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どこか冷めている翔平、それは人生経験が豊富だから

東大などの一流大学出身者に対しても、高卒や三流大学出身者と同じ条件で仕事をすれば、たいして優れた成果を出せる存在ではないと、それまでの人生の翔平がささやくのでした。官僚の仕事なんて、高卒や三流大学出身者も参加できるなら、その仕事の優劣で、東大出身者の多くは負け犬として追い出されるのさ、同じ条件で競争できるプロ野球で、東大出身者が負け犬として追い出されたように、と翔平は考えるのでした。


プロ野球選手になれるほど、有望な高校生であることを知られてからは、女の子にモテはじめましたが、将来性のない人生を送っていた時に、多くの女性が自分から離れていった経験を味わっているので、彼女たちの笑顔をとても冷めた目で見ていました。


甲子園に出場するとなると、県庁などを表敬訪問し、県知事などの政治家に会う機会もありましたが、政治家だった人生の翔平が、みんなが支払った税金を、政治家を当選させた一部の業界の利益のために、合法的に横流しをしているのさ、と教えるのでした。


貧困家庭で育った経験も思い出しているので、子供の時から野球ができることが、どれだけ運が良くて恵まれているのかも分かっています。


高校生や大学生を街中まちなかで見かけると、小卒や中卒でもやれる仕事なのに、高卒以上でないと仕事をさせてくれない差別だらけの社会の犠牲者だと同情しました。黒人でもやれる仕事なのに、白人にしか仕事をさせる機会を与えなかった会社は、人種差別と世間から非難されるはずですが、学歴差別をしている会社を、なぜかマスコミが批判しないので、日本中の会社がのうのうと、応募資格に「高卒以上」「大卒以上」と表記しています。


長年ながねん、重病人の家族の介護を支えていた母親が、心労で常軌じょうきいっした行動をとった時、「騒音おばさん」として世間やマスコミに笑い者にされたくやしい思いは、ありありとおぼえているので、期待の新人選手として世間やマスコミにチヤホヤされても、勘違いしたり自惚うぬぼれることはありませんでした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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