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JAX⭕️からのお誘い ⑦

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

「エレナ、あとどれぐらいでとりあえずのチェックはおわるの?」


「はい、現在は全機能起動チェック中です。約1週間ほどで完了する見込みです」


「……これからよろしくね、エレナ」


「こちらこそ、よろしくお願い申し上げます、艦長」



翌週・月曜日・放課後


理科部室のドアが勢いよく開いた。


「部長っ、大変だわ!」


挿絵(By みてみん)


理科部顧問の先生が駆け込んでくる。


「はいはい、文化祭お疲れ様でした~。で、何が“大変”ですか?」


「違う違う! JAX⭕️相模原からご招待が来たの!」


「えっ!?」


ざわつく部室。部員たちは顔を見合わせる。


「先方からの感想文と名刺も一緒に届いてる。部室に貼っておいたから確認してね!数日候補があるけど、今週の木曜なら祝日で、技術員の方々も揃ってるとのことだ」


「おおー!」


「遠方からの訪問となるため、保護者同伴も可とのことだそうです」


「木曜……カラオケでお疲れ様会する予定だったから、みんな空いてはいるよね?」


「えっ、そんな予定聞いてないよー! 寂しい……」


「言ってないもん。先生とはたこぱとか、いつもしてるでしょ!」


笑いが広がる。


「では、今晩ご家庭で確認して、明日正式に連絡をください」


「はいっ!」


先生が真顔で言った。


「ただし、理科部として、そして女子校代表として行く以上、相手は政府機関です。礼儀正しく、誇りを持って行動しましょう」


「……って、そんなわけだけど。お父さん、行ける?」


「そりゃ、行くしかないな。エレナも興味あるんじゃないか?」


「はい、拝見したいです。体はすでに稼働可能で、先日いただいた油脂により骨格は完成、外装制作中でございます」


「エレナ、どんな姿なの?」


「艦長をベースに、やや小さめ。年齢で言うと2歳ほど幼く見えるように設計しております」


「水曜に確認して問題なければ同行可能、難しそうなら時計より遠隔制御で対応可能です」


「じゃあ、妹も連れてっていいか聞いてみる!」


「部員7人だから……車は2台必要だね」


「ねえ、お父様、出動お願いしても?」


「“お父様”って(笑) いいけどな。理科部の部長なのに一緒に行くって不思議な感じだな。慣れておこうか」


「ありがとう!」


父がふと真顔になる。


「それと……これは“ここだけの話”だけど、特許の件で質問が来てる」


「え?」


「先方から、あの試作品、本当にこれでできたのかって。成分確認も含めて、第三者機関の認証が必要らしい」


「……それって」


「流れを話していいかな?」


「うん、聞く」


「例の“エアコンガス”、あれに空っぽの状態で少量入れてもらったの、覚えてるよな?」


それをわたしてさ


「これを、“あの過程”と一緒に特許として申請中であること。

その内容が確認できて、第三者機関からの証明書が出れば……最後のあのガス缶、一本、お譲りしてもいいという意思があると伝えようと思う」


父が、少し緊張した表情でそう告げた。


「副艦長、意外とありますよ?」


「そこは、3人しか知らない“ブラフ”さ 中身の量は言ってないからね」


「なるほど……でも“お譲り”ってことは、値段はJAX⭕️に決めさせるんですか?」


「そう。通常ならロケットで地球から飛んで、戻ってきてようやく手に入る燃料だ。それなりの価値はある。

それを対価にすれば、しばらく材料費や運用費で悩まなくても済むはず」


「……資金も得て、守秘義務も成立して、さらに各国への使用料も将来的に期待できるってことですね」


「その通り。一石三鳥くらいにはなる」


「お父様、ちゃんと考えてるじゃない」


「ふふ、伊達に娘の副艦長やってるわけじゃないってとこを、少しでもサポートしないとね」


エレナがふと、艦長の方を見たように感じた。


「……もしも、私が高校に入学できたら、一緒に学校生活を送れるんでしょうか?」


「それ、すっごく楽しいと思うわよ 素敵だわ」


「……大変、興味があります」



翌朝・学校・理科部室


「せんせい〜! 後輩たち、保護者の許可取れたって。お父様が送ってくれるってさ!」


「ありがとう、よかったわ〜!」


「これで車の台数もなんとかなりそうね。うちも父が出してくれるから。7人乗るのにちょうどいいわ」


「えっと、先生、お願いがあるんですけど……私の妹も行きたいって言っていて、学校見学も兼ねて連れて行っていいでしょうか?」


「ええーっ!? 部長の妹!? 聞いたことない!」


「中学3年生なんだよね」


「おおっ、部長の妹なら将来の理科部長もあり得るじゃん」


「わーい後輩ちゃんだああ」


「じゃあ、一応教頭先生に聞いておくよ。見学ってことで。……でも希望してるの? この学校」


「まだ確定じゃないですけど、見てみたいって」


「うん、わかった〜! 行って聞いてくる!」


先生は楽しそうに廊下へ走っていく。

挿絵(By みてみん)

初めての投稿になります。

初めの1週間は早めに7話投稿 その後3日に1回ぐらいを目安としています。

書くことが初めての物語になりますので応援していただければ幸いです。

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