表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/26

決戦!川中島。序章。概況説明だよ



 大胡は北条に対抗するため越後の長尾景虎(上杉謙信)と組んだ。

 謙信と言えば贈り物はアレですな



「政賢殿。これは誠に良いものでござるな。このようなものを毎月お送りくださるとはかたじけない」


 下膨れの武将が目の前に腰を下ろしている子供のように小さい大名に軽く会釈をする。



 上田原合戦の後、無駄に戦力を消耗したばかりか、あろうことか西上野の国衆に佐久の領地を与えてしまった関東バカ管領。

 自分の領地を横領され怒りに我を忘れた佐久の国衆は、勝手に武田へ寝返ってしまった。


 あまりの愚かさ加減に上野の国衆の関東管領離れが進み、北条の調略がススむススむ。

 氏康君はご飯もススむくんであろう。

 決して長子の氏政君に茶漬けの食べ方を押し付けてはいけません。

 茶が三杯あればご飯を三杯食べればよいのです。

 逆転の発想こそ大事。




 それはさておき。

 政賢率いる大胡一家は北条方へ寝返った南に隣接する那波氏の侵略を、飛び道具を揃えて迎え撃ち逆に占領。

 一躍四万石の大名となっていた。


 そして偽銀髪の奴に入れ知恵され、今後起きるであろう上杉憲政の越後への逃亡への布石として後の上杉謙信、越後長尾景虎を懐柔する策に出た。

 この前にいる下膨れ武将である。



 こいつと言えば、あの三つのものをプレゼントすれば強烈な効果があるであろう。

 親密度MAXとなってしまった。


 え?

 まだわかんないの?

 それでは読者失格よん?

(嘘)



 三種の神器。

 その一

 戦術書

 これは足利学校の蔵書から写本させてもらった孫子や呉子、戦闘狂、もとい戦闘経などの兵術書をわんさかと送っといた。


 その二

 酒。

 澄み酒(清酒)。焼酎はもとより最近甲斐より導入した葡萄の木が根を降ろし葡萄酒が作れるようになった。

 これでブランデーやシェリー酒などを作りご贈答している。


 その三

 あれです。

 大胡の貴婦人方が好んで制作している似姿絵。

 慶次郎は全力で拒否っていたが殿さんの命令。

 その制作に協力をした。

 智円と、たまに男の娘になる揚羽の間に挟まって、身もだえしながらモデルをやった慶次郎。

 その後十日間ほどは塩おにぎり毎食十個しか食べられない毎日だった。




「して、この上野。北条の圧力は増すばかりであろうか」

「は~い。大分減っちゃったよ。上杉方の国衆。僕んち以外は長野のおじいさんの箕輪と厩橋の叔父さんち。あとは新田金山の由良養父(とう)ちゃんくらいになっちゃったよ」


 先年、政賢は現在の東群馬の要衝、太田を領地とする由良氏と縁組をした。

 嫁を取ったのだ。

 その嫁の名前が何と「楓」だった!

 成程、偽観音カエデの先祖がこの二人だったのか?

 じゃあ、せめてその奥方様に乗り移れば少しは真面だったのか?

 ……いや。もっとドタバタになっていたと思う作者であった。



 時は1555年。

 既に甲相駿は成立し、北条は上野から何度も関東管領を越後に追い出している。

 信濃では善光寺平の南半分は武田の調略で支配が定着した。


 これから第一次川中島の戦いだ。




「北条と武田、双方を同時に相手するのは無理~。なんか考えないとね。それで」

「なにかな?」

「うちの武将に多聞天ちゃんが降臨することがあってさ、たまに」

「なんと!(裏山しい)して何と申しておりますかな?」


 酒をグビリとやりながら、面白半分に聞いている景虎。


「うちの精鋭部隊を表向きは放逐するからさ。傭兵部隊として雇ってくんない? 義勇兵でもいいよん。その間は上野のみんなは北条へ降るの」

「それはそれは。しかしそんな曲芸のようなことをして大丈夫なのかな? 人質などは取られぬか?」

「取られると思うけど。うちはあれ、正室の楓ちゃんがしっかり者でさ。小田原行ってもそう簡単には降参しないと思うんです。いざというときは、きっと武者どもを薙ぎ払って帰ってくると思う~」



 楓とは由良成繁の一人娘で、母親は超有名な女武将だ。

 本当に戦った女武将はこの人だけだと思う作者。


「大胡殿がそう申されるならばそうなのであろう」

「でね。とりあえず晴信の首取っちゃって」

「簡単に言うな。そうそう取れる首ではあるまいて」


 普通に考えればそうだよね。

 しかしこの頃大胡には鉄砲隊二千と忍者集団二百名以上、それにプラスして変な武将一名。

 けっこうな戦力だ。


 しかしなんだよ、その1555年で鉄砲二千丁とか!!

 詳しい内政チートについては作者がマジで書いている作品「首取り物語」をお読みください^^;



「うちの戦力の三割を脱走させるから使っちゃって。六百丁も鉄砲あれば長篠スタイル出来るって」

「長篠すたいるとは?」

「馬防柵作ってその後ろから鉄砲バンバン撃つの。わざと敵を突撃させれば壊滅的打撃を与えられると思うよ~」

「……なろほど」



 戦の事は流石飲み込みが速い。

 既に舌が回らないほど泥酔しているにもかかわらず、善光寺平での戦をシミュレートしているらしい。



「ではうちの家臣よろしくね」



 果たして川中島ではどのような惨状が巻き起こされるのか?

 乞うご期待!







いつもお読みくださり誠に感謝しております。

★評価やブックマークをいつもありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ