えれなの初めての友達♪ 21
とある家族の女子高生 と AI
宇宙ステーションの日常を描いた物語
「おじちゃんとの打ち合わせ、10時だったよね?」
「そうそう。雪もあるし、今日は車で向かおうか。スタッドレスタイヤ、倉庫で交換できる?」
「先週、すでに交換済みです」
「おお〜〜、できる子だなぁ」
その時、ふわっとお母さんが起きてくる。
「おはよう〜。うわ、いい香り」
「お母様に教わった紅茶のシフォンを焼きました」
「えらいわねえ、ほんとに」
紅茶とケーキを囲んで、ゆったりとした朝が流れていく。
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午前9時半、秘密基地の仮設事務所。
冷房を効かせて待っていると、9時40分にはおじさんが現れた。
「やっぱり早いなー、いつもこうだよね、おじちゃん」
「まあ、昔から時間にはうるさいのさ。ゆきな、大きくなったなぁ。もう高校何年だ?」
「今、高二よ。17歳」
「……女性だなぁ」
空き地の整地された様子を見渡して感嘆するおじ。
「掃除に3年ぐらいかけたの? すごいな……古いけれども基礎もしっかりしてるし、図面でもあったのか?」
「うん、昔のおじいちゃんのやつ。でもね、これ見て。私が描いた図面」
事務所のテーブルにCADで作成した図面を広げる。
「おおおっ……こりゃ本格的だな……ゆきなちゃんが書いたの?」
「はい、お父さんに教えてもらいながら。微調整はまだ入りますけど」
「すげぇな……あとは浄化槽と上下水道だな。まあ、おれのとこでいけるいける」
「じゃあ、このメールに送ってもらっていい? 形式は何でもいいがJ◎でお願い」
「了解です」と、えれなが時計から文字で答え、そのまま転送。ゆきながメールで送信する。
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最終確認。
「費用、大丈夫か?」
「うん、いけると思う。けど、おまけしてね?」
「ハハハ、わかったよ。来週中には見積出すから、それ見てGOなら着工指示だけちょうだい。契約書もちゃんと作るぞ。親戚でも、そこはしっかりな」
「了解です!」
握手をして、ぺこりとお辞儀。
「ほんと、楽しみだなぁ。完成はいつ頃?」
「早けりゃ4ヶ月ぐらいでいけると思うぞ。基礎がちゃんとしてるからな」
「ありがとうございます」
うっすらと雪の積もった庭に、嬉しそうな足音が響いていた。
翌週・理科部部室にて
「先生ー、えれな合宿参加させていいですか?」
「うん、来ると思ってたわ。明日、親御さんの許可だけちゃんと取っておいてね」
「はーい!」
理科部ではすでに、えれなは普通に部活メンバーとして活動中。だが今日、えれなはもう一歩踏み出す決意をした。
「先生、中学校の同級生1人誘ってもいいですか?」
「誰ちゃん?」
「みすずちゃんです」
「ああ、あの数学大好きな子? 来たいって言ってるの?」
「まだわからないけど誘ってみます。」
「なら、2人とも仮入部申請書は出しておいてね」
「わかりました!」
えれなは教室に走って戻った。授業が終わってから1時間たっているというのに、みすずはまだ1人で机に向かっていた。
「みすずちゃん、まだ解いてるの?」
「ここがどうしてもわからなくて……」
「それはね、こう推測して……」
「あっ、わかった! ありがとうえれなちゃん!」
「どういたしまして。やることなかったから、論文解読ばっかりやってただけよ」
「すごいなぁ……」
みすずの目がきらきらと輝いていた。
「ねぇみすずちゃん、私いま理科部に仮入部してるんだけど、一緒に入らない? 明日、合宿があってね。夜空をいっぱい見て、流星の数とかを計算するの!」
「えっ……計算!? 行くっ!」
部室にて
「わー、えれなちゃんもう1人連れてきたー!」
「中等部3年1組、みすずちゃんです!」
「おお、後輩ちゃん2人目ねー。私が部長のゆきな、えれなの姉です。仮入部、歓迎します!」
ゆきなが笑顔で手を差し伸べ、みすずもぺこりと頭を下げる。
「理科部はね……文化祭では核融合炉発表を作ったり、JAX⭕️から招待を受けたり、望遠鏡で宇宙を覗いたり。最近では地震を予知するためにナマズの動きを観察してたりもするの」
「なんか……理科部っていうか全部部ですね」
「そう! 突拍子もないことをするのがうちのスタイル! でも、得意なことを活かして、楽しむことが一番。明日はね、夜空を見ながら流星の軌道を計算したり、火星を望遠鏡で観察したりする予定!」
「えれなちゃんと一緒なら……明日、行きます!」
「やったー! 持ち物と許可申請書と仮入部申請書、明日持ってきてね」
「はいっ!」
⸻
翌日の終業式後の帰り道
「えれな、もうお友達できたの?」
「はい、お姉様。みすずちゃん……あの方はすごいです。計算力が桁違いです」
「へぇ〜、でもえれなもすごいよ」
「いえ、お姉様の発想力と行動力には脱帽です。でも、みすずちゃんは……もっと友達や仲間を知れば、必ず大化けします」
「うん、うんでもえれなが、ちゃんとお友達を作ったってことが一番嬉しい」
手を繋ぎながら歩く二人の後ろから、
「部長、私も〜〜!」
みすずが笑いながら駆け寄り、エレナの腕に片手、ゆきなの手にもう片手。後輩いっぱいくっついて9人で手を繋ぎながら、理科部の未来を歩いていく。
ぼそっ横一列邪魔だな
「ほら、邪魔してるでしょ2人まで!」
「駅にて、みんなー。一回家に帰って、準備して16時に集合ねー!」
「はーい!」
「先生にメールで2人分の書類は送信」
返信
「ありがとう〜。今日の夕飯、楽しみにしてるわよ〜! ……って私は食べる専門だけどね!」
理科部の冬合宿、星空の下での冒険が、いよいよ始まろうとしていた。
ぼそっと えれな サプライズを考えてるの後で聞いて!
了解です。
秘密基地計画が始まりました。
わくわくです!
ついでに合宿もはじまります。
どきどきです!
合宿が終わるまで毎日投稿すると決心しました。
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ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです。




