冬の合宿サプライズ ― 宇宙探査船アトランティス出航! 24
とある家族の女子高生 と AI
宇宙ステーションの日常を描いた物語
「さー、ちょっと冷えてきましたね。部屋に戻って……サプライズ、始めたいと思いまーす!」
「わーい! センパーイ、何やるんですか〜?」
「ふふ、それは内緒ですよ〜。みんな降りてきましたね?」
ざわざわと期待に満ちた空気の中で、ゆきなが前に立つ。
「それでは……サプライズ、始めます」
「はーい!」
「私は、⭕️⭕️ゆきな。2年2組、理科部部長をしています。そして……テニス部にも所属しています!」
「それは知ってるーー!」と笑い声。
「では、もう一つの顔。皆さん知ってるかな〜?」
みんなが顔を見合わせる。そろって「?」の表情。
「えれなちゃん、知ってるの?」
「はいっ。私は知ってますよ〜。この前も行きましたし!」
「えー! 私たちにも想像つく?」
「うーん、どうかなぁ〜」
先生も「なんだろう…?」と困った顔をしている。
「じゃあ、皆さん……降参でいいかな?」
すると、みすずちゃんが手を上げる。
「ゆきな先輩って……どこかの国の客員教授とか……ですか?」
「えっ、なんでそう思うのー?」
「だって、えれなちゃんがあれだけ頭が良くて、そのお姉さんで、みんなから尊敬されてて……」
「……うーん、違うけど、みすずちゃんには三点!メダルも進呈♪」
「ずるーい!」「私たちも欲しい〜!」と、また笑い声が広がる。
「じゃあ、正解を発表します」
ゆきなは胸元から名札件入館カードを取り出し、見せる。
「実は……JAX⭕️の研究員、という肩書を持ってまーす!」
「えっ……!?」
「うわー! 本物だ!」
先生も「えっ……えっ!?」と驚きが隠せない様子。
ゆきなはそっとガラスの玉が入った小箱を掲げた。
「これ、何かの……投影機ですか?」と声が上がる。
「お、すごいね! 二点! メダルも進呈♪」
みんながわいわいと盛り上がる。
「ここからは、この誓約書にサインをお願いします。内容は部外者に秘密にすること、そして……」
「私とエレナの着替えを見ないこと〜!」
「えっ!? それが本命〜!?」「そんな守秘義務ある!?」
「ふふっ、では、倉庫へどうぞ」
⸻
倉庫の扉には「立ち入り禁止」の張り紙。
その下には「のぞいたらこちょぐりの刑♡」の文字。
先生がノリノリで真っ先に入ると、みんなが笑いながら続いていく。
「先生はこの、真ん中の立派な席で〜」
ひとりずつ入っていく部員たち。
「機関員がいい!」「私は戦うの!」「探索したい〜!」
すぐに席が埋まっていく。
「さー、逃げたい人はいないよね?」
「いませーん!」
「では、皆さん……アイマスクをお願いします」
全員が素直にアイマスクをつける。
「のぞいちゃダメよ? 今から私たちが着替えるから」
「え〜!? 先輩の生着替えタイム〜!?」
「……守秘義務っ!」
「ひど〜い!」と爆笑。
ゆきなとエレナが目を合わせ、静かに頷く。
「起動!」
その瞬間、転送装置が作動し、シュミレーションルームへ転送され室内が宇宙探査船『アトランティス』のブリッジに変わる。
「アイマスク外していいですよ〜!」
「わーーー!すごーーーい!!」
機械音が響き、パネルが点滅し、ぴこぴことシュイーンの効果音が流れる。
「ようこそ、宇宙探査船アトランティスへ。皆様の乗船、歓迎いたします」
「メインパイロットの、ゆきなです」
「サブパイロットの、エレナです」
「そしてそこにいるのはアシスタントロボットうさぎちゃんです。」
わーーもこもこーー
「先輩抱っこしてもいいですかー」
「いいけど何もやっていない時でやるような仕草の時は離してあげてね」
はーーい みんなでいい声だ
2人はすでに制服に着替えていた。
「あれっ!? 私たちも……着替えてるーー!?」「え、なんで!?すごい!リアル〜!」
⸻
モニターを触ると反応する。
前方席の人はレーダー担当。
「危険物体を見つけたら、すぐ報告してくださいね」
左右と後方には砲撃手。
ゲームコントローラーを握りしめて興奮している。
「ぶつかりそうな物は、艦長の許可を得て、撃ちましょう!」
「えぇ〜! 先生が判断するの!? 無理無理〜!」
「大丈夫、ちゃんと帽子もあります♪」
艦長キャップを被った先生に、みんなから「おお〜っ!」「かっこいい〜!」と歓声。
機関部では出力調整を任されている。
「では——出航します!」
「敬礼っ!」
みんながビシッと可愛く、胸を張って敬礼する。
小さな背筋もぴんと伸びて、表情はキリッと、でもどこか楽しげ。
「よし、それじゃ——全員、シートベルトを!」
「確認! 主座席、ロック完了です!」
「後部席、固定しました!」
「うさぎさんたちも、OKです!」
「緊張してきたね……でも、ワクワクもしてきた!」
「ふふ、じゃあ改めて——出発進行!」
ゆきなが座り、合図を出す。
「エレナ、船速1/2」
「はい、お姉様。船速1/2」
シュイーンと滑るように宇宙へ飛び出していく。
「下に見えるのが……日本です」
「わ〜……綺麗……!」
「成層圏、先ほどまで流星見ていましたね。」
⸻
「では、あの衛星。故障中です。砲撃訓練を行います」
「直接撃つとゴミが拡散して危険なので、斜め上から、成層圏に落とす方向で」
「副操縦士、移動を」
「はい、左へ移動。ロック完了」
「艦長、よろしいですか?」
「いいわよ。撃ちなさい!」
「ピュイーーン!」
レーザービームが命中し、衛星は消滅。
破片が流星のように地球へ落ちていく。
⸻
その後も、レーダー、機関部、砲撃手、みんなの役割が次々と活躍する。
「機関部、増強10%出力で月まで!」
「出力10%、安定です!」
「では、加速します!」
「うわー!スピード感すごいー!」
⸻
「では、問題です。月までの距離は?」
「はいっ! 38万キロ!」
「正解! みすずちゃん、メダル3点!」
「やったー!」
「この船なら30分で到着します。
では、上空のガラス投影に切り替えます。
広がる宇宙の景色を……お楽しみください」
さあ宇宙の旅へ部員みんなと先生で出発です!
どんなことが起きるのでしょうか 平和に終わるのでしょうか・・
ゆきなは そんなに優しくはないようです・・
皆様 評価 ブックマーク コメント リアクション好きな話に頂ければ励みになります。
ゆきなとえれなの ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです。




