮らしできる位のお金を集めたいので、速めにお金をためて13才になるころにはCランクにはなっておきたいですね。でも焦りは禁物と、お母さんが言ってたし地道に頑張りましょう。
「リーズちゃん?」
私としたことが考え事をしていたせいか、クリスちゃんに心配されてしまったようです。
「どうかしましたか?」
「ううん、何でもない気のせいだったみたい。」
どうやらごまかせたみたいです。あまり友達に心配をかけたくありませんし、何だか罪悪感を少しだけ感じますが、こればかりは私の不注意なので仕方ありません。
「とりあえず、今日はブラウザの森の中間地点ぐらいに、ゴブリンを見たことがあるので今日はそっちに行ってみましょうか。」
「うん分かった。リーズちゃんは何か準備するようなものはない?」
「うーんと、毒消しのストックが無いのでギルドのほうでいくつか買って行きますね。少し待っててください。」
そうクリスちゃんに言うと私はリアさんに話しかけた。
「すいませんリアさん。毒消しを5個ほどください。」
「はい全部で500Eになるわ。」
私は500E払い毒消しを購入し、クリスちゃんと合流した。
「それじゃあブラウザの森に行きましょうか。」
「うん、それじゃあしゅっぱーつ」
そして歩いて数十分後、ブラウザの森の中間地点に到着しました。
途中でモンスターが出てきて討伐しましたが、結構収集品が集まりまして、思わぬ収穫と言う奴ですね。売ればいくらくらいになるでしょうか?まあ、とにかく本命はゴブリンのほうですから、がんばらないといけませんね。
そういえばクリスちゃんは意外とステータスがすごいです。体力B 魔力B 力S 知力A 運Cでした。
なので戦闘ではモンスターを普段から装備している魔法の杖で、ぶん殴っていました。見ていて気持ちいくらいに、吹っ飛んでいました。
あとクリスちゃんの守護精霊は、名前はムーンと言ってダメージを受けたら自動的に回復してくれる能力を持っているんだそうです。私はムーンちゃんと呼んでいます。見た目はちっちゃい天使ですね。
こちらもとても可愛いです。青ちゃんも可愛いですが守護精霊は可愛いのが結構多いみたいですしね。
お母さんの守護精霊はすごいのが多かったです。能力的には死神が一番モンスターを倒すのに、効率が良いと言っていましたがちなみに能力は即死魔法が99%の確立で相手に命中するという能力だそうです。
何かの気配を感じる・・・ゴブリンが現れた!早速ゴブリン発見です。
クリスちゃんは私と視線を交わすと、一目散にクリスちゃんはゴブリン殴り一撃で倒してしまいました。
あ、釘バット発見、早速一個集まりました。この調子で行けばすぐに集まりそうですね。と言うか私も討伐しなくては。
「それじゃあ行きますよ青ちゃん。」コクン
「ぎゃはははははは!おらおら!てめーら!さっさと俺にてめーらの屍と釘バットをよこせよ!」
いやな高笑いが聞こえたので、後ろを振り向くとクリスちゃんが暴走していました。ちなみにクリスちゃんは、モンスターを討伐すると性格が変わります。そりゃあもう180度回転したかのように、ものすごい変わります。
何時もは回復魔法をメインに使うんですが、なぜか今日に限って素手でゴブリンをぶん殴っていたので変わっちゃってます。
DVクリスちゃんになっています。まあ見ていて面白いからいいんですけどね。そしてその後ゴブリンを討伐しまくり、主にクリスちゃんの暴走で途中でゴブリンが泣き叫んで逃げたり釘バットを差し出したりしてましたが、お構いなしにクリスちゃんがぶちのめしていました。
今回はゴブリンが可哀想に見えました。青ちゃんはさっきからニコニコしていて機嫌は良いみたいですが。
「クリスちゃん、釘バットが集まったのでそろそろ帰りましょうか。」
そうクリスちゃんに話しかけると、クリスチャンはニヤニヤ笑いながらこちらに近づいてきました。私は少し心配になりクリスちゃんの顔を覗き込んだらいきなり、
「よし、リーズ討伐の依頼終わったから俺とデートしようぜ。」
今回のDVクリスちゃんタイムは結構長いみたいです。前は戦闘が終わると元に戻っていたんですが、本人曰く、感情が高ぶるとちょっと正確が変わっちゃうみたいなのと言っていましたが、これはもうちょっとと言えるレベルをかなり通り越してる気もしますが、とりあえず、
「ジュースとケーキを奢ってくれるなら良いですよ?」
そう言うとクリスちゃんは可愛らしくニッコリと微笑んでから、
「それじゃあ一緒にケーキ屋に行こうね。」
と言いました。DVクリスちゃんの時間は終わったようです。その後私たちは仲良くケーキを食べてそれぞれの家に帰りました。
あ、でもちゃんとジュースとケーキは奢ってもらいましたよ、クリスちゃんに。