魂を取られそうな翔平、アクマと天使の争いを見る
アンナが見上げると、高級住宅の高い天井が消えてなくなり、その代わり天界と空間が繋がっていました。空一面を朝日のような柔らかい光が覆っていて、5才児ぐらいの子供が3人、上空を旋回しています。アンナは、それが天使なのだとすぐに分かりました。美しい翼を持ち、白いローブを着ていたからです。肩まで髪が伸びていて、男の子にも女の子にも両方に見えます。5才児の幼い声をしていますが、しゃべりだすとその内容は大人そのものでした。
「お前はメフィスト家のアクマ、アンナだな」
剣を持った天使が訊ねます。
「はい、そうです」
答えたアンナに、角笛を持った天使が命じました。
「大谷翔平の魂を受け取ること、まかり成らん」
「え──!! なぜですか?! 翔平さんは、私に寿命と魂を与える契約を結んだんです。それがその証拠です」
翔平の左手首にはうずまきの、右手首には獣の数字を意味する666の模様が、ミミズばれのようになって浮かび上がっています。
「この刻印をご覧ください。これは正式な契約なのです。翔平さんの寿命と魂は私のものなのです」
すると、杖を持った天使が言い放ちました。
「アクマとの契約を超えたところにある、永遠なる愛の力によって、その契約はキレイに消え去る」
するとどうでしょう、翔平の手首にあったうずまきと666のミミズばれが消え去ったのです。
「え──! ズルい! そんなのないやい!!」
アンナは、ほっぺたを思いっきり膨らませてご立腹です。
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