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両手いっぱいに百合の花束  作者: 兼定 吉行
最終章 三人の答え
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第56話 じゃんけんならルール崩壊

「ねえ、斉木君……。もしかしてだけどさ、私達とわざと距離を取ってる……よね?」


 ……やはり、バレてたか。


 まあ、意図して無かったところも多分にありそうだが……。


 黒戸も続いた。


「君のことだ。大方ボクと栞の邪魔にならないよう、一般的な友達の範囲で付き合おうと、そう思い直し、行動したんだろう?」


 動機まで図星なんだが……。


 二人が自分のことをそこまで理解していたのかと、一朗は驚いてしまう。


 野原といいこいつらといい……。


 俺は幸福者だな……。


 雪野が怒りを露に言った。


「最初は私ねっ? 嫌われちゃったのかと思って、凄い怖かったんだよっ!?」


 黒戸も怒気を孕んだ口調で続く。


「本当、一朗は浅はかだよ。どうせ君のことだ、突然距離を置かれたボクらの気持ちなんて考えてもみなかったんだろう?」


 その通りだった。


 一朗には言い返す言葉もない。


「それは……すまん」


 それから、どうしてそうするに至ったかを話した。


「……俺も色々考えるところがあったんだよ。お前らが本当は今の関係をどう考えてるのかとか、邪魔しちまってるんじゃないかとかな。だから適切な距離を取ろうとしたんだよ……」


 でも、それも間違いだったのかもしれないと気付いた。


 そこまで話そうとしたところで、花会が先に話し出してしまう。


「私達もね、こうなったからこそ考えたの……。そしたら斉木君が居ない日々が、ありえないってわかったんだよ……」


「雪野……」


「ボクも気付かされたよ。……見て見ぬ振りをしていた、自分の本当の気持ちにもね」


「黒……は? 何の話だ?」


 突然話の流れが変わったことに一朗は動揺したが、構わずに雪野までもがこう続ける。


「私もなのっ」


「何が!?」


 一朗は予感めいたものを覚えた。


 こいつら、何を言う気だ……? 


 いや、わかっている。


 あの時の続きだ。


 雪野がこちらを向き直り、頬を紅潮させながら続ける。


「斉木君の告白を、私がちゃんと振れなくて、あやふやな感じにしちゃったのはね、友達としての関係を悪くしないためだって、そう思おうとしてた……。でも本当は、好きって思っちゃってるってことに、気付いたの……」


「はあっ!?」


「友達としてじゃなくて、男の子として……」


「はああああっ!?」


「ボクもさ」


「ファーッ!?」

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