英雄の翔平、アクマと再会する
「だれもが羨むスーパースターの人生」を、契約通りアクマの女の子アンナは与えたのでした。今度は翔平が契約を守る番です。
シーズンオフの翔平は午後10時をまわったこの時、自宅のリビングでソファに座り、一人でくつろいでいました。アメリカ屈指の高級住宅街で、最上階のメゾネットタイプの部屋に住んでいました。
「こんばんは、翔平さん」
時間と空間を自由に移動できる能力がアクマにはあるので、以前と同じように翔平から5メートルほど離れたところに、突然アンナは出現しました。翔平は大きく目を見開きましたが、アンナであることを確認すると、穏やかな表情に戻りました。
「そろそろ来る頃だと思っていたよ、アンナ」
いつもと同じように黒いプードルの顔をしたアニマル帽子をかぶり、首から下は黒い毛の着ぐるみを着ているアンナは、可愛らしい顔と白い両腕だけが素肌をさらしています。大きな窓から見える夜景をうっとりと眺めます。
「美しいロサンゼルスの街並みが一望できる。まさに人生の成功者ですね、翔平さん」
身長193センチの翔平がソファに腰かけると、身長140センチ、小学5年生ぐらいのアンナと、ちょうど頭の高さが同じぐらいです。
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