市職員の翔平、改革派市長の仕事ぶりを見る
「市民からお預かりしている税金を、そのお金で雇われている市長と職員が、知恵と汗を絞って、市民に付加価値を付けて戻していく作業」、これが市長が正しいと信じ込んでいる教えなのでした。多くの政党や業界団体の支援を受けた対立候補を、市民だけを味方にして市長選挙を勝ち抜いた改革派市長の信念でした。その信念は立派だな、と正直に翔平は思いました。
選挙に勝って市長の座に就くと、税金でテレビ番組を買って報じてもらったり、地方紙の購買をやめさせたので、マスコミに嫌われました。年功序列の人事を適材適所の人事に変えたので、能力がなくてもポストに就けたはずの職員の怒りを買いました。人口に比べて明らかに余っているので、公営住宅の建設を全面的に中止にしたり、駅前再開発事業で市の負担を30億円ほど減らしたり、600億円を費やす下水道工事を、コストバランスを考えて150億円にまで削ったので、敵対勢力から自宅のポストに「殺すぞ」「天誅下る」と殺害予告され、動物の死骸が自宅の敷地に投げこまれるほどです。市のレベルでこんな怖い思いをするなら、県や国レベルで同じ改革をしようとすると、どんなひどい目に遭うんだろうと、翔平は思いました。
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