俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~の感想
今回紹介する小説は、私が初めて感想を書いた「ようこそ追放者ギルド~」の下位互換です。
いつものようにギルドから追放される主人公。
追放された際にかけられた言葉は数年後も覚えており、こんな酷い奴のようにはならないと決意します。
ですが、そんな決意など無かったかのように部下をギルドから追放します。
まあ、追放と言ってもなろうお馴染みの鑑定眼で特技を見抜き、活躍できる場所に異動させるだけなのですが。
なんで異動ではなく追放と言いかえるのか、疑問に思われる方もいるでしょう。
読み進めていくと分かるのですが、ただ単に「何で適所に配置しただけなのに感謝されるんだ?やれやれ」がやりたいだけです。何言っているのかわからない?私もです。
主人公の鑑定眼は人の長所を見破るだけではなく、過去を映したり未来を見たり、果てには時間を操作して自分や他人を早く動かしたり遅くしたり、あろうことか気絶や即死までできるそうです。
そんな万能な力を持っているくせにギルマスから追放されることが分からなかったんですね(笑)
ちなみに追放された理由は、主人公が何もやってないから、だそうです。
実際は鑑定眼を利用してギルドを裏で動かしていたそうなのですが、何故か(十中八九追放されるためでしょうが)そのことをギルマスに報告しなかったようです。要するにいつもの脳死プレイです。
で、本作品にはざまぁ成分が存分に含まれております。
基本的に
元ギルドメンバーがお偉いさんにハラスメントを受ける
→主人公がでてきてはったりをかます
→つられたお偉いさんが悪事をばらす
→実は裏で聞いていたさらに偉い人が処罰を下す
こんな感じのワンパターンの展開が続きます。
この部分、今までで一番読んでいて嫌になりました。
いくらなろう小説といってもここまで単純な流れが続いて面白いと感じる人がいるのかと。
しかも万能な主人公の能力を使えば部下が危険な目に合う前に解決できた事柄もあり、主人公に魅力が全く感じられなくなりました(最初から魅力なんか感じたことないけど)。
最後に主人公とカマセキャラ以外のキャラクターなのですが、全員主人公の太鼓持ちです。
主人公凄い!優しい!の合唱が耳障りなことこの上ないです。
せめて「なんで自分のことを悪徳ギルドマスターと自称するんですか?」と聞くキャラが居ればまだましだったんですが、まあいたとしても舞台裏でポアされるために描かれないのでしょう、きっと。
いつもは話の流れに沿って紹介するのですが、ワンパターンでいちいち説明するのがばからしいので今回のようになりました。
「話に流れがないってどういう意味?」という疑問を持った方は読んでみることをお勧めします。
まさにこの小説のことですよ。