金欠の翔平、ひどいバイト先に振り回される
翔平はすぐに別の会社で正社員になれると思ったのですが、世の中が不況だったのと、高卒で資格も持っていないため、なかなかなれないのでした。半年間も無職でいると預金は減っていくので、短期のバイトで生活費だけでも稼ごうと頭を切り替えました。
和菓子工場で働きましたが、いくら残業しても残業手当がつかないことに驚いてすぐに辞めました。パン工場では、アルバイトをいじめて喜んでいる現場の正社員に腹を立ててすぐに辞めました。化学工場は時給がいいので働きはじめましたが、2人分の仕事量をこなさないと罵られるのですぐに辞めました。
翔平がすぐに辞めた職場に共通するのは、当の職場がひどい環境なのを自覚しているので、はじめから脱落者が出るのを前提に、大量のアルバイトを採用していることでした。そしてわずかに残った都合のいいアルバイトを、長くこき使ってやろうとする悪質さでした。
当然、離職率が異常に高いのでした。アルバイトといえども応募する者は、履歴書を丁寧に書き、応募先の職場への道順を調べ、仕事内容が自分に出来るものなのか吟味し、採用されれば早く仕事を覚え、人間関係も上手くやっていこうと心を配るのです。その努力を嘲笑うかのようなひどい職場に引っかからないためにも、企業が求人をする時は、離職率を公表するのを法的に義務化すべきだと翔平は思いました。
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