表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崖が崩れたらそこは宇宙ステーション♪  作者: Sukiza Selbi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/178

ノアリエル との交流 59

宇宙を夢見る一人の女子高生と、最先端AIが導く日常。

地球と宇宙を舞台に繰り広げられる、テクノロジーと絆が交差する日常を描いた物語。

これは——とある家族と、その未来を切り拓く少女の軌跡。

静かに、しかし確かに進む“日常”の中に、宇宙の鼓動が聞こえる。

ゆきなとエレナが地上に降り立つと、静かに周囲が明るくなり、まるで歓迎するかのようにアンドロイドが一礼した。


「ようこそ、お越しくださいました」


声は、まるで昔からの友人のように自然で、柔らかい。


「えっ……もう日本語、解読したの?」


「はい。最初の“数式”でほぼ全てを把握いたしております。

あの問題を突破されたのは、かなり稀な事例です」


「そうなのね……。確かに、あそこは1週間ぐらいかければ何とか解けそうだけど、でも――」


「あなた方は、“三回再計算”されましたか?」

問いかけに、エレナが頷く。


「はい。一応、誤差を想定して三度、別プロセスにて再計算を行っております」


「……よく“予測”で当てられるものね」


「**いえ、それはできませんでした。シールドの関係で中身は一切スキャン不可能。

ただ、艦の制御技術や反応速度から見て、**“こちらの技術水準を超えている”と判断しております」


「見た目だけだと**“似たもの”**を造れそうに見えるけど、中身がまったく別物ってことね?」


「その通りです。それと……お二人とも、とてもお綺麗です」


「……お世辞まで言えるの? すごい文明ね」


ゆきなとエレナは、制服姿で背筋を伸ばしていた。

その姿が、この場所でひときわ凛と見えたのかもしれない。


「それでは、中央コンピューターまでご案内します」



目の前にやってきた車両に乗り込むと、スッと空中に浮かぶような感覚とともに加速していく。


挿絵(By みてみん)


「……これ、すごくスムーズに動くのね。どれぐらいかかるの?」


「5分ほどです。道中、こちらの“自然との共生都市”をご覧ください」


窓の外に広がる景色は、海の蒼と、草原の緑がまぶしく調和していた。


「海も緑も……綺麗ね」


「はい。ただ、後ほどご説明すべき“課題”もございます」



やがて到着したのは、都市の中心にある中央コンピューター区画。

中に案内されると、部屋の中心には3メートルほどの円盤型の装置が浮いていた。


「どうぞご着席ください」


言われるままに、ふたりが装置の座面に腰を下ろす。

ふわっと浮かび上がるような軽やかさ。


その瞬間――

空間全体が静かに変化し、光の粒が集まり始めた


「っ……!」


数秒後、異なる姿をした5人の人物が、ホログラムとして投影された。

容姿の異なるような姿、でもそれぞれが、どこか「心」を感じさせる表情だった。



挿絵(By みてみん)


「久方ぶりの外部からのご訪問、歓迎いたします」


5名が同時に、丁寧に一礼した。


「こちらこそ、ご招待ありがとうございます。

このような機会をいただけて光栄です」



説明が始まる。

この惑星には中央コンピューターが5基存在し、各自が独立して運営されている。

そしてこの5名は、それぞれのコンピューターの代表的存在。

全ての重要事項はここで議題として挙げられ、最終的には多数決にて決定されるという。


「“惑星名”に特に意味はありませんが……」

1人が、静かに言葉を続ける。


「惑星名は、我々にはあまり意味を持ちません。そちらの言葉で自由に名づけていただいて構いません」


ゆきなは少し考えこむ。


「そうね……じゃあ、“ノアリエル”ってどうかしら。人と人を静かにつなぐ、優しさのイメージなの」


その名を口にした瞬間、エレナはふっと微笑んだ。


「……素敵です」


こうして、惑星ノアリエルとの交流が始まることとなった。


「ご質問などございますか?」


「交易などすることはできる?」とゆきなが聞くと、


「ぜひお願いします」と返ってくる。


「実は、いろいろと足りない物もございます。ノアリエルでは魚や小型の動物はおりますが、大型の動物が存在しません」


その時、エレナが何かに気づいたような顔をした。


「お気づきになられたかもしれませんが……」


「圧倒的に、二酸化炭素が足りません」


「え?」


「艦長、私も入った瞬間から大気中の環境で検知しております。窒素が多く、二酸化炭素が極端に少ないのです。このままでは、美しい植物群が近い将来絶滅する可能性がございます」


「つまり……二酸化炭素が欲しいってこと?」


「はい。ただし、他の惑星などからの搾取はおやめください。その生態系への影響が大きすぎるため、我々としては承認しかねます」


「なるほど。火星から持ってくるのも禁止と……」


「艦長、また悪いことを考えてますね?」


と笑顔でエレナがつっこむ。


「ちょっと! 私が悪代官みたいじゃないの。違うでしょ!」


「違いますね。艦長はいつも、ちゃんと正論に持っていきます」


「……も〜、言うようになったわね」


そんなふたりのやりとりに、中央のコンピューターたちも和やかな空気になっていた。


「では、その対価として何を提供いただけるの?」


「我々は製造業を主としています。設計図をいただければ、どんなに大きなものでも作成可能です。スキャニングさせていただければ、お乗りになられた宇宙船でも再現可能。ただし、システム部分はご提供をお願いします。もちろん守秘義務契約も結びます。他への流出は一切ございません」


「それはいい条件ね。どう、エレナ?」


「申し分ございません、艦長」


「わかったわ。検討しておくわね。だいたい、2週間後ぐらいでお返事してもいいかしら?」


「承知いたしました。お取引、楽しみにしております」


「それと……この国、おすすめスポットをツアーしてくれると嬉しいのだけど?」


「もちろんです。製造工場、海中都市、天空都市、山岳地帯、などを見て回るプランはいかがでしょうか?」


「いいわね、それでお願い」


「では、手配いたします。30秒ほどお待ちください」


時間がないけれど各都市をまわります。

後でゆっくり見て回ります!

皆様★評価と♡ブックマーク 

お好きなところにアクションをお願いします。

ゆきなとえれなの ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ