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勲章

 日本にとどまらず、欧米でもSTEの影響力は大きくなった。マイボトル、つまり水筒文化は欧米にはほとんどなかったものの、STEのロゴ入りマイボトルが発売され、コンサート会場でも販売したところ、世界中で売れた。

 国連でのスピーチも依頼され、平和を訴え、紛争地域に救いの手を差し伸べて欲しいと訴えた。STEのコンサートの規模が大きくなったので、チャリティーコンサートに切り替えた。つまり、売り上げの大半を寄付に回すのだ。

 さすがにスタッフを増やし、事務所ももう少し大きいところに移した。レッスン場は地下ではなく、11階になった。そして、都内在住ではなかったメンバーから順次、その建物に住むようになった。家にファンが殺到する事態を避けるため、最終的には全員が事務所のある建物に住むようになったのだった。


 そうして、数年が過ぎた。国内外でいくつもの賞をもらった。外国で勲章までもらった。それを受け、日本の総理大臣も息巻いた。

総理大臣:「Save The Earthは素晴らしい!また全米1位を取ったそうじゃないか。彼らのお陰で二酸化炭素排出量も減っているし、あの子たちは、我が国の宝だなぁ。そうだ、彼らを人間国宝に認定したらどうだろうか?」

閣議でそう、総理大臣からの提案があった。

文部科学大臣:「確かにSave The Earthは素晴らしいですが・・・人間国宝はもっと年を取ってからでないと。」

総理大臣:「なぜだ。あんなに世界中で賞をもらっていて、日本で何も与えないというのは、良くないだろう。」

文部科学大臣:「ですが・・・彼らはまだ若い。若いうちに人間国宝などにして、後になって、その・・・事件を起こしたりとか、麻薬問題や不倫のような事になったりするとまずいので・・・。人間国宝は、一度認定したら生涯取り消すことができませんので。」

副総理大臣:「ああ、だからもうすぐ死にそうな年寄りしか、人間国宝にはなれないのか。」

総理大臣:「なら、文化勲章を与えるというのはどうかね。」

文部科学大臣:「それにつきましても、70歳以上と決まっておりまして。」

副総理大臣:「確かに、文化勲章をもらうのも、年寄りばかりだな。」

副総理大臣は、完全に自分の年を棚に上げて、ものを言っている。

総理大臣:「だが、お隣韓国では、世界的に活躍しているアイドルグループに文化勲章を与えたと聞いたぞ。」

総務大臣:「STEのメンバーには、それぞれの出身地が、知事賞を授けたと聞きましたが。」

総理大臣:「出身地別だと、個人に授けたのだろう?グループ全体としては何も授けていないではないか。オリンピックで金メダルを取った選手には、どうしているんだっけ?」

総務大臣:「メダリストには、報奨金を出しています。」

総理大臣:「カネか。彼らは受け取らんだろうね。ボランティアばかりしているそうだから。」

結局、国からは何も出なかった。だが、日本のクリーンエネルギー率が上がり、ゴミは減り、二酸化炭素排出量も減り、ボランティア活動をする若者が増えた。

 STEは、確実に日本を変えて行った。


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