300年分の人生経験値のある翔平、子供が可愛くてしかたがない
努力した分、どんどん上達していくのが楽しくてしょうがない翔平でしたが、「努力は必ず報われる」という言葉は大嫌いでした。人生を10周目ぐらいをし、これまで努力しても報われない人生を多く体験してきたので、その無責任な発言が不愉快なのでした。酒やタバコやギャンブルや女性関係など、それまでに何回と経験したことには関心が持てず、逆にアクマから与えられた野球の才能で、自分がどこまでも上達していくことが面白くてならないのでした。
日本からプロ生活をスタートさせたことで、二刀流選手として育ててもらえて実績を上げたこと。そのおかげでアメリカに渡っても、二刀流選手として受け入れられたこと。リトルリーグ時代からメジャーリーグでプレイする現在に至るまで、監督やコーチなどの指導者に恵まれていたこと。それらがアクマの女の子、アンナが仕組んだことも分かっていました。ケガや手術で試合に欠場しなければならない時も、焦ることはありませんでした。29才まで最高の野球選手であることは約束されていたからです。
30才になる前に亡くなる人生でも、10回ほど生まれ直せば300年ぐらいは生きています。その記憶が今回はあるため、高校生ぐらいから老成した口を利くのも当然なのでした。人生経験値が高いので、腹を立てることがほとんどなく、生かされていることに対して老人のように感謝できるのでした。特に子供たちの存在はまぶしく映り、可愛くてしかたがないのです。自分の活躍から、両親から同じ名前をつけてもらった1才6カ月の赤ちゃんが、重度の心臓病と闘っていると聞けば、お見舞いにも駆けつけました。球場でサインをねだる子供たちには、できるだけ応じるようにしてきました。落ちているゴミも拾うように心掛けているので、結果人格者のように評されますが、膨大な人生経験が自然とそうさせるのでした。
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