魔力③
俺が魔力を発現させてから10日後。
泥沼の助けもあり(ドドロはなにもしてくれなかった)、基礎的な魔力の扱い方はマスターした。
魔力でできることは、俺の想像以上に多かった。
身体強化や探知だけでなく炎や水を出したり、土や風を操作するなどが可能だった。他にも色々な使い方があるそうだが詳しくは教えられてない。
まず俺は身体強化の方法を学んだ。
「よし、まずは身体強化の方法を教えましょう」
「うん?魔力探知の仕方を教えるんじゃないのか?」
「魔力の操作に慣れてもらうためですよ。身体強化は魔力操作の第一歩、初歩中の初歩です。これをできるようにしてから教えたほうが効率がいいんですよ」
それから2日めで俺は身体強化がかなりの練度で使えるようになった。泥沼は、目を丸くして驚いてた。
「(すごすぎる。まさかたった2日でここまでいけるとは…‥魔力操作のセンスはずば抜けてるな。
魔力量が多少少ないのが惜しいが、立派な金の卵だ。)」
そして残りの8日でおれは魔力探知をマスターした。
まだあたりの詳しい地形などは読み取れないが、半径500メートルいないに大きな魔力が出現したら一瞬で気づけるほどにはなった。
「やっぱ、もう出来るようになったのか。さすがだな、カル」
ドドロが俺の頭を思いっきりわしゃわしゃしてくる。
痛いからやめてください。
「魔力探知ができるようになったとは言っても、大きな魔力の接近にしか気づけないし、1時間程度しか持続できないぞ。」
「それで十分だよ。他の奴らも手伝わせるからな。」
そう言ってドドロは一階に降りて行った。
他の奴らも手伝わせる?
他の団員もできるならわざわざ俺が魔力探知を習う必要はないはずだけど…。てっきり他の団員もできないものだと思い込んでいた。
「まぁ、いいや」
深く考えすぎるのは俺の悪い癖だ
その日の夜
ドドロが大広間に団員を集めた。
「早速だが、この国の騎士団に場所がバレた。よって俺たちはまた別の場所に移動する。
今すぐ準備だ。必要最低限のものだけ持ってけ。」
今回は結構早かったな。俺はそう思いながら荷物をまとめていた。
俺たちは盗賊団なわけだ。だから、国からお尋ね者として追われている身だ。田舎の村しか襲ってないとはいえ、数が凄ければ当然目をつける
「それじゃあ、移動するぞ。」
ドドロの気の抜けた声が古城に響く。