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生まれ直した翔平、芸人になる

あるとき翔平は、大阪府で生まれ育ちました。お笑いがとても盛んな地域です。

吉本新喜劇を見ながら育ち、子供の時から、「勉強ができる」「スポーツができる」「ケンカが強い」と並ぶぐらい、「面白い」というのは周りから評価されるのです。

翔平も、小学生の時から友達と組んで漫才をしたりして、みんなを笑わせていました。「翔平ちゃんなら、芸人さんになれるよ」と褒（ほ）めてくれます。翔平もその気になりました。

一途（いちず）な性格なので、一日中お笑いのことを考えました。ゲームや友人関係よりも、お笑いを優先しました。高校を卒業しても、その気持ちは消えてなかったので、お笑い芸人養成学校に入学しました。

卒業して漫才師として、相方（あいかた）と２人で大阪の芸能事務所に所属しましたが、パッとしませんでした。相方とはケンカ別れをし、芸能事務所もやめました。心機一転、ピン芸人として東京に移り住み、小さなお笑い事務所に所属しましたが、お笑いの仕事はありません。アルバイトをしながら、売れない芸人しか出ていないお笑いライブに出演しています。２９才になっても先の見えない生活の不安から、入浴する時は浴槽（よくそう）に頭まで沈めてつかり、「売れてえ～！！」と叫んでいます。

そしてある日、アクマとの契約通り、心臓発作で亡くなりました。

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