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酔っている翔平、アクマの女の子と話す

「あー、良かった」

と言うと、黒いプードルは立ち上がりました。

「プ、プードルが立った!」

再び翔平が驚いていると、なんと2足歩行で器用に歩いてきます。1メートルほど手前で立ち止まった時、黒いプードルは、いつのにか黒いプードルの仮装をした女の子に姿を変えていました。

「お、女の子になった!」

翔平は目を丸くしました。黒いプードルの顔をしたアニマル帽子をかぶり、首から下は黒い毛の着ぐるみを着ています。可愛かわいらしい顔と白い両手だけが素肌をさらしていました。身長が185センチはある翔平がベンチに腰かけていると、身長が140センチ、小学5年生ぐらいの女の子と、ちょうど頭の高さが同じぐらいでした。

「私、アンナと申します。どうぞよろしく、大谷翔平さん」

「なんでオレの名前を知っているんだ?」

「そりゃあアクマですもの、何でも知っていますよ。お隣失礼します」

と翔平の横に腰かけました。

「大谷翔平さんは、1994年7月5日にお生まれになって現在29才。授業が分からなくなった生徒を見捨てる教育システムで学生時代を過ごし、小卒や中卒でもやれる仕事なのに、高卒以上でないと働く機会を与えてくれない労働システムで社会人として過ごしています。人権侵害や差別をおこなっている教育関係者や企業は、責任も問われずのうのうと生きている。と、あなたご自身はお考えになっている」

「そ、その通りだ。オレは可哀想かわいそうな被害者なんだ。オレの考えていることがよく分かるな?」

「はい、私アクマなので。最近リストラにあい、次の仕事も見つからず、お金も底をつき、空腹のあまり、ついさきほどコンビニ強盗をなされました。奪ったお金でお酒と食料を大量に買い、残った所持金は2万9823円です」

そう言われて、あわてて上着のポケットからお金を取り出した翔平は中身を数えました。

「本当だ! 本当に2万9823円ある! なぜ分かるんだ?」

「はい、私アクマなので」

お読みいただき、ありがとうございました。

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よろしくお願いします。

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