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お母さんとえれなと中等部編入計画 15

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

帰宅後のひととき


「疲れたーっ」

帰り着いて、二人でぐったりしていると――


「おかえり〜♪」と、エレナとお母さんが仲良く迎えてくれる。


「パイ焼けてるけど、お茶しないかい?」


「エレナ、楽しかった?」


「はいっ!もう、小麦さんとバターさんでこんなものができるなんて…最高ですっ♪」


ふと見ると、とてもきれいに焼きあがったパイがテーブルに置かれていた。


挿絵(By みてみん)


「えれなちゃんって、気がきくのよ〜。

次に何が欲しいか、言わなくても分かっちゃうの。すぐにサッと出してきてね。

…ほんと、親子って感じがするわ〜」


「なんとかお金のめども立ったし、エレナもうちにすっかり馴染んでくれたし…お母さんもすんなり受け入れてくれて、ほんと嬉しいなあ」


私はそうつぶやきながら、リビングでごろーんと横になっていた。そのとき──


「……って、あれ? エレナ、スマホ持ってる!?」


「はい、お母様が……お買い物ついでにご購入いただきました」

にこっと笑うエレナ。


「甘いわ〜、うちのお母さん……!」

私が思わず頭を抱えると、向こうのキッチンから「いいじゃない、可愛い子なんだから」と楽しそうな声。


その夜、エレナと二人で部屋にこもりながら──


「来週末、倉庫構想の打ち合わせね。私も考えておくわ」


「はい、艦長。ご提案図面も何案かまとめておきます」



翌週。みんなでのJAX⭕️見学まとめのはずが、まさかの展開。


「えれなちゃんってさ、どこの中学?」「え、学校行ってないって聞いたけど?」「えーうそ、じゃあ今どうしてるの?」


部活が始まっても、えれなの話でもちきりで、まともに活動にならない。ついに先生がバシッと手を打った。


「もういいわ! 来月、冬休み前に合宿ですからね!」


「わーい! 星空見放題! 夜通しだー!」


「え、エレナちゃんも来るの?」

「いやいや、中学生は来れないでしょ」


「でもうち、中等部あるし……」「編入させろってこと!? って誰よそれ言い出したの!」


私だった。


「えれな、夜に作戦会議するわよ!」



その夜、先生に直談判。


「先生、もしかして……この時期、ギリギリではありますが、中学編入って可能ですか?」


「……可能は可能だけど、別ルートになるから、入学金とかも個別よ?」


「実はえれな、大きな病気で長い間入院してて、ずっと学校に行けなかったんです。今年ようやく安定してきて、今はほぼ完治と言われています」


「そうなのね……じゃあ診断書とか提出ね。それと編入試験は厳しいわよ。全教科、しかも2回ずつ。成績ははっきり出るわよ?」


「そこは大丈夫です。勉強しかしてこなかったので……たぶん私より上です」


「えっ、ゆきなさんより? ……それはすごいわね」



その日の夜、お父さんも交えてゆきなの部屋で作戦会議。


「なるほどなぁ……やれなくはないけど、動くなら早いほうがいいか」


「で、エレナ。ネット上の情報、どこまで回覧できてる?」


「はい、セキュリティの除外対象を除き、回覧は完了しております」


「よし。今回だけは特別案件。国の出生記録から、病院の出産・入院履歴、小学校の在籍歴、中学の仮在籍、健康保険の医療履歴、保健所の届け出、私たち家族の戸籍修正……これ全部許可するわ。可能?」


《はい。既に構造としては準備できております。申請用データにまとめて許可さえ頂ければ可能です》


「さすが。私たちのエレナ」


「はい、お姉ちゃん。みなさんのおかげです」


夜の雨音の中、小さな希望がまたひとつ、大きな光になって広がっていくのだった。


準備完了致しました。

「もしもの事態に備え、6カ国経由で全接続、完了しました。艦長、副艦長、ご確認ください。突破してよろしいですか?」


エレナの落ち着いた声が時計から届く。私は頷いて、


「あ、国関係のとこは……見せかけでハッキングさせといて、横からサクッと入れない?」


「了解いたしました。その間に注意をそちらへ誘導し、別経路からの侵入を行います」


「うん、あとは許可するわ」


「こちらも許可する」

お父さんも少し緊張した声で返事をする。


「暗号化解析シーケンス、スタート。引っかかるように罠を張りつつ、表ではわざと少し押されるようにシミュレートします。お姉様……制御を一時的に解除してもよろしいですか? リソース20%ほど増加します」


「いいわ、布団に入って。エネルギー安定させて」


「感謝いたします」


そう言ってエレナは静かに布団にもぐり込み、外見的には眠っているように見える。稼働の様子は時計のインターフェースだけに現れている。


「融合炉出力、上昇開始。計算リミット解除。すべて同時進行にてフルスタート」


数秒後、壁のディスプレイにシステムの進行状況が映し出される。


「現在、病院・産婦人科などの履歴確認、順次完了……戸籍関係、地方自治体連携、完了。国関連……やはりここが難関です」


進捗バーがじわじわと伸びる。

そのとき、エレナの声がやや緊迫する。


「攻防を続けていましたが……あちらが急に優勢に。別ルートで介入があった模様です。……一瞬、“富”の文字が見えました。おそらくスーパーコンピュータ関連です。どこかで国防機関が介入しています」


「……ほんと、日本の技術力ってすごいわね。ここに来て一致団結を感じるとは」


「こちらは予定通り、引いていきます。仕掛けを外して撤退。完了しました」


緊張がすっと緩み、ディスプレイには「すべての必要情報変更済」と表示されていた。


「お父さん、保険証とかは明日再発行申請に行けば間に合うはずです」


「わかった、明日行ってくる。ありがとうな、エレナ、そして……作戦参謀の君たちにも」


「ふふ、では次は……入試作戦ね。ね、エレナ?」


「はい、艦長。準備は万端です」


15話目・・・どこまで連続続けよう

ブックマーク評価感想をおねがいします・・

どうしよう宇宙船みたいなものがが出るまでは書かないといけない気もしてきた。

いるよね・・ いるよね 入りますよね がんばろう

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