彼らの戦記
初投稿です!!お願いします!
太陽の光が通らない森の中に、老人が一人佇んでいた。
「長く生きすぎてしまった..。死ぬ機会は幾度とあったのだがな..」消えいるような小さな声で、ボソボソと呟きながら彼は、ナニカに手を合わせていた。
「いや...、自分に死ぬ勇気があの時なかったせいなんだ。疑問に思うのは違うか...」
老人は、森の奥へと消えていった。
廃屋。一見しただけではそう評価されるようなボロい家に彼は入って行く。
(蜘蛛の巣が張っているな...。蔦も伸びていてとても不快だ。我が家に帰るたびこんなことを思うが、掃除が面倒でずっと放置するがな 。…うん?」
彼がナニカの気配を感じ振り向くとそこには
「うわぁ!」
「お久しぶりです。何年振りでしょうか?」
「きみは....」老人の視線は、片目が無い美少年に向けられた。髪の色は黄色く、目の色は白。耳が人間より少し長いこと以外は何の変哲もない少年だ。
「おや、僕のことをお忘れでしょうか?グラですよ。何十年前かは忘れましたが、一緒に旅した」グラは笑いながらさらに捲し立てる。
「まぁ、もちろん覚えているとは思いますがね。互いに命を預け、信用しあっていた仲ですもんね。あれ? もしかして僕の一方通行の気持ちでしたか?それは残念だ」
「おいおい、すこし落ち着いてくれ。もちろん覚えているよ。」そう言いながら、老人は少しだけ過去の事を思い出していた。
嫌な記憶ばっかりだな。楽しいこともたくさんあったはずなのに……。
終わりが悪かったら全て悪い。決してそうは思いたくないが、今の自分の状態を見るとそうとしか思えない。
「ところで、なんでわざわざ自分のところに尋ねてきたんだ?俺を……恨んでるじゃないのか………?」
「…………」
グラは先ほどと違うゆっくりとした口調で話し始めた。
「気持ちの整理をしにきたんですよ。あなたのことをあまり知らず、恨むのは違うと思いまして。あなたのことを探し続けてました。だから、あなたの話を聞かせて下さい。僕があなたと共にした時間は短い。まだあなたのことを何も分かっていません。」
老人は、悲しそうな、申し訳なさそうな顔をしてグラを見続けいた…。
「そうか……。分かった。自分の物語と彼女の最後について話すよ……」
老人…カルは、自分たちの物語について話し始めた。