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崖が崩れたらそこは宇宙ステーション♪  作者: Sukiza Selbi


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143/178

★★銀河から届く手紙★★ ― 封書に込めた願い ― 143 総合評価500記念

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

途中で切りたくなくて…少し長めにお楽しみください!

― 明日のための夜 ―


家に帰ると、台所では母がるんるんと鼻歌交じりで夕食を準備していた。


「明日から試合でしょ? お弁当もあるし、早起きしなきゃ!」


嬉しそうな母の声に、胸が温かくなる。お風呂は転送で近くの大浴場へ。湯気の中で軽く体をほぐし、戻ると香ばしいハンバーグの香りが迎えてくれた。


「わぁ、美味しそう!」


夕食を終え、明日のウェアとラケットを確認してから、布団に潜り込んだ。すぐに、まぶたが重くなる。



翌朝。軽く練習を終えた選手たちは、それぞれの試合会場へ向かった。


挿絵(By みてみん)


試合が始まると、順調に勝ち進む仲間たちの姿が次々と報告されていく。3回戦では、えれなが同級生と当たる場面も。全力で挑んだその同級生に、えれなは試合後にしっかりと握手を交わした。


「頑張ったね。来年は、私と並んで戦ってね」


1日目の結果は予想通り。部長、ゆきな、えれな、そして中村さんが勝ち残った。


2日目は応援組も合流し、声援が飛び交う中で熱戦が続く。5回戦では中村さんがライバル校に惜敗し、悔し涙をこらえる姿に胸が締めつけられた。


そして迎えた準々決勝。


「負けませんからね、部長!」


「こっちこそ!」


ゆきなと部長が正面からぶつかる。好ゲームの末、わずかに部長が勝利する。


「くっそー……でも、部長、優勝はお願いしますよ!」


「任せて! でも、まだ終わってないでしょ。6位までが出場権だって、2名勝ち残ればいいのよ!」


5・6位決定戦で、ゆきなは全勝し見事5位に輝いた。


優勝戦は部長とえれなの対決。これまでの校内戦績は部長22勝、えれな2勝という圧倒的な差。それでも、えれなは食らいつき、かつてない熱戦を演じた。


「くぅ……やっぱり部長、強すぎです!」


「でも、今までで一番いい試合だったわよ。気持ちが、すごく乗ってた」



その夜、種子島宇宙センター。


夜10時を過ぎた頃、冷気が霧のように消えるドライアイス室。その奥にあるヘリウムボンベ室が開けられた。JAX⭕️施設長と共に暗証コードを入力した諸星は、目の前の光景に言葉を失った。


「これは……っ!」


いつもより大きいボンベ。そして、銀河連邦の重厚な押印が刻まれた、封印付きの手紙。


宛名はこう記されていた。


天の川銀河 太陽系第三惑星地球 日本国代表者様


「……急いで理事長に連絡だ…」


緊急内線で理事長に連絡、そして副大臣佐々〇へ、ついには総理大臣官邸にまで情報が届く。総理は静かに言った。


「陛下にも伝えなさい。各国には、まだ漏れていわね?」


「はい。今から15分前の出来事です」


「防衛大臣、統合幕僚長を呼びなさい。第一緊急要件よ!」


そして、自衛隊に極秘命令が下された。


「明朝までに、この封書を最重要機密として輸送せよ。中身は……機密」



その頃、種子島宇宙センターでは予備ヘリウム保管庫に封書が格納され、強固なロックが施された。


「あと13分でF-35Bが着陸します」


挿絵(By みてみん)


エレベーターで地上に上がると、待っていたのは全身に威厳をまとうエースパイロットだった。


「総理の命令により受け取りに参上しました」


彼の背後には、F-15の4編隊、F-35Aの2機、そして今止まっているF-35Bが2機。強力な護衛編隊が夜空に飛んでいた。


封書は厳重に手渡され、戦闘機は轟音と共に夜空へ舞い上がる。


挿絵(By みてみん)


ダイヤモンド編隊の中心に封書を運ぶF-35が守られ、途中でF-35Bが空中給油を受けながら一路、厚木基地へ。


挿絵(By みてみん)


着陸したその瞬間から、日本各地世界の情報網がざわつきはじめる。


「……日本で、何かが始まっている」


政府専用車と護衛が発進し、やがて囮の車列には妨害も入る――だが、それもすべて計算済みだった。


本物の任務は、まだ誰にも知られていない。


― 封印の開示と、神の映像 ―


米軍基地の滑走路に、低い音を響かせながら一機の巨大な専用機が停止していた。

大統領専用機ヘリコプター―エアフォースワン。だが、今回その主となる人物はまだ現れていない。


その前に静かに降り立っていたのは、日本からの要請を受け、密命を帯びて飛来したエースパイロットだった。彼は、極秘に搬送された密封文書をその手に持ち、大統領のシートに腰を下ろしていた。


彼の搭乗を確認するかのように、自衛隊のアパッチ数機が静かに並び、滑走路を睨む。その様子を総理大臣は永田町でモニター越しに見つめ、呟く。


「米国にヘリ等頼ったのは…初めてかもしれないわ」


緊急事態としての国際連携は異例であった。だが、これは“信頼の証”でもある。

この作戦は、誰も口にはしないが、歴史に刻まれる一幕となることは間違いなかった。


そのまま大統領用ヘリは、特別ルートで永田町へ向かう。

日本国政府の中心――総理大臣官邸の庭のヘリポート。これまで一度も使われたことのなかったこの場所が、ついに初の利用機会を迎えた。


挿絵(By みてみん)


静かに降り立つヘリ。その中から荷を携えたパイロットが降り立つと、すぐさま防衛大臣と総理大臣が迎えに出た。

統合幕僚長の手に確かに引き渡されたその密書。


「ご苦労だった。日本の未来は、君の勇気に支えられている」


総理の手が強く握られ、敬礼を交わしたのち、彼は静かに任務を終えて去っていった。



やがて――


陛下のもとへ向かう一行が動き出す。

練馬駐屯地からは千人規模の護衛が動き、総理専用車の周囲には装甲車が並ぶ。ルートは最短。目的地は――皇居、桔梗門。


その道中、道の両脇には騎馬隊が列をなし、威風堂々とした警備が施されていた。

桔梗門を抜けた瞬間、防衛大臣、文部科学大臣、そして総理の三名は、ほんの一瞬だけその表情を緩めた。


「……なんとか、ここまでは」


迎えたのは、普段なら一般人が立ち入ることもない、皇居の奥深き祈りの場。


すでに陛下は朝から舞を捧げ、世界の平和を祈願されていたという。

荘厳なその姿に、一行は思わず言葉を飲んだ。


奥へ進むことは許されず、入り口に設けられた特設のテーブルと椅子に四名が着座。

空気は凍てつくような緊張に包まれていた。


「ご連絡の通り、本件は日本のみならず、世界に関わる重要案件と推測されます。陛下の御臨席のもと、開封をお願いいたします」


文部科学大臣が深く一礼し、ゆっくりとパスワード入力を始める。


「ピポ……ガシャ」


重厚な音を立てて金属ケースが開かれる。

中には、厚みのある封書と、重厚な蜜蝋で封印された銀河連邦の紋章が、まるで時間を止めたかのように静かに佇んでいた。


誰も口を開かぬまま、密蝋が慎重に剥がされていく。

そして、封書が広げられた――その瞬間だった。


空間が光に包まれ、まるで神話の中の神が語りかけてくるような映像が浮かび上がる。

立体的に投影された銀河図、流れる古代語のような音、映像に込められた緊迫したメッセージ。


四人は無言のまま、それを見つめ、内容を確認していった。


「これは……」


「我々が、想像していた以上ですね」


「……この時代に、こんなことが……」


誰もが口にしたくてできない“意味”が、静かに、しかし確実に彼らの心を撃っていた。

未来を揺るがすその封書――日本は、今まさに“物語の中心”に立たされようとしていた。

ついに――銀河連邦からの封書が、陛下の御前に届けられました。

静まり返るかしこどころに、重厚な封蝋がそっと割られる音が響きます。


その中に記されていたのは、果たしてどのような内容だったのか。

ゆきなたちの運命、そして地球と銀河をつなぐ未来を左右する、重大な知らせかもしれません。


すべては、次の物語へ――。

どうぞお楽しみに。


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