いじめられた翔平、友情の限界を知る
翌日からは、不良生徒から急に肩を殴られたり、背中を蹴られたりしました。消しゴムを投げられて、命中すると指を差して笑われました。くやしくてミジメでしたが、不良グループという組織暴力が、怖ろしくて仕方がないのでした。学校に全国組織の警察がいれば、20万人はいる警察官の力で、不良グループなんて簡単にひねり潰してもらえますが、学校が警察の介入を拒むので、たった数十人の不良グループが、全校生徒を支配できるのでした。
翔平にとってショックだったのが、それまで仲が良かったクラスメートまで、話すらしようとしてくれないことでした。自分まで狙われていじめられるぐらいなら、仲間が踏みつけられても顔を背ける。それが友情の限界なんだと、教室で知った日から、翔平は人を信じられなくなりました。
仲間が踏みつけられた時、自分が犠牲になってでも助けようとするのは、『少年ジャンプ』の主人公だけなのだ。教室にそんなヒーローは存在しないし、社会人になっても出会うことはないだろう。だからこそ無い物ねだりの憧れで、多くの人が『少年ジャンプ』を読むのだ、と翔平は思いました。
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