星雲の罠 ハナフライム戦闘開始・・・ 110
とある家族の女子高生 と AI
宇宙ステーションの日常を描いた物語
― 星雲の罠 ―
「原因、判明しました。艦長」
緊張感が走るブリッジ。えれなが冷静に報告を続ける。
「最初の作戦会議の際、霧状重力波の報告がありました。あれが……どうやら、星雲化だった模様です」
艦内モニターに映し出される立体星図。
緑のルートが、まるで吸い込まれるように“ある一点”へ向かっている。
「我々は……完全に誘導されていたようです。最初にスピードダウンが発生した箇所、そこを再び通過しようとしたとき――」
⸻
― ロックオン警報 ―
ビビーーーーービビーーーーービビーーーーー
― ロックオン警報 ―
ビビーーーーービビーーーーービビーーーーー
緊急アラートが艦内に鳴り響いた。
「ロックオン警報! 惑星内部から大型艦が複数出現!」
「主砲の照準線が……線状にこちらを囲っています! どんどん出てきます!」
「最大星雲との衝突まであと10秒! ワープ速度、0.3まで低下!」
「このままじゃ……追いつかれる!」
「えれな、もう撃ってきてるわよ。戦略モード解除。戦闘モードへ移行!」
「戦闘モード、起動! 観測データ、大型艦107隻確認!」
「全融合炉フル出力! シールド最大展開!」
「主砲、連写拡散モードで全体にダメージを与えるわ!」
「撃てーーーーー!!!」
――戦闘指令がブリッジ全体に響く。
「第二・第三ブリッジ、自由射撃許可!」
「第2主砲・第3主砲、敵艦に向けて任意射撃を開始!」
⸻
「艦長! 30隻にロックオンされました! 敵主砲、発射されます!」
ドガーーーーーーーン!!!
「……シールド、……93%まで低下!」
「えれな、出るわよ!」
「えっ!? お姉様!? お願いですからシールドの外には出ないでください!」
「オプションパーツ、二つ持っていくわ。この状況、打ち破るにはそれしかないのよ」
疾走しながら、ゆきなは腕元のボタンを緩めてボタンを強く押す。
カシャンッ――!
制服が光に包まれ、瞬時にパイロットスーツへと変わる。
格納庫の扉が自動的に開き、待ち構えていたのはゆきな専用の高機動ユニット。
そこへ、通信回線が開かれる。
「01起動――ゆきな様、おはようございます。緊急モードで起動いたします」
ゆきなは駆け込みながら飛び乗る。
「攻撃モード、オプションパーツ:大型出力砲、2台装備。融合炉は使い切る覚悟で!」
「臨界出力、起動! リンク率……98.3%」
深呼吸――そして、叫ぶ。
「出るわっ!」
「はい。後部開放――どうぞ!」
高エネルギー放射とともに、ブリッジ外へ飛び出すゆきなの機体。
その砲口は、彼女の意思と同調するかのように107隻の敵艦群へ向けて光を帯びていた。
星雲の中心――重力の渦と主砲の雨が交差する中。
果たしてこの強襲を突破できるのか不安しか無い中
「私が出るしかないのよ――ここは、守るしかない場所なの」
― 星雲戦線・臨界突破 ―
「発進!」
重力波に満ちた星雲の中で、パワードスーツを纏ったゆきな艦長が光の軌跡を引いて飛び出す。
「大型出力砲、2台起動完了!」
「臨界融合炉、全出力100%到達!」
空間が震える。
「えれな、今のままだとジリ貧よ――出し惜しみなし!」
「了解しました。左右の特異点6ミサイル、装填・発射準備!」
「――全周囲、発射開始!」
― 特異点弾頭、戦場を裂く ―
左右の発射口から時空を歪める光が広がる。
**ミサイル「特異点6」**が周囲を護るように展開され、20個の対特異点場が敵と艦隊の間に出現。
その瞬間、敵大型艦から放たれた主砲の一部が重力波に乱されて軌道逸脱。
「現在、前方のみシールド強化に切り替え!」
「敵艦、20隻轟沈確認!」
「出力砲、パワードスーツ直結回路構築――モニターリンク完了!」
艦長の眼前に広がる戦況マップ、直感と意思をシステムが補完し――
「主砲、連射モード起動!」
パァァァァン――!!!
広範囲に波状する粒子光。
効率的かつ正確な攻撃で、次々と敵艦を破壊していくゆきなの一撃。
「107隻、沈黙確認……!」
と思ったその時――
「ロックオン警報!!!」
えれなの声が震える。
「どこから……!? 重力波に隠れていた艦影と推測されます!」
モニターに表示される数値。
「……現在、1028隻の大型艦、確認。」
「……なんですって……!」
― 一斉迎撃 ―
「えれな、小型ミサイル特異点0.5型でチャフ散布。全周囲発射!」
「了解しました! 全弾、360度展開で撃ち切ります!」
「ハナフライム主砲も拡散モード、360度対応で発射!」
「パワードスーツ、大型主砲を180度回転モードへ――発射!!」
ドッガァァァン!!!
敵の前列が一撃で130隻沈黙。
「敵主砲、発射……720隻同時弾着!」
どおおおおおん――!! 側面の特異点ブラックホールで側面は吸収されるものの前方はすごい数に主砲が到達する。
空間そのものが揺れる。
機体はきしみ、警報が響く。
「……シールド、72%……第2波来ます!」
「シールド……43%まで低下!」
― 臨界突破・融合起動 ―
「えれな行くわよ……ゆきな艦長、臨界融合炉**突破稼働、承認を」
「……えれな……黙ってないで、承認しなさい!」
「……すみません。えれな、承認します」
「ハナフライム、全融合モードへ! 出力128%!」
「シールド強化構造展開――起動!」
「ユリアさん、エリオットさん――連写発射を許可します!」
艦隊の全力が解放された瞬間、星雲の中心に希望の閃光が走る。
「……敵艦、半数以上撃破!」
「シールド、計算上あと15分は保てます!」
― 計算開始・ハナフライム連結制御 ―
「えれな、効率的な攻撃ルートを算出して!」
「了解――ハナフライム、連結攻撃計算開始!」
えれなのコクピットが埋まっていく――脳波接続・リンク完了
「最高演算モード、起動!」
「全体順位、照合完了。ランダム攻撃アルゴリズム起動――開始!」
「お姉様、リンクします。赤いマークを優先で撃ってください!」
「わかったわ――合わせるわよ!」
⸻
― 一時勝利と、新たな脅威 ―
「すっ……すごい……」
各隊員が震える。視界には爆散していく無数の敵艦。
「……ギリギリの状態ですが、およそ1000隻を撃墜!」
歓喜と安堵が、ブリッジを包もうとした――その時。
「……第3波、確認」
「大型艦、2200隻超。」
「……うそ……」
⸻
― 絶望の先へ ―
ゆきなの目が、静かに細められる。
「これは…殲滅戦だわ・・・蜂みたいな戦い方・・」
えれなが声を震わせながら言う。
「全艦、まだ戦える状態にありますが……」
「でもこの数……普通なら勝てる戦力じゃない」
「――でも、私たちは普通じゃないわ」
静かな笑みの中、パワードスーツの冷却コイルが音を立てる。
「ここで止めなければ、未来が止まるのよ」
まだ希望を持っていますが残り2200隻
特異ミサイルは残0小型ミサイル残0・・・・・ゆきな・・えれな死んだら
物語が終わるんですよ・・・何とかしてください。
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