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第45話

第45話



少年は、血の滲む自分の手を見つめていた。

拳は、無意識のうちに強く握りしめられていた。


「……これ、本当に僕がやったんですか。」


驚きと混乱が身体をかすめたが、

少年はすぐに深く息を吸い、心を落ち着けた。


「今は……考えている場合じゃないです。」


彼は粉砕され、焦土のように散らばった巨大な鉱石の破片を

ひとつひとつ集め、

床に静かに並べていった。


そして、

そのまま地面に腰を下ろし、

鉱石を削りながら

ある形を作り始めた。


トン、トン、トン。


指先から血が流れても、

少年の動きが止まることはなかった。


彼の表情は、

まるでずっと昔から知っていた技術を

身体そのものが思い出しているかのようだった。


どれほど時間が経ったのだろう。


ようやく加工が終わりに近づいた頃——


背後から大きな足音が響いた。


「そこにいるのは少年か!?

さっきとんでもない音がして駆けて来たんだが……無事か!?」


ロイドの声だった。


少年はゆっくりと頷いた。


そして短く言った。


「……背負ってください。

行かなければなりません。」


少年は手に持っていた加工済みの鉱石をロイドに渡した。


それらは

見た目からしてただ事ではない形と気配を帯びていた。


ロイドは重く息を呑み、言った。


「……聞きたいことは山ほどある。

だが今は時間がないな。」


少年は頷いた。


ロイドは少年を背に負い、

地下の漆黒の闇を振り返ることもなく

全速力で駆け出した。


地上への到達に成功した。


風、灰、光、そして舞い散る塵。

すべてが依然として混乱を孕んでいたが、

彼らは立ち止まらなかった。


少年は息を整えながら、

加工したこの「謎の鉱石」たちを

伝令たちへ一つずつ渡すよう指示した。


各占領地の位置、伝達の順番、注意点——

してはならない行動、必ず行うべき行動——

少年は短く、速やかに、しかし明瞭に伝えた。


伝令たちは深く頭を下げ、走り去っていった。

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