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えれなの入学試験 16

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

次の日の朝、ゆきなは職員室を訪れる。


「せんせー、えれなの中学入学試験受けたいんですが!」


「あら〜、そうなのね。じゃあ書類全部揃えてね。親御さんに記入してもらって、振込も忘れずに。書類が届いたらすぐ手配するわよ〜」


「了解ですっ」


そしてその夜。


「えれなー、試験ね、100点取らないようにね? 平均8割くらいに抑えて。完璧すぎるのはNG。好きそうな科目は9割、苦手そうなのは6割強ぐらいでバラつかせて」


「はい、了解しました。難しいですね、それ……」


――翌日。


「お父さん、お母さん、これ署名おねがいしまーす」


「えれな、学校行っちゃうの寂しいわぁ〜」


「お母様、大丈夫です。私はこの家にいますので」

抱きしめられて、もふもふのむぎゅー。


「心配してないけど、試験頑張ってね!」


「はい、がんばります、お母さん!」



急遽決まった金曜日の試験。朝9時から、全教科を2回ずつ。


挿絵(By みてみん)


午前の部が終わったあと、お昼は理科部の部室でみんなと一緒にぱくぱく。


「うまっ、えれなちゃん選んだパン、当たりじゃない?」


午後も順調に終了。採点はその場で進められていた。


「すごいわね……半日分の結果でも、もう十分優秀だってわかるわよ」



その後、ゆきなはテニス部の練習へ。そこへ職員の声。


「ゆきなさーん! 妹さん、終わりましたよ〜!」


「はーい! えれな、もうすぐ終わるから待っててねー」


それを聞いたテニス部の部長が目を光らせる。


「……え、妹さんテニスできるの?」


「一応、ちょっとだけですけど」


「じゃあ、試しに勝負しない? 私と、次期部長のダブルス vs 姉妹で!」



挿絵(By みてみん)


試合の結果――


「くっ……っ、打ち砕かれたわ……! 姉妹に……負けるなんて……!」


「えれなさん! 来年はもちろんテニス部よね?」


「えっ……あの……理科部が……」


「両方入るのよね?」


圧をかける部員たち。

「ひゃ……はいぃぃ……」えれな、圧に完敗。


「よしっ!」



練習後。


「ところで……今さらだけど……私、次期部長なんですか?」


「そうよ。来年2年になるでしょ?」


「でも、あの投票……私2位だったはず……」


「1位はゆきな先輩。だけど理科部部長だし、ね?」


「えっ……ゆきなさんが……?」


「ゆきなさんと2年部員から推薦ももらってるわよ。ジュニア出身だし、みんな期待してるわ。個別だったら、私だって勝てないわよ。がんばって!」


涙が、ぽろりと落ちる。


「……がんばります!」


「来年は、えれなも来ることだし、全国目指すわよ!」


「ダブルスは、姉妹でねっ!」


「今週は疲れたわね〜」

ダラ〜っとソファに転がるゆきな。

「色々ありましたからね」

エレナはエプロン姿で、お母さんと楽しそうに料理をしている。


「明後日、倉庫計画の打ち合わせしましょうね」

「はーい」


──そして翌朝。時計はまだ5時半。


「お姉ちゃん、朝ですよ」

布団の中に潜るゆきなに、エレナの元気な声。

「……早いよ〜……え、晴れてるの?」


「はい、でも道路……なんか白いです」

「……それ、雪よ。滑るから気をつけてね」

「触ってきていいですか?」


「パジャマのまま? ダメよ〜」


でも、エレナは玄関を開けて、もう外にいた。

ご近所の人たちは朝早くから雪かき中。


「あらあら、そんな薄着で外にいたら風邪ひくわよ〜」

「ありがとうございます、今戻ります〜」


冷たくて、ふわふわで、でもすぐに溶ける雪を手にして戻ってくる。

「お姉ちゃん! 雪、冷たいです!」

「でしょ? だから言ったのに〜。って、持ってこないでー!」


「よし、目が覚めたわ。雪かきと……雪だるま、作りましょう」



暖かく着込んで、二人でスコップを持って外へ。

家の前をせっせと雪かきしていると、あちこちから「ありがとうね〜人」と声が飛ぶ。

「こんにちは〜」「おはようございます〜」

すっかり地域に馴染んでいる。


そのあと、小さな雪だるまを3つ。並んでちょこんと座っている姿に、思わず二人で笑い合った。


挿絵(By みてみん)



「さて、今日の朝ごはんはオムレツよ〜!」


キッチンには朝から良い香り。

ゆきなが卵を割り、具材を炒めていると、みんなが少しずつ起きてきた。


「あら、オムレツ? パン焼くわね」とお母さん。

「じゃあ、俺はスープ担当だな」とお父さんはポタージュ作りへ。

弟は静かにお皿と箸を用意している。

チームワーク抜群で、何も言わずともそれぞれの作業が進む。


「いただきます!」

朝ごはんが始まる。


ふと、ゆきなは手を止める。

(なんか……何も違和感ないな……)

家族とエレナが、まるでずっと昔からそうだったみたいに、自然にそこにいた。



「ねぇ、お母さん。今日、雪でどこも行けないから……エレナ連れて、市民プール行ってくるわ」


「あらいいじゃない。気をつけてね」

「うん!」



「はい、エレナ。これ水着ね」

「……普通ですね」

「普通が一番なのよっ。私ね、いとま⭕️で一級取ってるから、泳ぎは得意よ〜。教えてあげる!」


「……でも、私、浮くのかしら……?」


「浮かなかったら、抱えて運ぶから安心して!」

「がんばります!」


水の中に入って、ぶくぶく……なかなか難しい。

「わぁ……ぶくぶく〜……むずかしいですね!」


近くにいたおじさんが笑いながら言う。

「あはは、お嬢ちゃん。硬いと浮かないぞ〜!」


みんな笑って、エレナもちょっとだけ浮けるようになって、バタバタと足を動かす。

短い時間だったけど、二人にとってはとても楽しい思い出。



帰宅すると、玄関でお母さんが笑顔で出迎えてくれる。


「おかえり〜。ほら、こんなの届いてたわよ」


差し出されたのは一通の封筒。

太文字で書かれた“速達”の文字が、きらりと光っていた。



16話目・・・どこまで連続続けよう

ブックマーク評価感想をおねがいします・・

どうしよう宇宙船みたいなものがが出るまでは書かないといけない気もしてきた。

いるよね・・ いるよね 入りますよね がんばろう

どのようにしよう宇宙船どんなのがいいかなあ



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