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大成功した翔平、アクマに感謝する

「すべて君のおかげだよ、アンナ」

「そんな事ありません。私は天井知（てんじょうし）らずの才能を与えただけです。夢を実現させたのは翔平さんの努力の賜物（たまもの）です」

「ボクはこれまで何度も生まれ直したけど、努力していない人生なんて１度もなかった。ケチなコンビニ強盗をやって、警察に捕（つか）まりたくなくて、一生懸命自転車をこいで逃げた時だって、あれだって努力そのものだと思う」

クスクス笑いながら、アンナが応（おう）じます。

「なつかしいですねえ。初めて翔平さんに会ったのはコンビニ強盗した夜、公園のベンチでお目にかかりました」

「うん、そこで３０才になる前の２９才に亡（な）くなる契約を結んだんだ。寿命をアンナにあげる代（か）わりに、ボクは何度も生まれ直させてもらった」

「１０回ほど生まれ直されています」

「うん、いつも努力はしてきたよ。生活費を稼（かせ）ぐだけでも大変な人生もあったし、才能がないことに人生を懸（か）けて笑われたこともあった。才能があったのに指導者に潰（つぶ）されてしまったこともあったし、逆に才能のある人のチャンスを潰すシステムのおかげで、才能のないボクが大きな仕事をする立場（たちば）になったこともある」

「色々な経験をされましたねえ」

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