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未来の宇宙の平和を願い作戦開始 108

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

(壮大な作戦開始まであと0話) 

夜、星の中

山岳リゾートロッジにて


その日の夜。

ディナーの約束をしていた、ユリアとエリオットの元をゆきなとえれなが訪れる。


「お二人、どうでした? 星での休暇は」


「最高だったわ。ほんと、どこに行っても“お二人、素敵な方って褒められたわよ?」


「ええっ、そんな……」


「あとね、観光客が少ないのがちょっともったいないわ」


「まあ、秘密の星ですから」

エレナが静かに笑う。


「まずは“ここが宇宙の逆側”と認識していただければ、それが特別だとわかってもらえるはずです」


「そうだったわね。ここは、作戦の開始星……“適時報告星”でもあったわね」


木造の山岳ロッジ。

入り口に吊るされたからんからんという鈴の音が、たまに風に揺れて鳴る。

落ち着いた空気の中、会話が弾む。


「お食事も美味しかったし……舞台にコンサート、海中探検、天空都市のパラセーリング!」


「あと、見てくれよこれ! でっかい魚、釣ったぜ!!」


エリオットがタブレットを操作すると、魚拓が映し出される。


「おおおおおっっ!?」


「美味しかった?」


「うんうん、最高に!」


笑い声がこだまする、星の夜。



作戦前夜、そして再び始動へ


「じゃあ、明日からお迎えをお願いします。」


「任せとけ! 航行時間はだいたい片道7〜8時間ってとこだな」


「いよいよ、スタートですね。」


「基本は自動モードで行けるから、途中はゆっくり寝て行ってね♪」


「では、また明日の夜、こちらに集合しましょう。今週、三連休でなんとか全部終わらしたいの」



天の川銀河へ――艦が動き出す


次の朝も、朝練はいつも通り。

テニス、学校、そして放課後の理科部。


すべてを終え、夕方。

えれなが報告に来る。


「お姉様――。天の川銀河に、2隻入りました」


「……わかったわ」


ゆきなは立ち上がり、空を見上げた。


「ノアリエルで――お出迎えに行きましょう」


その目には、優しさと、未来への責任が宿っていた。


空の奥で、星々が静かに軌道をずらしていく。


『星を越えて、静かに始まる作戦』


火星付近の静かな宇宙空域。

そこに、2隻のハナフライムがゆっくりと接近してくる。


「ハナフライム2番艦、ユリア艦長。3番艦、エリオット艦長、到着しました」


「ゲート、試験結果を送信、侵入許可をお願いします」


「通過を許可します。ようこそ、ノアリエルへ」


「ゆきな艦長、いつもご配慮ありがとうございます」


「いえいえ。それでは――侵入開始。ユリア艦長、エリオット艦長続いてください」


巨大なゲートの向こう側。

宇宙が歪み、星々が流れていく。

そのまばゆい光の中を抜けると、そこはすでに宇宙の反対側だった。


挿絵(By みてみん)


時間は地球換算で日の明るいの19時過ぎ。

徐々に夜になっていく着いたのは、木々に包まれた都市

――森の中央都市。

その中に、ゆきなが予約しておいた特別会場があった。


「明日から、作戦開始です。今夜はたくさん食べて、たくさん笑って、しっかり眠ってください。

これは今後の“将来”に関わる任務です」


「明日、何が起きるかわかりませんが――

またこの場所で、全員で“祝勝会”が開けるように」


拍手が広がり、乾杯の声が響く。


「かんぱーい!!」


ゆきなとエレナも、明るく手を挙げた。


挿絵(By みてみん)


ホテルでは、全員が好きな部屋を自由に選ぶ。


ゆきなとエレナは、静かに夜の街を見下ろしていた。


挿絵(By みてみん)


「今日も見てましたけど……観光客、増えてきてますね」


「うん。活気があるっていいわね」


「連邦からツアーを組むのも、そろそろありかもしれない」


「体験者が増えれば、地球と連邦の“理解”も深まるわ」

「辺境防衛拠点までの便が整えば、1隻でも運べるわよね」


「今度、ちゃんと提案してみますか」


「……うん、きっと喜ばれるわ」


その夜は、星の下で静かに眠った。



そして朝。変わらぬ朝練の音


朝――。

宇宙任務の前でも、いつも通りのテニスから1日は始まる。


「ぱこーん、ぱこーん」


朝の公園に響く軽やかな音。


AIコーチ・ロボットが、選手レベルに合わせて練習相手をしてくれる。


「……このシステム、いいわね」


「設定次第で本気でもユルくてもいけますからね」


通りすがりの散歩者が振り向く。


「朝から元気だなぁ、あの2人。しかも綺麗……」



最終確認、そして発進


朝食後、みんなで笑顔の会話。

そして――出発準備。


3台並ぶハナフライム、1号・2号・3号機。


ゆきなが静かに声を発する。


「……ここから、出発します」


「ハナフライム、融合炉スタート。モニター、連携完了。すべて正常」


「各艦、武装システム、戦略モードへ移行」


「この先には、敵の本拠地があります。

状況が不透明なままでは、連邦にも地球にも良い未来はありません」


「では、出発しましょう――」


「ノアリエル管制、こちらハナフライム1番艦から3番艦出航します」

「宇宙船ゲート、一時解放します。ゆきな様、良い船旅を」


「ありがとう」


「お姉様、3台、無事に出ました」


「では――連結を開始しましょう」


3隻が静かに回転し、一隻の大型艦へと変形していく。


「連結完了。ステルス迷彩、作動中……」


「ステルスモード良好。ワープ開始――」



進行、そして異変


ワープ速度13.5、予定飛行時間:3時間半。

1時間が経過した頃。


「お姉様、ワープ速度が……3まで落ちました」


「……? なぜ?」


「空間が通常に戻っているのに、どこか“粘り”があるような感覚です」


「……重力異常ではない……?」


「いえ、数秒後、回復しました。現在、13.5へ復旧」


「……気をつけて。今の、何かある」



敵の規模、緊張のカウントダウン


「周囲、スキャン範囲内に――大型艦1,478隻。小型艦は、数え切れません」


「……すごい数」


「これが一気に押し寄せたら……ゾッとするわね」


ユリア艦長、エリオット艦長、他の乗員たちも、静かに頷いた。



最終分離、任務開始


「本星銀河、目前。分離シーケンス、開始します」


【作戦内容】

•5つの巨大工場星へ、ウイルス浸透任務

•連続ジャンプにて個別投下

•ユリア艦&エリオット艦:本星都市部へウイルス投下・ステルス衛星設置

•作業後、安全空域へ移動

•生産低下の確認


「それでは……作戦、開始」



星々がざわめき、静かに未来が動き出した――。



さあ作戦開始です。

未来に向けてこの銀河系の平和を乗せて

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