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神の歌  作者: おさかな
第一楽章 始まりの音
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第9話 「乱稽古」

乱稽古(らんげいこ)でもしますか!」


 食事が終わり、各自の部屋へ戻る最中、ドールが提案したのは「乱稽古」というものだった。

 乱稽古とは、ガウムには一切分からない。


「ガウムに説明するね!乱稽古っていうのは、五人以上で戦う稽古だよ!この稽古は相手が1人とは限らないから、色々な場面に対応できるようになるんだ!」


「なるほど…」


 ガウムの表情を見たテールは乱稽古について説明をしてくれた。疑問を顔に出したつもりは全く無かったが、そんなにわかりやすかったのか、ガウムの疑問に気がついたテールの才能なのかは分からない。


 それはさておき、このまま乱稽古を始めるとなると、問題が生じる。この場にいるのは四人、あと一人足りないのだ。


「五人…あと一人はどうするんですか?」


「あ!カルムアならいるんじゃないか?」


 神の中で一位、二位の強さを持つドールとテールや、特殊魔法を使うカインドが居る中にカルムアを誘うということは、カルムアもかなりの強さを持っていると考えられる。


「カルムアは、ガウムと同じ斬撃魔法を使うの。今は、斬撃魔法の使い手で一番の強さを持っているわ!」


「カルムア様って、そんなにお強い方だったんです

 ね!?」


「そうよ!色々教えてもらいなさい!」


 戦える女王だったとは、驚いた。以前、ドールが斬撃魔法は扱える者が少ないと言っていた。そんな魔法のトップとなると、かなりの腕前なはずだ。


「じゃあ、俺がカルムアのこと呼んでくるね!三人先に行ってて!」


 こうして、三人は乱稽古へと向かった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「「カルムアー!」」


「お待たせいたしました!」


 以前に会った時と同じ高貴な雰囲気を感じさせる彼女は、腰に大きな剣を下げていた。

 カルムアの剣の純白の鞘には美しい金の紋様が入っており、彼女が持つことによってさらにその美しさを増していた。


「綺麗…」


「この剣は王家の一番上である者の証として、かなり前から伝わっているものなんです。」


 ガウムの視線に気がついたカルムアは、鞘を撫でながら話してくれた。


「ガウムさん、あまり慣れてないはずなので、先に色々と教えますね!」


「はい!よろしくお願いします!」


 カルムアが言った通り、剣の扱いは経験が少なすぎる。

 乱稽古をしたところで、身につけたことを生かす前に、基礎的なところが何も分からない。

 基礎の部分を斬撃魔法の使い手で最も強いカルムアに教えて貰えるとは、ありがたいことだ。


「カルムア、ガウムのことを任せてもいい?」


「もちろんです!」


「私たちはとりあえず、軽く稽古してるから、何かあったら言って!全部教え終わったら乱稽古しましょ!お願いね!」


「はい!」


 ドールがそう言うと、三人は各自で準備を始めた。

 ドールとテールがどのように戦うのかを知らないため、気になるところではある。後で乱稽古するのが楽しみだ。


「じゃあ、私達も始めましょうか!」


「はい!」


 ガウムは高鳴る鼓動を抑えきれないままだった。

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