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両手いっぱいに百合の花束  作者: 兼定 吉行
第三章 中間テスト
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第26話 のろけ超えてもろけ

 そして放課後勉強会二日目。


 この日も一朗は雪野宅を訪れていた。


 雪野が意気込む。


「今日こそちゃんと勉強するからねっ!」


 一方一朗は別のことが気になっていた。


「……で、なんでお前まで居るんだ?」


 その視線の先、一朗の斜め右に座る黒戸が言い返す。


「彼女の家に彼氏が居ちゃあ悪いかい?」


 この通り、今日は黒戸も参加していたのだ。


 彼女は続ける。


「ボクだって栞と一緒に勉強したいからね」


 もっともな理由だった。


「まあそうだよな。……ってかさ、こうなってくると俺かなり邪魔じゃね?」


 すぐに雪野が反論する。


「そんなことないよっ!?」


 黒戸もだ。


「うん、そんなことはない」


 一朗は二人の優しさに、じーんとしてしまう。


「お前ら……優しいんだな……」


「……違くって」と、雪野。


「え? 何が違うって?」


 雪野に代わり、黒戸が答えた。


「ボクら二人だけだと、きっとすぐに勉強以外のえっちなことを始めちゃうからね。一朗が居た方が逆に身が入るんだ」


 そのストレートな発言に、雪野はあたふたする。


「悠希君っ!? ビブラートに包んでっ!?」


「えっちなことをしたくなっちゃうんだ~」と、黒戸はビブラートを効かせた。


 雪野は目を泳がせ「あわわ、あわわわ」と、もはや言語を忘れている。


 そんな中、一朗は「チッ」と舌打ちした。


「下ネタかよ……。くっそ……。あー羨まし過ぎて血管キレそう……。あと雪野、ビブラートじゃなくてコンビナートな」


「そうだったねっ!? コンビーフだったっ!?」


「そうだよ(意味不明)」


 黒戸の唐突な下ネタで正気を失った雪野の混乱は、しっかりと一朗にまで伝播していたのだった。


 一体百合同士のえっちはどんなことはするんだろう? 


 そんな妄想と股間が爆発しそうになるのをなんとか堪え、一朗は黒戸に苦言を呈する。


「……ったく、急に何を放り込んでくれてんだお前は?」


「ごめんごめん。照れる雪野が可愛くてさ」


「もぉっ!?」


「あははっ! それに一朗の反応も思った通り面白かったしね」


 そう黒戸は悪びれずに言った。


「お前ってヤツは……」


 さすがの一朗も呆れてしまう。


「……黒戸って意外と下ネタ言うタイプなんだよな。綺麗な顔して……驚きだよ」


「まあ、ボクのキャラ的に違うっていうのは理解しているよ。ちゃんとTPOも弁えてるしね」


「俺はそれを弁える相手に含まれてないのかよ」


「……? 何を言ってるんだい? 当たり前だろう? 友達なんだから」


「――ッ!?」


「むしろTPOを弁えてるからこそ言ったのさ」


「……キザなヤツめ。よくも照れずにそういうことが言えるな……」


 まったく、こっちが赤面しそうだっての……。


 まあ、そういうところも憎めないんだが……。

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