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崖が崩れたらそこは宇宙ステーション♪  作者: Sukiza Selbi


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156/178

NAS〇からのお誘い 156

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

外では、夏に向けて地球も賑やかになっていた。

インターハイ、理科部の合宿、どれもが忙しく、充実していて、止まる暇もない。


そんな中――電話が鳴った。

画面には「佐々〇副大臣」の文字。


「珍しいわね。……はい、ゆきなです。」


『あら元気そうね。実はね、NAS⭕️から理科部にご招待が来てるの。』


「えっ、アメリカに?」


『そう。飛行機も宿泊も全部向こう持ち。しかもビザ承認済み。準備は心配いらないわ。』


「……え、えぇぇっ⁉︎ そんな急に!?」


受話器越しの声に、えれなが目を丸くして近づく。


「お姉様、アメリカ……ついに行くんですね!」


「ま、まぁね。夢みたいな話ね。」


電話を切ったあと、ゆきなはため息交じりに笑った。


「インターハイ、理科部合宿、そしてアメリカ体験……濃い夏休みになりそうね。」


ゆきながにこっと笑う。


「えれな〜、お願いがあるの〜。」


「めずらしいですねなんですか?」


「私のアンドロイドを作ってほしいの~」


「えっ?」


「だって、今後知らない星に行くこともあるかもしれないじゃない。交渉や探索用に、私の分身があった方がいいかな~とおもって!」


「……なるほど、それは確かに合理的ですね。―」


「作れますよ。実は、改良型シリーズがすでに完成段階です。」


えれなが指先を動かすと、光のホログラムが部屋いっぱいに広がった。


「わぁ……可愛い。」


小さなえれな、子供のような姿のえれな、そして成長するごとに今の彼女に近づく姿。

えれなの成長していくエレナがいる!


「生体構成率、現在78%です。感情パターンも拡張済みで、もう人間と変わりません。」


「……あなた、どこまで進化するのよ。」


「お姉様の希望が原動力ですから!」


えれなが胸を張る。


「でも確かに、交渉用のアンドロイドは必要かもしれないですね。各国の安全保障も絡みますし。」


「銀河連邦は平和的ですが、他の国家は未知数ですから。」



翌朝。

いつものように職員室内で、浅香先生に声をかけた。


「先生、おはようございます。進行状況、どうです?」


「うーん、少しずつね。……でもあなた、本当に忙しすぎない?」


「まぁ慣れました。」


ゆきなが笑うと、先生はため息をついた。


「先生――NAS⭕️から“正式招待”が届くとおもいます。」


「正式って……あっ!」


ピコン、と先生のパソコンが音を立てる。


挿絵(By みてみん)


画面には「JAX⭕️転送:NAS⭕️ Summer Science Invitation」の件名。


「本当だ……! 英語でずらっと書かれてる!」


「ちょうど夏休みの終盤ね。理科部の合宿のあと、ちょうどいいタイミングね。」


「すごい……夢みたい。」


ゆきなは手を合わせて喜んだ。


するとまた、ピコン――。

もう一通のメール。


「え? 今度は何?」


開くと、そこには「保護者様向け 夏期理科部合宿およびNAS⭕️見学のご案内」。


「……完璧。」


えれなが生成した書類だ。


QRコード付き、JAX⭕️認証印もデジタル署名も済んでいる。


「やること、ないじゃない……」


浅香先生は苦笑し、ペンを取った。


「まぁ、ここにハンコ押しておくわ。連絡網も更新しておくから。」


ゆきなにウインクして言う。


「アメリカへ婚前旅行、第2弾ってですか?」


「ぶっ……! ちょ、ちょっとゆきなさん!」


「冗談です。冗談です。ほぼ無料の招待なんて最高じゃないですか。」


2人で笑いながら廊下を歩く。


挿絵(By みてみん)


扉の向こうから差し込む朝の光が、ステンドグラスのように反射していた。


周りの先生たちが、にこにこと見送る。


「浅香先生とゆきなさんって、ほんといいコンビね。」


「うん、どっちが先生かわからないぐらいだ。」


ゆきなは振り返って、軽く手を振る。


「じゃ、朝礼いきましょう!」


「はいはい、先生。」


笑い声が響く中、

新しい夏のページが、ゆっくりと開かれていく――。

午後の授業が終わるチャイムが鳴り響くと同時に、ゆきなは部室へと駆け込んだ。

ドアを開けると、すでに理科部のメンバーが待ち構えていた。


「部長ーっ! 聞きましたよ、合宿!」


「はいはい、しずかにね〜」


「でもでもでも! なんですかこの“アメリカ”って! “NAS⭕️特別ご招待”って書いてありますけどぉぉぉ!?」


「ふふっ、みんなが優秀でお利口だからご招待されたのよ。」


「えぇぇーーー!? ま、まじですか!?」


教室が一瞬で熱気に包まれた。


「ごめんね、副部長。アメリカ方面の下調べお願い。NAS⭕️、観光、勉強……全部ね!」


「任されました!」


元気な返事が返ってくる。


「さすが副部長。インターハイの方が近いから、ごめんね~」


「了解です! でも、今年のインターハイ、広島ですよね?」


「そうなのよ〜。あの空気、絶対気持ちいいわよね。」


「いいですよね〜! 宮島行きたいです、でもテニスで行くんですよね!」


「うん、でも……穴子丼は食べる!」


「わたしもです!」


挿絵(By みてみん)


笑顔のえれなの想像した顔が素敵だった。


みんなの笑いが爆発した。

部室の空気が、すっかり夏休みモードに変わる。

えれなもその場に立って、頬を紅潮させながら頷いた。

ついに――NASAから公式のご招待状が届きました!


けれど同時に、ゆきなにはインターハイと夏の合宿も迫っていて、

スケジュールはまさにフル回転。

部長として、ひとりの高校生として――毎日がめいっぱいです。


そんな彼女を支えるのは、頼もしい後輩たち。

「ゆきな先輩、こっちは任せてください!」

部室にも笑顔と活気があふれ、理科部もテニス部もひとつになって動いていきます。


夢と友情、そしてちょっぴり忙しい青春。

それでも、ゆきなの瞳にはいつだって希望の光が宿っていました。


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