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JAX⭕️の回答 14

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

6時半、ぱちっと目を開ける。

「むくっ」と音がするように、静かに起き上がるエレナ。


「もう起きますか?」


私が声をかけると、うんと頷いて布団をたたむ。

「じゃあ、雨の日のいいこと教えてあげるね」


まだ少し眠そうな顔でついてくるエレナに、

「おーかーさーん、何がいいー?」と廊下越しに呼ぶ。


「ナッツ入りー!」

「了解。おとーさんはー?」

「カレーがいいなー」

「わかったー!」


キッチンからお母さんの声が返ってきて、朝の家は賑やか。


「はい、これに着替えましょう」

エレナに制服じゃないお気に入りのワンピースを渡して、私は傘を1本持って玄関に向かう。


「いってきまーす!」


雨の中、ふたりで並んで傘をさす。

しっとりした空気に、足元の水たまりがキラキラしている。


通りすがりの商店の人たちが

「おはよー」と声をかけてくれて、

「おはようございますっ」とエレナも元気よく返す。


「今日はポテト食べてないね〜」

「……?」

この前は朝マックだったもんねと、小さく笑う。


たどり着いたのは、駅前のパン屋さん。

ガラガラっとドアを開けると、ふわっと香ばしい匂い。


「いい香り……」

「ここね、溶岩の窯で焼いてるの。めっちゃ美味しいのよ!」


るんるんで店内を回って、

「さて、エレナ何にする?」と聞くと、

少し考えて、トングで取ったのは——


「……クリームパンと、メロンパン!」

「うん、いいチョイス〜!」


挿絵(By みてみん)


いつも通りバゲットも紙袋に入れてもらって、手提げにポン。

また傘を開いて、るんるんで帰り道。


挿絵(By みてみん)


家に帰ると、もうコーヒーの香りがしてる。

食卓にはちぎったレタスとミニトマトのサラダ、湯気の立つスープ。


「じゃあ朝ごはん、いただきましょうか」


「「いただきますっ!」」


休日の、ちょっとだけ特別な雨の朝。

パンの甘い香りと、温かい家族の声が、心まで満たしてくれた。


「お母さん、今日はエレナ置いていくから、よろしくねー」

「はーい」


朝食を食べ終えると、私はJAX⭕️へ向かった。

移動に少し時間がかかったけど、予定よりも早めに到着。警備員さんに声をかけるとすぐに連絡してくれて、そのまま中へ通された。


先方も少し慌てた様子で出迎えてくれる。

「すみません、少し早く着いてしまって」

そう言うと、部屋に案内された。


中には、3人の人物と、佐々木さんの姿。

「日曜日にお越しいただいて申し訳ありません」

「いえ、こちらこそ、こんなに早く対応いただいてありがとうございます」

「どうぞ、おかけください」


「エレナ、聞こえてる?」

「はい、ばっちりですー!文字もちゃんと出てます!」



「急なお願いにもかかわらず、お越しいただきありがとうございます。

ご紹介します」


「JAX⭕️ 理事長の山⭕️です」

「新エンジン開発統括責任者の諸星です」

「NAS⭕️ テクニカルマネージャーのジャックです」

 「はーい〜!」とジャックが陽気に手を挙げる。

「そして私、佐々木です」


挿絵(By みてみん)


「今回の件は、国家レベルの重要案件であることをご理解ください。

まずはこちらをご確認ください」


— そう言って渡されたのは、ヘリウム3の鑑定書。

JAX⭕️とNAS⭕️両方の押印があり、正式な計量証明もついていた。


「えっ、NAS⭕️も!?」


「はい、この試験用には、予定よりも多くのヘリウム3が入っていました。

品質も非常に素晴らしく、本当にありがとうございます」


「この図面も素晴らしいねえ〜」と、ジャックが語り出す。

「地道だけど確実。長い年月のたまものだよ。

これほどの高濃度、試験用としても半分ずついただきました」



価格と契約の提案


「では、これから交渉に入ります」


「今回のサンプル、カセットコンロ用のガス缶で2本分と聞いています。

この量を得るには、レゴリスを1tほど採取しないと難しいか、もしくはさらに多く必要になる可能性もあります」


「そう考えると、1本あたりいくらの価値があるのか…

ロケット往復で50億円かかる補給計画も視野に入れて…」


「JAX⭕️とNAS⭕️で1本ずつ、**非課税で2億円(140万ドル)**で買い取りたい。

中身が予定より多い場合は、追加でお支払いします」



特許に関する要望


「それと、ひとつご相談です。

この特許は非公開特許としたいと考えています。

その上で、毎月の使用料も支払います。

契約期間は、まずは20年間、両国と個別に契約したい」


「わかりました。

国のお役に立てるのなら、使用料や条件については妥当な形で。お任せします。

両国に専用の口座も開設をお願いします」


「ありがとうございます。

ただし、もしもこの件が他国や他勢力に知られた場合の保護、

そして、何かあったときに相談できる立場もお願いしたいのですが」


「もちろんです。

両組織を挙げて、できる限りあなた方をお守りいたします」


―――


その後、用意された契約書3部に、順番に署名を行った。


「では最後に、こちらを」

机の上に、IDカードが4枚並べられる。


「いつでもお越しいただけるよう、2名様を非常勤職員として

JAX⭕️・NAS⭕️の両方に登録させていただきました。

どうぞご活用ください支払いの口実とも言います。」


挿絵(By みてみん)


時計の端末にぽちぽちとデータを入力していくと…


「エレナ、私のバッグに2本、転送して」


「了解です」


「実は、すでに今日持ってきておりました。

信用していますので、そのままお渡しします」


―――


ゆきなは2本のカセットをバッグから取り出し、

一本ずつ、JAX◎ NAS◎一人づつに丁寧に手渡していった。


交渉は円満に完了。

価格が本当に妥当だったかは分からないけど、

とりあえず「上手くいったねー」と笑顔で車へ向かった。



帰り道の車中にて


「エレナ、ちょっと聞いて。実はね…」

「はい、お姉様」


「山の倉庫、あれ私、おじいちゃんの遺言で引き継いでるの。

だから今回の資金で、ちゃんと整備して、**でっかい保管倉庫にしようと思うの」


「ネット発注でそこに物資を届けてもらえれば、転送で回収できるでしょ?」


「できます。そういう構想でしたら、構築しておきますね」


「よろしく頼むわ〜」



「お父さん、上手くいったねー。

これで月々の使用料も入るし、お母さん喜ぶよねー」


「…いや、ちょっと多すぎるかもしれんけどな〜笑」



14話目・・・どこまで続けよう

ブックマーク評価感想をおねがいします・・

どうしよう宇宙船風が出るまでは書かないといけない気もしてきた。

いるよね・・ いるよね

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