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両手いっぱいに百合の花束  作者: 兼定 吉行
第二章 オリエンテーション
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第15話 合宿初日ニャー!!

 清里の合宿施設に到着した一朗達がまず最初に行なったのは、教師により決められた、四人の班に分かれての昼食作りだ。


 メニューは王道のカレーとサラダ。


 一朗の班はバスで横の列に居た雪野と鈴木。


 もう一人の女子である高橋は欠席のため居ないが、問題は無いだろう。


 早速三人は屋外の設備にて、作業を開始した。


 小学校の時の林間学校みたいだな……。


 一朗がそんなことを考えながら野菜を洗っていると、雪野がリーダーシップを発揮する。


「私、料理は好きなんだっ! なぜなら食べるのが好きだからですっ! えへへ……。だから二人とも任せてねっ!」


「へえ」


 家庭的だな。


 お嫁さんに欲しいぜ。


 雪野は張り切った様子で続けた。


「じゃあこの洗った野菜を斎木君と鈴木君にも切って欲しいんだけど、野菜を押さえる方の手は猫の手だよっ! ニャーの方の猫だよっ!」


 ニャーじゃない方の猫が気になって仕方ないが、猫の手を掲げる雪野可愛い……。


 結婚したいぜぇ……。


 などと考えている一朗の横で、鈴木が控え目に挙手をする。


「あの、雪野さん」


「はい鈴木君っ!」


「犬の手でもいいですか?」


「ん―……許可するっ!」


「ありがとう」


 ……まあどっちも似たようなもんだしな。


 そして鈴木君、ボケなのか天然なのかわからない掴み所のないヤツだ……。


「じゃあ俺はアライグマの手でやろうかな」


 そう一朗がボソリと呟くと――。


「それはダメだよっ!」


 ぴしゃりと、雪野から叱られた。


 なんで犬はよくてアライグマはダメなんだよ……。


 そう理不尽さを感じている一朗に、鈴木が話し掛けてくる。


「あの……アライグマは物を人みたいにしっかり握るからだと思うよ……。だから指が危ない……。猫みたいに丸めないと……」


「なるほど、そういうことか。ならタヌキならセーフだった訳だな」


「そうだね……」


 ちゃんと雪野の発言には理由があったのだと、一朗も納得するのだった。


 少しして、野菜などの下準備が終わったタイミングで、雪野が何やら話し出す。


「じゃあ二人にはこれから美味しいカレーを作る上で一番大事なことを伝えるよっ!」


 一朗と鈴木が見守る中、彼女はその先を続ける。


「今回みたいにカレー粉じゃなくてルーを使うなら、パッケージ通りに作りましょう! 以上っ!」


 まとも過ぎる答えに、一朗達は何も言えなくなるのだった。


 結果として、カレー作りは大成功。


 一朗は好きな子がメシマズでは無かったと知り、ホッとする。


 ダークマターを人類初観測することにならなくてよかったぜ……。


「やっぱりジャワが美味しいよねっ! ほんとは中辛より辛口の方がスパイスのバランスがいいと思うけどっ!」


 雪野も満足そうだ。


 意外にも辛党なんだな……。


 やがて昼食が終わり、午後になると一朗達は施設内の講義室に移動し、そこで外部専門講師を招いての高校生活の心構えや、郷土史などの講義を受けた。


 そして夕食後には星空観測会も行われる。


 まずは先に今見ることのできる惑星や星座の情報を軽く入れてから、各クラスごとに望遠鏡を設営して月や星などを楽しみ、合宿一日目は終わった。

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