生まれ直した翔平、貧困家庭で育つ
あるとき翔平は、貧困家庭で育ちました。
貧しくなったキッカケは、父親の子供への愛情が裏目に出たことでした。7才年上の兄が野球を始めた小学2年の時から、父親がコーチを買って出て熱心に指導していたのですが、勤務先の自動車工場からは、残業や休日出勤を断っていることで、仕事に専念していないと低い評価を受けていたのです。
それが原因となって業績悪化の時期に整理解雇されると、再就職先がなかなか決まらず夫婦仲がギクシャクして、結局離婚に至りました。兄は父が引き取り、2才年上の姉と翔平は母が引き取ったのです。生活にゆとりのない父親からは養育費はもらえず、生活は苦しくなりました。翔平が幼い時に離婚したので、父親のことはほとんど憶えていません。
母親は、工場勤務やレジ打ちなどの仕事をかけもちで頑張ってくれていましたが、非正規だったので長時間働いても賃金は少ないのでした。周りの友達が持っているゲームなどは、買ってもらえないので持っていません。クリスマスプレゼントがない理由も知っていました。
「サンタクロースは存在しないから良い子にしててもプレゼントはもらえないわ。プレゼントは親が買っているの。私たちがプレゼントをもらえないのは、家が貧乏だからよ」
と姉に教わったからです。兄のように野球を始めることもありませんでした。野球用品を買うお金がありませんし、野球をしてお腹を減らすと、食費の負担が増えるからです。だから翔平は食が細く、とても痩せていました。
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