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ゆきなの再開発構想 118

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

― 星を後にして ―


「では……えれな、行きましょうか」


「はい。もし何かあれば、連絡ください。こちらが行けなくても、船だけでも救援を送ることが可能です」


「わかりました」


シーザーとシルティが深く頭を下げた。


「では、**ハナフライムα、転送」」


艦のコクピットに乗り込むと、ゆきなが静かに目を閉じる。


挿絵(By みてみん)


艦は滑るように浮上し、地球の月の裏側で分離体制へ入る。


「……なんだかまだ2日しか経ってないなんて信じられないわ」


「濃すぎる2日間ですね」

えれなが小さく笑う。


「明日、1日だけお休みで本当によかった……」


窓の外に広がる星々を見つめながら、ゆきなは小さくつぶやいた。


― 星の旅のあとに ―


夜、ハナフライムから帰還した2人は、まっすぐお風呂へ。

湯気の立つ洗い場にいたのは——


「ただいま、お母さん」


「あらあら……道楽娘が2人、おかえりなさい」


「えへへー」


右からゆきな、左からえれなが**「ぎゅーっ」**と抱きつく。


「こらこら、お子ちゃまに逆戻り?」


「ううん……」


ゆきなはそっと目を閉じる。


「……お母さん、ありがとう」


「え、なにいきなり。改まっちゃって」


そう言いつつ、母の表情はどこか嬉しそうだった。


お風呂のあと、父にもハグ。


「お父さん、ありがとう!」


「もう……高校三年と一年の娘がなにやってるんだか」


苦笑しながらも、頭をなでなでしてくれる父の手は、どこか懐かしく温かかった。



― わたしたちの「当たり前」 ―


夜、ベッドで。


「……うちって、素敵ですね」


えれながぽつりと呟く。


「当たり前よっ」


ゆきなが、誇らしげに笑った。


翌朝。

昨日までの濃密な活動が嘘のように、2人はいつものテニスコートに立っていた。


「おじちゃーん、やろーっ!」


「お〜、パン焼き始めるまでな〜!」

軽快にラケットを振るおじちゃん。そこへ父も合流。


挿絵(By みてみん)


「よし、久々に腕が鳴るな」

和気あいあいとラリーが続き、気づけば朝はあっという間に過ぎていった。


帰り道、いつものパン屋へ。


「……あっ」


えれなが指差した先には、**「えれな優勝記念パン」**のポスター。

カラフルな文字に、可愛く並んだパンたち——そして、その横には新たな張り紙が。


「地元テニス応援団体 設立!」


「支援団体って……!」


「今年は行くんだろ?全国大会」


いつの間にか背後にいたのは商店街の会長さん。


「まだ始まってもいないのに〜!プレッシャーがっ」


「欲しいときには無いのが常。先に用意するのが商売ってもんだ」


ウインクする会長。商店街での応援募集中の文字が、心強く輝いていた。



家に戻ったゆきなは、ふと天井を見上げて言った。


「えれな、ステーションのホログラムシュミレーション室、お願い」


「はい。珍しいですね、何を展開しますか?」


「新入生アトランティス体験会よ」


ゆきなが、少しだけ悪戯っぽく笑う。


「ユリアとエリオットの救助任務をそのまま使えると思うの。映像と音声、全部ね」


「了解です。救助活動は記録されていますので、リアル再現可能です」


「そこまでは“同じ”でいいの。問題は帰り道」


「ふふっ、そこは秘密、ですよね」


「当然!トラブルは予告しないから楽しいのよ」



「あとね、えれな……この紙、見てくれる?」


ゆきなが机から1枚の紙を広げた。

それは——なぶり書きのような空き地利用計画図。


「うわ……すごいっ……!空き地計画ですか?」


「ふふん♪ 自信満々なのよ、これは」


何が描かれているのか、少し分かりにくいスケッチ。

でもそこに宿っていたのは、夢と情熱と、誰かの未来だった。


えれなは思った。


「お姉様ってやっぱり……すごい!」


【新基地計画:総合概要】~未来の平和を担う地下拠点~


■ 第一章:ゆきな艦長の決意


「思いっきり作り直すわよ」


新たな拠点の青写真を前に、ゆきな艦長は静かに口を開いた。その眼差しは真っ直ぐ未来を見据えていた。

「メンテナンスデッキは、全部この土地の下に持ってくるわ。地上は開閉機構付きで、200m級新型開発艦もそのまま開発できる構造にするわよ」


「もうあんな思いはこりごりこれでもかってものを」


妹のエレナが目を丸くする。


「お姉様……大胆ですね・・・なにこのすごいイメージ図」


挿絵(By みてみん)



その絵を見た瞬間びっくりすると同時にすごい想像力に感心しその大胆さの中にあるのは、無駄を嫌う効率と、戦いを未然に防ぐ平和への祈りだった。



■ 第二章:地下構造と施設群


地下全体レイアウト(断面案)

1.中央メンテナンスデッキ

 - 巨大リフトによって地上開放可能。

 - 新型200m級艦の設計・組立対応。

2.右翼:融合炉開発施設

 - 次世代エネルギー核融合炉(リンク対応)

 - 宇宙船・防衛衛星へのエネルギー供給ライン

3.左翼:緊急防衛ステーション(地球ステルス衛星連動)

 - 非常時、全上部が爆発解放モードで稼働

 - 上空200mの塔に出力砲を搭載

 - 月のステルス衛星とリンク → 360度砲撃反射可能



■ 第三章:精密コンピュータ開発フロア


「大浴場はそのままに、他を“精密コンピュータ開発デッキ”にするわよ」


•現在のエレナ中央コンピュータを1/10サイズで再設計目標

•ハナフライム級新型艦に搭載予定

•将来的には相手艦のコンピューターへのリモート侵入/制御奪取も想定

•開発目標:現行司令室コンピュータの5倍性能


計画には可愛い妹AI「エレナ2号/3号」の育成も含む

 → 妹たちが、艦内のコンシェルジュ兼、防衛AIに



■ 第四章:地上施設群と利活用案

1.テニスコート/バスケットコート(クラブ交流用)

2.理科部望遠施設(本格天体観測ドーム)

3.地下直通エレベーター付きプライベートルーム

 - ゆきな・エレナの専用個室

 - 個別ロック・緊急転送装置付き

4.合宿所(最大30名収容)

5.カフェテラス(訪問者/研究員/部員用)



■ 第五章:全体戦略と今後の目標

•エクシア勢力は縮小傾向、だが宇宙は無限

•ニャーん族方面(未開拓領域)の防衛強化を視野に

•地球全体シールドの構築へ:融合炉リンク型ステルス衛星の同期設計


「無償で平和を担う施設よ。最悪、地球の戦争にも介入できるように——」



ゆきなは、ついに宇宙ステーションの再開発という壮大な計画に挑み始めました。

えれなもまた、ゆきな無茶ぶりにより自分のコンピューターを小型化するという未来を切り拓く研究を始めます。


そして、地球を守るための新たな防衛構想も動き出し、物語はますますスケールを広げていきます。

まだ見ぬ出会い、未知の発見、そして胸を高鳴らせる数々の冒険が待っているはずです。

これからのゆきなとえれなの活躍に、どうぞご期待ください!

評価もぜひお願いします!

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